ものづくり補助金平成24年度大阪府

高負荷試験により大幅な試験時間短縮の可能な“重荷重疲労試験機”の開発

有限会社吉則工業

成果最大負荷 1,000kgf→2,000kgf

この事例のポイント

  • 疲労試験機は従来の装置では高負荷での試験が難しく、試験時間が長くかかっていた。
  • 従来の2倍の高負荷で試験できる重荷重疲労試験機の開発に取り組んだ。
  • 最大負荷 1,000kgf→2,000kgf。従来の2倍の高負荷で疲労試験ができるようになり、試験時間の短縮が見込める。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社吉則工業
所在地大阪府 大阪市西淀川区
業種一般機械器具製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数5人
資本金2,000万円
設立1960年

事業の背景

同社は1960年創業の機械メーカーで、主力はポンプ部品などの加工である。そのほかに軸受疲労試験機などのオリジナル試験装置や、大手消火器メーカー向けの消火器粉末回収装置を開発製造している。下請け仕事だけでなく自社製品の開発にも取り組んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術疲労試験機は従来の装置では高負荷での試験が難しく、試験時間が長くかかっていた。
  • 生産能力大手メーカーの研究所などでは材料の疲労試験に何万回もの負荷が必要で、試験結果を得るのに非常に時間がかかっていた。

やったこと

従来の2倍の高負荷で試験できる重荷重疲労試験機の開発に取り組んだ。高負荷による発熱には、主軸の空冷と水冷を試し、機械側面に冷却装置を取り付けて解決した。高負荷で生じる軸芯のずれには、片持ち機構をやめて門型構造にして解消した。その結果、最大負荷は従来の1000kgfから2000kgfに上がり、主軸の回転は最大3600rpmまで可能になった。

新しい製品・サービス:高負荷で高速試験が可能な重荷重疲労試験機

事業の効果

  • 最大負荷 1,000kgf→2,000kgf
  • 主軸の回転が最大3600rpmまで可能

従来の2倍の高負荷で疲労試験ができるようになり、試験時間の短縮が見込める。完成度の高い試験機を製品化し、近隣の大手メーカーの研究開発室から引合いがあり、テスト的な疲労試験も受注した。今後は展示会や大学・研究機関へのPRを進めていく方針である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性1960年創業以来の現場目線の機械づくりを背景に、疲労試験機の開発を経営革新計画に沿って進めていると書かれ、過去の取組との一貫性が読み取れる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性大学連携の素地や特許取得済みの試験装置技術を強みとし、大手の標準仕様では個別研究に対応しきれない点を狙い、カスタマイズで差別化している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け大手メーカー研究開発室からの引合いや試験的受注があり、個別研究への対応という選ばれる理由が整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    費用対効果補助金投入額に対する付加価値額の増加や生産性向上といった費用対効果の数値や記述は見当たらない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    1960年創業以来の現場目線の機械づくりを背景に、疲労試験機の開発を経営革新計画に沿って進めていると書かれ、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大学連携の素地や特許取得済みの試験装置技術を強みとし、大手の標準仕様では個別研究に対応しきれない点を狙い、カスタマイズで差別化している。

  • 課題の認識と解決3

    従来2倍の高負荷試験で試験時間短縮という課題を明確にし、高負荷時の発熱や軸芯ずれを解決して製品化している。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    最大負荷を1000kgfから2000kgfに、回転数を3600rpmまで引き上げる仕様を実現したと具体的数値で示されている。

  • 事業を進める体制3

    大学や富山大学など研究機関のアドバイスを受けながら開発を進める体制があり、各種省力機械の設計製作の経験も持つ。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大手メーカー研究開発室からの引合いや試験的受注があり、個別研究への対応という選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    展示会出展や大学・研究機関へのPRを継続し、販売は時間をかけて営業すると段階的な方針が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    疲労試験機は市場が限られるニッチ市場で、個別研究への対応を差別化点とし、高水準の高付加価値化を狙っている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    新素材の絶え間ない開発に伴い疲労試験機の精度向上が必要で、基礎研究分野として予算がつきにくい点を指摘している。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値額の増加や生産性向上といった費用対効果の数値や記述は見当たらない。

  • イノベーションへの貢献4

    独立型小型関節の特許取得や、地域の子どもへのものづくり教育など地域との関わりを持ち、技術面の波及が見込める。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    新素材開発に伴う需要増に言及はあるが、日本経済の構造転換に資するという記述は弱い。

  • 地域経済への波及3

    下請け中心から自社製品開発へ転換し、地域やマスコミの注目を集めて社員の士気が上がっていると述べられている。

今後の展望

疲労試験機は基礎研究向けのニッチ市場だが、個別研究に合わせたカスタマイズで信頼を高めていく。新素材の登場で精度向上の需要が増える可能性があり、価格体系も検討して普及を狙う。

事業者の声

頑張ってチャレンジしよう

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

北海道平成24年度

焼却炉への長寿命熱電対保護管・鞘の開発

成田社長は、ジェットエンジンやガスタービンなど高温で稼働する部材へのコーティング技術を発展・改良し、宇宙分野の技術を地上の課題に応用した。

効果:保護管の寿命 1倍→3倍

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。