ものづくり補助金平成24年度大阪府

世界最小ダメージの食品冷凍解凍法の普及と実用化

株式会社ミツヤコーポレーション

この事例のポイント

  • 国内繊維需要の伸び悩みで海外提携工場からの調達が増え、販売代行取引の需要が縮小傾向にある。
  • 補助金で、2段階凍結が可能なブライン急速凍結機と、-80℃の保存が可能な冷凍ストッカーを購入した。
  • 補助事業により、ウニをドリップなしで冷凍・解凍する方法が確立され、冷凍品でもウニ本来の甘みや旨みを保てるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ミツヤコーポレーション
所在地大阪府 堺市中区
業種倉庫業
技術分野切削加工
従業員数28人
資本金9,800万円
設立1951年

事業の背景

1951年設立の輸入繊維製品の物流サービス企業で、綿糸などの卸売から始め、物流サービスや輸入代行の比率を増やしてきた。国内の繊維需要が伸び悩み、海外提携工場からの調達が増えたことで、販売代行取引の需要は数年来縮小傾向にある。そのため新規事業として、プラチナナノコロイド繊維製品や食品の冷凍・解凍技術に取り組んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信国内繊維需要の伸び悩みで海外提携工場からの調達が増え、販売代行取引の需要が縮小傾向にある。
  • 品質・精度食品の冷凍・解凍では冷却速度が遅いとドリップが発生し、保管温度が高いと空気との接触で酸化して変質するが、有効な解決策が示されていなかった。

やったこと

補助金で、2段階凍結が可能なブライン急速凍結機と、-80℃の保存が可能な冷凍ストッカーを購入した。2段階凍結により、活けイカの過冷却急速冷凍が可能になり、解凍液で解凍することでより透明度の高い、品質の良い状態で提供できるようになった。解凍液なしで冷凍庫に入れておくだけで品質を保てる技術の開発にも成功し、特にウニはドリップなしで解凍する方法を確立した。福岡国際センターの「Food Expo Kyushu 2014」で天然鯛を冷凍・解凍して活け状態で寿司に握る試食会を行い、来場者から高い評価を得て引合いにもつながった。

  • その他2段階凍結が可能なブライン急速凍結機-80℃の保存が可能な冷凍ストッカー

新しい製品・サービス:ドリップなし・エグみ苦みなしの冷凍生ウニ(特許出願中)

事業の効果

補助事業により、ウニをドリップなしで冷凍・解凍する方法が確立され、冷凍品でもウニ本来の甘みや旨みを保てるようになった。活けイカでは過冷却急速冷凍と解凍液の併用により品質の良い状態で提供できるようになり、技術面では一定の評価を得た。一方で、冷凍・解凍品質の良い商材は希少で割高になるため、顧客のコスト面の壁は残っており、導入は限定的である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 514観点のうち11観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    顧客とニーズの裏付けドリップなし・エグみなしの冷凍生ウニという価値と、塩水ウニや殻付きウニでしか味わえなかった甘みを安価に提供する点が具体的に示されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値活け状態を保つ冷凍・解凍技術で、ウニのドリップなし解凍を世界初と位置付け、従来の急速冷凍以外に解決策がなかった分野での高付加価値性が読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制開発宣室長や社長の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての具体的記述はわずかにうかがえる程度。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    1951年設立の輸入繊維物流から冷凍・解凍技術へ展開し、既存の食品関連の取組から延長した新事業として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ウニの輸入時の季節による仕入値差が国産で最大3倍程度と示され、外部環境を踏まえた事業モデルが読み取れるが、強みの定量比較は乏しい。

  • 課題の認識と解決3

    コスト面が普及の障壁と課題が認識され、安い時期に仕入れて冷凍し高い時期に販売する方針が示されているが、数値計画は書かれていない。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制2

    開発宣室長や社長の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての具体的記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ドリップなし・エグみなしの冷凍生ウニという価値と、塩水ウニや殻付きウニでしか味わえなかった甘みを安価に提供する点が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展開として対象商材の絞り込みや高級果物への応用が示されるが、スケジュールや課題解決の方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    活け状態を保つ冷凍・解凍技術で、ウニのドリップなし解凍を世界初と位置付け、従来の急速冷凍以外に解決策がなかった分野での高付加価値性が読み取れる。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    食品の冷凍・解凍による保存問題の解決という社会的意義はうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述は乏しい。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献2

    ブライン急速凍結機など新設備の導入は記載があるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は示されていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    堺市の企業である旨は示されるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済への牽引についての記述は少ない。

今後の展望

ウニや白子など魚介生殖腺の冷凍・解凍事業に力を入れ、仕入値が安い時期に仕入れたウニを冷凍し、値段が高い時期に解凍して販売するビジネスを展開する予定である。早い段階でまとまった規模の受注を得て、市場からの評価と安定収益につなげたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。