ものづくり補助金平成27年度製造業山梨県

生産性向上及びシェア拡大に向けたNC旋盤の導入

マルク ガルニエ オルグ ジャポン有限会社

成果部品加工作業時間 2,600時間→414時間

この事例のポイント

  • 手作業での部品加工が部品加工作業の多くを占めており、作業時間がかかるため生産力の向上が課題だった。
  • 部品加工の機械化を進めるためNC旋盤を導入した。
  • 部品加工作業時間 2,600時間→414時間。NC旋盤の導入により部品加工の作業時間が大幅に短縮され、生産力が大きく向上すると期待される。

事業者のプロフィール

事業者名マルク ガルニエ オルグ ジャポン有限会社
所在地山梨県 忍野村
業種木材・木製品製造業
技術分野精密加工,立体造形
従業員数6人
資本金300万円
設立1997年

事業の背景

パイプオルガンは国内で需要が安定して増加しており、学校や教会、個人宅向けの小型から中型規模の要望が多い。同社は国内でトップシェアを誇り、海外からの製作依頼も多い。これまで国内で150台以上のパイプオルガンを制作・納品し、高い評価を得ている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手作業での部品加工が部品加工作業の多くを占めており、作業時間がかかるため生産力の向上が課題だった。
  • 品質・精度手作業では破損リスクが高い部品があり、安定した製作と品質向上を目指す必要があった。
  • 集客・繁閑注文が常時何台も入っており注文納期は2年半から3年後になっていて、依頼を断るケースもあった。

やったこと

部品加工の機械化を進めるためNC旋盤を導入した。機械化が可能なのは全作業のうち部品加工作業の約20%にあたる2,600時間分で、この作業を機械に置き換えて作業時間の短縮を図った。例えば導風溝板の溝削りは手作業では仕上げまでに42時間かかるが、彫刻作業は1彫刻あたり1,000時間の作業が192時間に、3彫刻で1,600時間の作業が222時間に短縮できることを検証作業で確認した。汎用のNC旋盤をパイプオルガン制作用に独自にプログラミングし、専用の特注の刃も造ってもらうなど、実情に合わせた工夫を行った。

加工機NC旋盤

事業の効果

  • 部品加工作業時間 2,600時間→414時間
  • 彫刻作業時間(1彫刻) 1,000時間→192時間
  • 彫刻作業時間(3彫刻) 1,600時間→222時間

NC旋盤の導入により部品加工の作業時間が大幅に短縮され、生産力が大きく向上すると期待される。作業時間の短縮により装飾にも時間をかけられるようになり、よりオリジナル性の高いオルガンを作れるようになった。部品の精度も上がり、品質向上にもつながった。国内外での受注増加とシェア拡大が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    2010年から息子が制作責任者となり、1997年設立以来メンテナンスから制作へ事業を広げてきた経緯が書かれているが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内で150台以上の納品実績と国内トップシェアを持ち、需要増加の動向や海外からの依頼も示されており、強みと市場環境が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    注文納期2年半~3年、部品加工作業2,600時間を414時間に短縮可能と数字で課題と効果を示し、生産力向上の計画が具体的。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    2,600時間を414時間に短縮と検証済みの数値があり、生産力の大幅向上が目標として明確に示されている。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    工房の責任者や技術者がNC旋盤を扱い、プログラミングを自社で行っている点は読み取れるが、体制の詳細は具体性が薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    一台ごと異なるオーダーメイドで芸術性・音色・装飾が評価され、顧客は国内外に多いと具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    NC旋盤の導入、検証作業での時間短縮確認、既存の3D設計の基盤があったことなど、導入経緯と進め方は具体的に読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    パイプオルガンは同分野で国内トップシェアを持ち、一台ごとの装飾と音作りで高水準の高価格化を図っていることが読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    国が補助する積極的な理由として、雇用創出や波及効果などの記述はなく、わずかに文化的な意義がうかがえる程度。

  • 費用対効果4

    投資に対して部品加工2,600時間が414時間へ短縮される見込みや、装飾時間の確保が数字で示されており費用対効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    3D設計やNC旋盤の活用は書かれるが、地域やサプライチェーン全体への貢献としての記述は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山梨県忍野村の工房で事業を営むことはわかるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

100年先の人も感動させるパイプオルガンを残すため、もっといい音、さらに美しい音楽を目指し、技術とスキルをさらに高めていきたいとしている。

事業者の声

パイプオルガンづくりで一番大事なのは音楽です。オルガンは同じものは一つもありません。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。