ものづくり補助金平成27年度製造業岐阜県

工程改善による生産体制の強化及び需要の高い製品サンプルの開発

有限会社テキスタイルカノウ

成果1枚あたりの縫製時間 8分→2.33分

この事例のポイント

  • 人手不足が深刻になる中で、縫製時間の短縮による生産性の向上が急務であった。
  • 1つ山を縫製できる自動ヒダ取縫機「ヒダ取りMAX」を新たに導入し、操作方法を習得した。
  • 1枚あたりの縫製時間 8分→2.33分。ヒダの1つ山カーテンを機械で縫製できるようになり、1枚あたりの縫製時間が約8分から約2分20秒に短縮され、生産性は3倍…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社テキスタイルカノウ
所在地岐阜県 本巣郡北方町
業種家具・装備品製造業
技術分野デザイン
従業員数17人
資本金300万円
設立2004年

事業の背景

オーダーカーテンの製造、縫製、卸販売を行い、インテリアテキスタイル専門商社が扱う国内外ブランドのカーテンや、専門販売店、個人顧客からのオーダーを受けている。従来のヒダは「3つ山」が標準だったが、近年は「ウェーブを出したくない」「生地の柄を見せたい」といったニーズから「1つ山」が増え、全体の約10%を占めるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力人手不足が深刻になる中で、縫製時間の短縮による生産性の向上が急務であった。
  • 人手・技能1つ山のヒダを縫製する機械がなく、2つ山で縫製したあとに1つの山をほどく手間がかかっていた。
  • 新製品・新技術ヒダが1つの「1つ山カーテン」のニーズが全体の約10%まで増えていたが、その需要に対応できていなかった。
  • 品質・精度新しい機械を導入すると生地の感覚による調整に誤差が生じるため、誤差調整が必要であった。

やったこと

1つ山を縫製できる自動ヒダ取縫機「ヒダ取りMAX」を新たに導入し、操作方法を習得した。メーカー立ち会いのもと、機械設定やデータによる誤差調整の方法を習得し、テスト加工を繰り返した。顧客の要望を整理し、取扱製品の傾向を分析したうえで、自社の製法技術をアピールできる4種類の試作品を開発した。生産性の検証として、ドレープ(厚手)幅95cm×丈100cmの1つ山カーテンの試作を行った。

加工機自動ヒダ取縫機「ヒダ取りMAX」

新しい製品・サービス:1つ山カーテンの試作品(4種類)

事業の効果

  • 1枚あたりの縫製時間 8分→2.33分

ヒダの1つ山カーテンを機械で縫製できるようになり、1枚あたりの縫製時間が約8分から約2分20秒に短縮され、生産性は3倍になった。従来は2つ山を縫ったあとに修正していた1つ山の山の修正跡が残らなくなり、修正そのものが不要になったため品質も向上した。特に繊細なレースなどの素材でも跡の問題が解消された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1つ山カーテンのニーズが全体の約10%から増えているとあり、既存のオーダーカーテン事業の延長で自動ヒダ取縫機を導入した経緯は読めるが、経営戦略上の位置付けまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    1つ山ニーズの増加と自社の高度な縫製技術への自信は書かれているが、競合との比較や優位性の定量的根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    縫製時間が1枚約8分から約2分20秒になり、生産性3倍と品質向上が示され、人手不足への対応という課題と成果が対応している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    1枚あたり約5分40秒の時間短縮と生産性3倍という数字はあるが、将来の付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    メーカー立ち会いで機械設定やデータでの誤差調整の方法を習得し、テスト加工を繰り返したとあるが、体制の人員配置までは書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    1つ山ニーズが全体の約10%から増えていることと、ウェーブを出したくない等の顧客理由は書かれているが、ターゲット設定は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    今後はさまざまなサンプル製品の製造に取り組み、販売会社やサイトでのPRを行う計画が書かれているが、スケジュールは明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    1つ山カーテンは全体の約10%のニーズで、3つ山がスタンダードの中での高付加価値化を図っており、特性を生かしたデザイン性の高い製品提案にも触れている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    人手不足や製法時間短縮の必要性は書かれているが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果3

    時間短縮と生産性3倍という成果はあるが、補助金投入額に対する付加価値額の増加は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    オーダーカーテンの製造拠点が本巣郡北方町にあることは書かれているが、地域の特性を活かした成長牽引への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はさまざまなサンプル製品の製造に取り組み、提案の幅を広げていく。販売会社には、製造したサンプルをもとに製造可能な製品を説明していく。また、1つ山カーテンの特性を生かしたデザイン性の高い製品の提案も行い、通信販売サイトの自社ショップでのPRを通じて、柄や生地だけでなく製品全体のデザイン性も提案していきたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。