ものづくり補助金平成27年度製造業京都府

NC旋盤の導入で生産効率の向上を図り町工場に明るい未来を!

吉田工業株式会社

成果1個あたりの加工時間 240分→90分

この事例のポイント

  • 現有の汎用旋盤中心の手作業では生産効率が低く、同業他社の廃業を見て生産効率を上げる必要を感じた。
  • NC旋盤を導入し、従来は汎用旋盤で4工程かかっていた工程を2工程に短縮した。
  • 1個あたりの加工時間 240分→90分。NC旋盤の導入により加工時間と工程数が大きく減り、加工精度を保ったまま生産量を増やせた。

事業者のプロフィール

事業者名吉田工業株式会社
所在地京都府 京都市
業種その他の製造業
技術分野精密加工
従業員数8人
資本金300万円
設立1970年

事業の背景

当社は昭和45年に創業し、平成28年に法人化した金属加工業者で、大手工具メーカーの下請けとして工具加工を行っている。主要製品はダイヤモンドドレッサのシャンク部の製造・加工・修理である。補助事業に取り組むまでパソコンもなく、創業時とほぼ同じ形で事業を続けてきた。現有設備のメンテナンスを重ね、大きな設備投資を抑えて利益を出してきたが、同業他社の廃業を目の当たりにした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現有の汎用旋盤中心の手作業では生産効率が低く、同業他社の廃業を見て生産効率を上げる必要を感じた。
  • 人手・技能従業員の負担が大きく、待遇を改善して事業を継続する必要があった。
  • 人手・技能後継者である息子たちが日々の作業に追われ、経営者や技術者として成長する時間が不足していた。
  • 新製品・新技術NC旋盤を初めて導入するにあたり、長い材料の回転ブレ、ダイヤモンド損傷の可能性、NC旋盤の技術者育成という課題があった。

やったこと

NC旋盤を導入し、従来は汎用旋盤で4工程かかっていた工程を2工程に短縮した。素材カット後、全工程を自動化し、プログラムをセットすることで大量生産を可能にした。長い材料の回転ブレを防ぐ治具と、ダイヤモンドの損傷を防ぐ樹脂ボルト取り付け用のコレットチャックを専用に作成して課題を解決した。後継者の長男がメーカーの研修に参加して技術・知識を習得し、NC旋盤技術者の育成を行った。

加工機NC旋盤
その他専用治具(回転ブレ防止治具・コレットチャック)

事業の効果

  • 1個あたりの加工時間 240分→90分
  • 加工工程数 4工程→2工程
  • 補助事業の販売高は全社構成比15%超まで伸ばすことができた

NC旋盤の導入により加工時間と工程数が大きく減り、加工精度を保ったまま生産量を増やせた。急激な受注増にも対応できるようになり、測定子などダイヤモンドドレッサ以外の受注も得られた。補助事業の販売高は全社構成比15%超まで伸び、従業員の給与も向上した。シルバー世代や女性の雇用も進めやすくなり、次世代への事業承継につなげる取り組みを続けている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業から50年続く金属加工業で、大手工具メーカーの下請けを続けてきた経緯は読み取れるが、NC旋盤導入を経営戦略にどう位置付けたかの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    手作業による5ミクロン精度の強みと、同業他社の廃業という外部環境に触れている。ただし市場動向や競争優位の数値的裏付けは示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    課題として長材料のブレ、ダイヤモンド損傷、技術者育成の3点を挙げ、治具と研修で解決した点が具体的に書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    1個あたり4時間から1時間30分への短縮、工程数4から2への削減、生産時間100分の1のような具体的数値目標と結果が示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員8人で息子が中心に導入し、長男がメーカー研修で技術を習得したと書かれているが、体制の定量的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ダイヤモンドドレッサシャンクの用途や精度要求を示し、取引先から測定子など他製品の受注が来ている点も書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    治具作成や技術習得による課題解決方法は書かれているが、中長期のスケジュールや段階的な計画の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ダイヤモンドドレッサは専門性が高い分野で、精度の要求水準も5ミクロンと具体的に示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の町工場の模範となる、雇用の創出という趣旨がわずかにうかがえるが、波及効果の具体的な記述は少ない。

  • 費用対効果4

    生産時間の短縮と売上向上、補助事業の販売高が全社構成比15%超に伸びたことが書かれ、費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    NC旋盤による自動化は書かれているが、先端デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    RoHS指令など新素材加工への挑戦が書かれているが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    京都市伏見区の町工場として、シルバー世代や女性の雇用を生む点は読み取れるが、地域経済の牽引という記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後予測される短納期化やダイヤモンドドレッサの細分化に対応できる高精度生産と多品種生産を目指す。EUのRoHS指令などに適合する新素材での難易度の高い加工技術の確立に取り組み、4代目への事業承継につなげたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。