ものづくり補助金平成27年度製造業福井県

福井発。世界で唯一の高品質チョコレート製造プロジェクト

株式会社森八大名閣

この事例のポイント

  • 感度の高い消費者に向けた高品質でオリジナリティのあるチョコレートを開発できていなかった。
  • 大手メーカーが大量のカカオ豆を輸入して大規模工場で生産するのに対し、100kg以下の少量生産(スモールバッチ)での安定した生産を目指した。
  • 3つの機械の導入により、豆の選定から製造までを一貫して自社で行える環境が整った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社森八大名閣
所在地福井県 福井市
業種食料品製造業
従業員数30人
資本金1,200万円
設立1976年

事業の背景

株式会社森八大名閣は、昭和51年(1976年)創業の菓子店で、創業以来84年にわたり福井の菓子業界をリードしてきた。本店のほか三店舗を展開し、専門性の高い和菓子と洋菓子を製造販売している。近年はニーズの多様化に対応するため、独自商品の開発とインターネット販売に取り組んできた。嗜好品の高級志向という潮流があり、食に対して感度の高い顧客向けに高品質なチョコレートを開発する必要が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術感度の高い消費者に向けた高品質でオリジナリティのあるチョコレートを開発できていなかった。
  • 品質・精度これまでのチョコレート開発は大手メーカーのクーベルチュールチョコレートをベースとしており、カカオ本来の個性を引き出した自由度の高い製品を作りにくかった。
  • 生産能力カカオ豆の流通の関係で、少量生産(スモールバッチ)でのチョコレート製造が難しかった。

やったこと

大手メーカーが大量のカカオ豆を輸入して大規模工場で生産するのに対し、100kg以下の少量生産(スモールバッチ)での安定した生産を目指した。東南アジア諸国から少量のカカオ豆を購入することから着手し、キューバやベトナムから届いたカカオ豆は目視で丁寧に選定した。新たにコンベクションオーブン(カカオ豆を芯から焙煎できる)、石臼(豆を20ミクロン以下まで摩砕し滑らかな舌触りを出す)、小型テンパリングマシンの3機種を導入し、焙煎・摩砕・テンパリングを安定して管理できるようにした。5カ国の産地のカカオ豆ときび砂糖のみで作ったカカオ70%のチョコレート「HAREHIYORI」を開発し、福井の特産品である青大豆や若狭の梅を使った土産向け商品も開発した。

  • 加工機コンベクションオーブン石臼小型テンパリングマシン

新しい製品・サービス:カカオ70%のチョコレート「HAREHIYORI」

事業の効果

3つの機械の導入により、豆の選定から製造までを一貫して自社で行える環境が整った。これにより高品質でカカオ本来の個性を生かした、オリジナリティのあるチョコレートを開発できるようになった。福井の青大豆や梅を使った商品は、福井を訪れる県外観光客向けの土産物として新たな販売ルートの拡大を狙うものである。和菓子・洋菓子の応用力を生かし、チョコレートをベースにドーナツや生チョコなど多彩な菓子を生み出し、より親しみやすく付加価値の高い製品にしていく。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性嗜好品の高級志向という潮流を読み、カカオ豆流通の難しさを踏まえてスモールバッチ製造を実現したとあり、外部動向と自社の強みが具体的に示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け高品質かつオリジナリティの高いチョコレートを顧客ターゲットに、福井の青大豆や梅を使った土産需要を狙うと明確に書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値カカオ70%の少量生産チョコレートを作り、同分野で高品質かつ個性を重視する高付加価値化を図っていることが具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、売上は3億5,200万円と示されるのみで、目標値の実現可能性は読み取れない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来84年にわたり福井の菓子業界をリードしてきたとあり、和洋菓子の製造経験を生かしチョコ開発に進む流れは読めるが、戦略上の位置づけの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    嗜好品の高級志向という潮流を読み、カカオ豆流通の難しさを踏まえてスモールバッチ製造を実現したとあり、外部動向と自社の強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決3

    独自商品開発とネット販売に取り組んできたとあるが、課題の数値的な把握や高付加価値化の見込みに関する具体的な記述は限定的。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、売上は3億5,200万円と示されるのみで、目標値の実現可能性は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    従業員30人、本店と三店舗を展開し和洋菓子を製造している点は読めるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高品質かつオリジナリティの高いチョコレートを顧客ターゲットに、福井の青大豆や梅を使った土産需要を狙うと明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    新たな販売ルートの拡大を狙うとあるが、スケジュールや課題解決の方法は示されておらず、遂行方法は概略にとどまる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    カカオ70%の少量生産チョコレートを作り、同分野で高品質かつ個性を重視する高付加価値化を図っていることが具体的に書かれている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    福井の特産品である青大豆や若狭の梅を使い地域資源を活用し、観光客向けの土産物として販路を広げる点は読めるが、波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す数値や補助金投入額に対する付加価値の増加見込みは記載されておらず、わずかにうかがえるのみ。

  • イノベーションへの貢献2

    インターネット販売や研究開発への取り組みはあるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明確に書かれていない。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    福井の青大豆や若狭の梅を使った地域資源活用と観光土産としての販路拡大が具体的に示され、地域経済への寄与がうかがえる。

今後の展望

今後は市場の動向を鋭敏にキャッチしながら、多彩でオリジナリティの高い高品質チョコレートの製造開発に取り組んでいく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。