ものづくり補助金平成27年度製造業山梨県

最新設備での無人稼働化による生産プロセス革新と自社製品の創出

株式会社 かいわ

この事例のポイント

  • 超精密製品を作る現場で、バイスでワークを挟むと挟む側が浮き上がって移動し、精度が出なかった。
  • 社員の作業の苦労を解決するため、市販品に頼らず自社使用の冶具として超精密保持が可能な木組バイスを開発した。
  • 木組バイスにより、ワークを載せて締めるだけで精密な保持ができるようになり、保持の調整に頼る作業が減る。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 かいわ
所在地山梨県 上野原市
業種生産用機械器具製造業
技術分野デザイン,精密加工
従業員数10人
資本金1,000万円
設立1968年

事業の背景

父の代からプラスチック製造金型を受注してきた会社である。社長が継いだ当時、時代に合う技術がなく、周りから取り残されていた。時代の変革と代替わりの影響もあり、仕事も従業員も減っていった。下請けのままでは使い捨てにされるおそれがあり、自社独特の技術を作る必要があると考えた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度超精密製品を作る現場で、バイスでワークを挟むと挟む側が浮き上がって移動し、精度が出なかった。
  • 人手・技能精度が出ないとき作業者はワークを叩いてバイスに押し付けたり、即席の調整をして使い続けていた。
  • 新製品・新技術市販のバイスでは目的の精度が出ないため、自社で使う保持具を作る必要があった。

やったこと

社員の作業の苦労を解決するため、市販品に頼らず自社使用の冶具として超精密保持が可能な木組バイスを開発した。発想は法隆寺の回廊の木組みにあり、移動口金をフレーム構造とし、移動口金アダプタの梁を弾性変形させるバネ構造にした。移動口金アダプタには斜めにスリットを入れ、ワークを下方へ押さえ込めるようにした。ワークを載せて締めるだけで保持でき、保持力も調整できるため、潰れやすい部品やアルミ・プラスチック・銅などの脆弱材にも有効性が分かっている。機上で分解して掃除や砥石がけができ、保持ネジを締めるハンドルはアルミ製にして作業時の落下でワークやテーブルに傷がつかないようにした。幅50のバイスに0.3mm厚の違うブロックゲージを2つ保持できることも確認している。

その他木組バイス(超精密保持用バイス)

新しい製品・サービス:木組バイス(超精密保持が可能なバイス)

事業の効果

木組バイスにより、ワークを載せて締めるだけで精密な保持ができるようになり、保持の調整に頼る作業が減る。新人でも余計な調整をせずに精密保持ができ、現場の苦労が減る。ワークの歪みや潰れを軽減でき、レンズやナノ鏡面加工など形状精度が重要な加工に適している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    父君の代からの金型受注から、自社独自技術による製品開発へ転換したと書かれているが、経営戦略として明確に位置付けられたかは読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    受注に依存せず自社独自技術を作る方針と、超精密加工・無人化への言及はあるが、市場動向や競争優位性の定量的な裏付けは書かれていない。

  • 課題の認識と解決2

    社員がバイスで歪むという課題認識と、無人化・微細泡技術への関心はうかがえるが、高付加価値化・成長につながる計画の記述は乏しい。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    社員数10人と地下工場の存在は書かれているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力については触れられていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    木組バイスは保持精度の高さ、潰れや歪みの軽減、アルミ・プラスチック・銅への有効性が具体的に示され、対象ニーズも明確である。

  • 事業化までの道筋2

    無人化や装置開発への意向はうかがえるが、中長期の遂行方法やスケジュール、課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    木組バイスは市販品では出せない超精密保持を実現し、マイクロバブル発生器も含め世の中にない製品として高水準の付加価値を狙っている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用や波及効果への言及はわずかで、国が補助する積極的な理由は事例からは明確でない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    マイクロバブル発生器による切削液の高度化など新技術への取組は書かれているが、サプライチェーン全体への貢献は具体的に示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    メーカーに頼る時代は終わったという認識と、新分野の微細泡技術への関心がうかがえるが、構造転換への言及は明確でない。

  • 地域経済への波及2

    上野原の地で温度湿度の安定した地下工場を活用している点はうかがえるが、地域の経済成長への牽引は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

「うちの製品は世界一なんです。この世のどこにもないものですから。唯一の世界一なんです。」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。