ものづくり補助金平成27年度製造業福井県

県内初「四季醸造」実現と300年蔵での醸し人型体験見学

三宅彦右衛門酒造有限会社

成果1割増加

この事例のポイント

  • 受注が増えているが、これまでの生産量では対応が難しくなっていた。
  • 本事業では年間を通した酒造りの実現を目的に、温度調整タンク、原料冷却機、打栓機を導入した。
  • 1割増加。年間を通した酒造りが可能になり、仕込みの期間が伸びた。

事業者のプロフィール

事業者名三宅彦右衛門酒造有限会社
所在地福井県 美浜町
業種飲料・たばこ・飼料製造業
設立1718年

事業の背景

1718年に初代が清酒の製造販売を開始し、美浜町唯一の造り酒屋として約300年、自家井戸から湧き出る水でこだわりの地酒造りを続けてきた。近年は「清酒を飲むなら本物を味わいたい」という消費者の傾向から受注が増えた。一方で清酒業界全体の販売量は低迷している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力受注が増えているが、これまでの生産量では対応が難しくなっていた。
  • 生産能力清酒業界全体の販売量は低迷しており、将来にわたって現在の受注量を確保できるとは限らないため、生き残りのための対策が必要だった。

やったこと

本事業では年間を通した酒造りの実現を目的に、温度調整タンク、原料冷却機、打栓機を導入した。原料冷却機は蒸しあがった酒米を冷却する機械で、これまで6人ほどでしていた作業が3人でできるようになった。米粒が効率よく冷えることで、タンク1本あたりの仕込み量は1割増加した。温度調整タンクの導入により、平成29酒造年度の仕込第1号(純米酒)を例年より1カ月早く仕込み始められた。打栓機の導入により、これまで男性が手動で行っていた作業が力の強弱に関わらず1人で安全かつ確実にできるようになった。

事業の効果

  • 1割増加
  • 作業人数 6人→3人
  • 仕込みの期間 9カ月→12カ月
  • 約2割増加
  • 2軒増やすことができた

年間を通した酒造りが可能になり、仕込みの期間が伸びた。一度に仕込める量が増え、年間の生産量は約2割増加した。温度管理により夏向けの「盛夏のしぼりたて」を安定的に製造でき、ブランド力が強化された。生産の効率化で確保した人員は酒蔵見学のサービススタッフなどに振り向けられ、特約店も2軒増えた。作業負担の軽減や若者の雇用にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性1718年創業から約300年の自家井戸水による地酒造りを継続し、受注増に対応するため年間通した酒造りへ展開する計画が過去の取組と一貫している。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性「本物を味わいたい」という消費者傾向の受注増を踏まえ、美浜町唯一の造り酒屋という立地と自家井戸水の強みを活かす内容になっている。
  • 4
    課題の認識と解決仕込み期間が9カ月から12カ月に伸び年間生産量が約2割増加し、業界の販売低迷という課題に対し特約店を2軒増やす成果まで示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    イノベーションへの貢献温度調整や原料冷却など設備面の改善はあるが、デジタル技術や新ビジネスモデルでの地域・サプライチェーンへの貢献は明確には示されていない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    1718年創業から約300年の自家井戸水による地酒造りを継続し、受注増に対応するため年間通した酒造りへ展開する計画が過去の取組と一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    「本物を味わいたい」という消費者傾向の受注増を踏まえ、美浜町唯一の造り酒屋という立地と自家井戸水の強みを活かす内容になっている。

  • 課題の認識と解決4

    仕込み期間が9カ月から12カ月に伸び年間生産量が約2割増加し、業界の販売低迷という課題に対し特約店を2軒増やす成果まで示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    年間生産量約2割増、タンク1本あたり仕込み量1割増、作業人員6人から3人への削減など目標と結果が示され、実現性が見込める。

  • 事業を進める体制3

    酒蔵の既存の製造工程を熟知した体制で原料冷却機や打栓機を導入し、作業の安全性と確実性を高めて遂行できている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    「盛夏のしぼりたて」など夏向け商品を安定製造でき、消費者の本物志向に応える選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    麹づくり設備の整備や副産物を使った新商品開発、酒蔵見学スタッフ配置など今後の段階的な進め方が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    同じ清酒分野の中で、自家井戸水による約300年の地酒と「盛夏のしぼりたて」などの高品質化を図り、ブランド力を強化している。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地元高校の食物科生徒の採用や若者雇用の増加、美浜町唯一の酒蔵として地域の観光と県内外への発信に貢献する点が読み取れる。

  • 費用対効果3

    投資により年間生産量が約2割増加し作業人員を削減でき、生産性向上と生産増加による効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    温度調整や原料冷却など設備面の改善はあるが、デジタル技術や新ビジネスモデルでの地域・サプライチェーンへの貢献は明確には示されていない。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    地域唯一の酒蔵として地元の特性を活かし、観光客向けの見学サービスや雇用創出を通じて地域経済の成長を牽引する方向性が示されている。

今後の展望

今後は生産の効率化で確保した人員を酒蔵見学のサービススタッフとして配置する予定。酒粕などの副産物を生かした新商品の開発も進め、新たな顧客の獲得を目指す。麹づくりの設備も整え、品質の向上とさらなる仕込みの増量を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。