ものづくり補助金平成24年度大阪府

組み込み技術学習用ロボットの機能拡張型 試作開発

株式会社ダイセン電子工業

この事例のポイント

  • 開発した教材用ロボットの利用環境が、Windowsに限られる自社開発ソフトのOS依存により制約されていた。
  • ロボット本体にWiFiモジュールを搭載し、組込みソフトも新規に開発して、ケーブルを介さず動作プログラムをロボットへダウンロードできるようにした。
  • 無線でのプログラムダウンロードが可能になり、ロボットの利便性が高まった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ダイセン電子工業
所在地大阪府 大阪市
業種電気機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数8人
資本金1,000万円

事業の背景

大阪日本橋に拠点を置き、赤外線リモコンのOEM製造やプリント基板、電子部品の設計開発を行っている。2003年から学習教材用ロボットの開発に乗り出し、現在は中学校の技術科授業などで全国的に使われている。学校でタブレット端末の採用が進み、Windows以外のiOSやAndroidへの対応が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信開発した教材用ロボットの利用環境が、Windowsに限られる自社開発ソフトのOS依存により制約されていた。
  • その他外部PCで作成した動作プログラムを通信ケーブルで有線接続してロボットにダウンロードする必要があり、手間が教育機会の制約になっていた。

やったこと

ロボット本体にWiFiモジュールを搭載し、組込みソフトも新規に開発して、ケーブルを介さず動作プログラムをロボットへダウンロードできるようにした。試作では補助金で購入したシングルアナライザとプリアンプを使って性能検証を繰り返した。従来8bitだったマイコンを32bitに変更し、量産品であるARM社のマイコンを採用して低コスト化にもつなげた。ソフトはアンドロイドOSとiOSそれぞれで社内試験を行い、InternetExplorer、FireFox、Chromeなどのブラウザ対応の汎用設計も同時に実施した。

新しい製品・サービス:Z-Xplorer

事業の効果

無線でのプログラムダウンロードが可能になり、ロボットの利便性が高まった。OSやブラウザに依存しないPCやタブレットからの利用も可能になった。新製品Z-Xplorerは既に販売を開始している。海外からの販売の話も受け、国際的に魅力のある商品になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    付加価値・賃上げの目標1年で3,500台、5年で27,500台の販売見込みや、ロボカップ向け2,800台・5年22,000台と数字つきで目標が示されている。
  • 4
    課題の認識と解決有線ダウンロードの手間やOS制限という課題を特定し、WiFi搭載や32bitマイコン化で解決したと具体的に書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け学校やロボカップ参加者というターゲットと、C言語を楽しく学べる強みが明示され、ニーズの裏付けも一部ある。

伸びしろがあった観点

  • 2
    強み・弱みを踏まえた優位性中学校の技術科で全国的に使用されている点や市場シェア約50%の記述はあるが、競争優位の分析は読み取れない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    2003年から教材用ロボット開発に乗り出し、新事業の柱と位置付けたと読める。ただし具体的な戦略文言は少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    中学校の技術科で全国的に使用されている点や市場シェア約50%の記述はあるが、競争優位の分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    有線ダウンロードの手間やOS制限という課題を特定し、WiFi搭載や32bitマイコン化で解決したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性3.6
  • 付加価値・賃上げの目標5

    1年で3,500台、5年で27,500台の販売見込みや、ロボカップ向け2,800台・5年22,000台と数字つきで目標が示されている。

  • 事業を進める体制3

    社内試験や試作、外注費の記述はあるが、人材や事務処理体制について具体的な記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    学校やロボカップ参加者というターゲットと、C言語を楽しく学べる強みが明示され、ニーズの裏付けも一部ある。

  • 事業化までの道筋3

    開発工程や解決方法は書かれているが、中長期スケジュールや検証の段階的計画は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    教材用ロボットの市場シェア約50%と高いが、高付加価値化や高価格化についての記述は乏しい。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    ロボット教育の普及や海外販売への期待はうかがえるが、国が補助する積極的理由は明記されていない。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    ARMマイコンの採用やWi-Fi無線化、タブレット対応など技術面の新しさは読み取れるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    大阪日本橋の拠点や大阪での教育活動は読み取れるが、地域の雇用や成長への牽引は具体的に書かれていない。

今後の展望

メインターゲットの全国の小・中・高等学校(約37,930校)では、市場シェアが約50%で、1年で3,500台、5年で27,500台の販売を見込んでいる。ロボカップジュニアの参加者向けには、1年で2,800台、5年で約22,000台規模の販売を想定している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。