ものづくり補助金平成24年度大阪府

高分子濾過用極細線チタン金網の開発

株式会社八尾金網製作所

成果線径 100μm→70μm

この事例のポイント

  • チタン線金網は線径が細くなると加工が難しく、従来の限界を超える極細チタン線金網の開発が求められていた。
  • 極細チタン線金網の試作開発を目的として新たな機械を導入した。
  • 線径 100μm→70μm。極細チタン線金網の開発が進めば、既存製品の高付加価値化につながり、水関連分野など新たな市場開拓の大きな弾みとなる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社八尾金網製作所
所在地大阪府 八尾市
業種業務用機械器具製造業
技術分野部材の締結
従業員数10人
資本金1,000万円
設立1917年

事業の背景

1917年創業のフィルターメーカーで、戦後は繊維業界向けフィルターを手がけ、現在は自動車のエアバッグ製造工程で使われる断線防止フィルターが主力である。ポリマーろ過、オイルろ過、液体ろ過など薬品・食品業界など幅広い分野の大手メーカーへフィルターを供給している。空間15μm以下のファインメッシュを製造できる国内メーカーはほとんどなく、耐食性の高いチタンを使ったフィルターのニーズが海洋などの水中用途で高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術チタン線金網は線径が細くなると加工が難しく、従来の限界を超える極細チタン線金網の開発が求められていた。
  • 生産能力水関連分野など新たな市場を開拓するには、既存のステンレス製品に加えてチタン製の極細金網が必要だった。
  • 新製品・新技術ステンレスからチタンへの材質転換で用途を広げるため、高分子ろ過用などの極細チタン金網を開発する必要があった。

やったこと

極細チタン線金網の試作開発を目的として新たな機械を導入した。金網構造の工夫と製造工程の改善により、線径70μm、空間70μm以下の極細チタン線金網の試作開発に取り組んだ。試験段階では線径40〜50μm、空間40〜50μm程度まで開発が進んでいる。

  • 加工機極細チタン線金網の試作開発用の新たな機械

新しい製品・サービス:線径70μm・空間70μm以下の極細チタン線金網(高分子ろ過用などのフィルター向け)

事業の効果

  • 線径 100μm→70μm
  • 空間 150μm→70μm

極細チタン線金網の開発が進めば、既存製品の高付加価値化につながり、水関連分野など新たな市場開拓の大きな弾みとなる。試験段階で線径40〜50μm、空間40〜50μm程度まで開発が進み、目標値まであと一歩に迫っている。チタン製フィルターは大手メーカーへの納品や展示会出展を通じて、水を利用する分野などへの用途拡大が見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性空間15/以下のファインメッシュを製造できるメーカーは少ないという強みと、水中利用でチタンが選ばれるという外部環境が具体的に書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値線形70、空間70/以下の極細チタン線金網は加工が難しいとされる水準で、高水準の高付加価値化を図る内容と読める。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標線形40〜50、空間40〜50程度まで開発が進み目標まであと一歩とあるが、付加価値額の増加や賃上げの目標値は書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業1917年からのフィルター事業とステンレスからチタンへの用途拡大の流れが読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    空間15/以下のファインメッシュを製造できるメーカーは少ないという強みと、水中利用でチタンが選ばれるという外部環境が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    材質が安定せず断線することが課題と認識され、極細チタン金網の開発で高付加価値化を目指す流れは読み取れるが、事業計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    線形40〜50、空間40〜50程度まで開発が進み目標まであと一歩とあるが、付加価値額の増加や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員10人の会社で技術継承や若手採用育成に取り組む旨は書かれているが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    水関連分野や医療分野での利用機会、大手メーカーからの引合いなどニーズの裏付けはあるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    断線防止のため材質を安定させる課題と、2015年内の大手メーカーへの納品予定が書かれているが、スケジュールは明確ではない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    線形70、空間70/以下の極細チタン線金網は加工が難しいとされる水準で、高水準の高付加価値化を図る内容と読める。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    水関連分野など新たな市場開拓の弾みになるとあるが、雇用創出や波及効果の具体的な記述は少ない。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献2

    医療分野や水関連分野への用途拡大は書かれているが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    水関連分野など新市場への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述はない。

  • 地域経済への波及2

    大阪府八尾市の金属フィルター技術を活かした取組とうかがえるが、地域の雇用や経済成長への言及は少ない。

今後の展望

2015年内に大手メーカーへの納品を進めたいとしており、展示会出展などで今まで関係のなかった分野からの引合いを増やす意向である。海外展開も視野に入れつつ、まずは国内で販路を広げ、溶接加工など技術領域も広げる計画である。若手社員の採用育成により技術継承も進める考えである。

事業者の声

今回の補助事業のお陰で、製品を開発し、他社との差別化を図るという流れが社内に出来ました。また、小さい会社だが、「グローバルニッチトップ」を目指すという大きな目標に向けて、社員の意欲が高まりました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。