ものづくり補助金平成26年度サービス業(他に分類されないもの)大分県

設備導入による効率的・高品質な時計修理販売事業「修理マイスター」の展開

株式会社フジヤマ時計店

成果修理品1本あたりの作業時間(1人当たり) 390分→170分

この事例のポイント

  • 時計修理に携わってきた職人が高齢化し、後継者不足と技術継承の困難さから、時計店の廃業が続いている。
  • 真空乾燥装置、防水試験機、部品洗浄用自動洗浄機などの設備を導入した。
  • 修理品1本あたりの作業時間(1人当たり) 390分→170分。作業効率が改善し、修理品1本の所要時間は390分から170分へ220分短縮(56.4%削減)した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社フジヤマ時計店
所在地大分県 別府市
業種機械等修理業
従業員数2人
資本金100万円
設立1998年

事業の背景

機械式時計が全盛だった時代は、市どころか小さな町にも時計店があり、定期的な修理とオーバーホールで顧客との信頼を築いていた。クォーツ時計の登場で店での修理は少なくなり、当時修理を担っていた職人は高齢化している。株式会社フジヤマ時計店は平成10年に創業し、平成26年2月に設立された時計修理・販売店で、社員数は2名である。店主は40代後半で、時計蒐集から修理を始めた人物である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能時計修理に携わってきた職人が高齢化し、後継者不足と技術継承の困難さから、時計店の廃業が続いている。
  • 生産能力修理品1本あたりの所要時間が390分と長く、1日(8時間)の処理能力は1人当たり1.3本にとどまっていた。
  • 品質・精度町の時計店がメーカー修理に近い水準の作業を行うには、高度な設備が必要だが、高額な設備を自力で揃えることは難しかった。

やったこと

真空乾燥装置、防水試験機、部品洗浄用自動洗浄機などの設備を導入した。真空乾燥装置は水没した時計を内部まで乾燥させるもので、部品洗浄用自動洗浄機は洗浄中に発生する異臭(ガス)なども抜く。これらは時計メーカーにあるような本格的な設備で、町の時計店では置いていない高性能な機器にあたる。導入した設備を使い、メーカー修理に準ずる水準の作業を保証書付きで行う体制を整えた。

その他真空乾燥装置
その他部品洗浄用自動洗浄機
検査測定防水試験機

事業の効果

  • 修理品1本あたりの作業時間(1人当たり) 390分→170分
  • 修理処理能力(1人当たり、1日8時間) 1.3本/日→2.8本/日

作業効率が改善し、修理品1本の所要時間は390分から170分へ220分短縮(56.4%削減)した。処理能力も1日1.3本から2.8本へ2.2倍に向上した。これにより時計修理1本あたりの粗利益も大幅に増加したという。高い技術と設備で修理マイスターとして店の付加価値を高め、同業者の見学も受け入れている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    起業した時計修理店が、時計蒐集から修理を始めた店主の経緯を述べるのみで、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    時計修理業界の高齢化や店の減少という外部環境と、店主の技術への愛情は書かれるが、競争優位の根拠となる数字や比較は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    修理品1本の所要時間が390分から170分に減り、処理能力が1.3本から2.8本へ2.2倍になるなど、課題に対する効果が数字で示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1本あたり220分の時間短縮(56.4%削減)と処理能力2.2倍という数値目標の実績が示されるが、賃上げや付加価値額の目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    店主の経歴や40代後半の働き盛りという記述はあるが、従業員2名の体制や事務処理能力については具体的な記述が少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    メーカーより安く保証書付きで修理するという提供価値と、アンティーク時計愛好家や全国からの依頼が書かれ、ニーズの裏付けは読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今後は技術を磨くという方向性は述べられるが、遂行方法・スケジュール・課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    メーカー修理に準ずる高水準の修理を町の時計店で行う点は読み取れるが、市場での高付加価値化の度合いを示す数値は少ない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    業界の課題解消や町の時計店の存続に触れるが、雇用創出や波及効果などの国が補助する積極的理由は述べられていない。

  • 費用対効果4

    設備導入による時間短縮と処理能力の向上、修理1本の粗利益の大幅増加が示され、費用対効果をうかがえる記述がある。

  • イノベーションへの貢献2

    同業者の見学受け入れで業界全体の意識を高める点はあるが、先端的デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    大分県別府市の町の時計店が全国から依頼を受ける点は地域性を示すが、地域経済の成長を牽引する記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

設備・技・プロ意識の3つを高めて、客に選ばれる時計修理店を目指す。店主は今の設備を最低限の環境と考え、さらに技術を磨いていきたいと話している。

事業者の声

このくらいの設備で修理をしなければ時計が可哀想だ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

広島県サービス業(他に分類されないもの)平成27年度

自動車整備のプロセス改善と高度化計画

支柱の間隔が広い門型2柱リフトワイドを2式と低床式エアーガレージジャッキを1台導入し、旧型リフト2台と入れ替えた。

効果:タイヤ脱着工程の順番待ち時間 100分/日→15分/日

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。