ものづくり補助金平成24年度大阪府

災害時非常用太陽光発電装置

株式会社日本フューテック

成果製品の初期コスト 48万円→35万円

この事例のポイント

  • 災害時に使える非常用電源の開発が求められていたが、既存の燃料発電機は燃料切れの心配があり、太陽光を使う装置はまだ製品化されていなかった。
  • 太陽光パネル2枚を1モジュールとし、最大5モジュールまで増設できる災害時非常用太陽光発電装置を開発した。
  • 製品の初期コスト 48万円→35万円。災害時にも太陽光で発電でき、燃料発電機と併用することで被災地の電力事情の大幅な改善が期待される。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社日本フューテック
所在地大阪府 東大阪市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野金型
従業員数15人
資本金1,920万円
設立1998年

事業の背景

1998年の創業以来、プリント基板の開発・設計・製造を主力としてきた。通信・映像などの高速信号系基板に高度な技術を蓄積し、情報・通信・計測・医療分野の産業機器に使われている。近年は受注型から開発型への転換を図り、新規事業の開拓に取り組んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術災害時に使える非常用電源の開発が求められていたが、既存の燃料発電機は燃料切れの心配があり、太陽光を使う装置はまだ製品化されていなかった。
  • コスト・採算試作機の製造コストは現状で1台48万円と、当初目標の25万円を大きく上回っており、大幅なコストダウンが必要だった。

やったこと

太陽光パネル2枚を1モジュールとし、最大5モジュールまで増設できる災害時非常用太陽光発電装置を開発した。充電部には2,500Whのバッテリーを備え、最大出力1,000Wを目指した。回路全体の構成設計から部品選定、回路変更を経て試作機用基板を製作し、電圧変換効率の評価や-10℃から60℃の環境試験も実施した。試作機では性能目標をほぼ達成したが、筐体部分のコスト見直しや出力インバーターの性能見極めを試験運用で進め、2016年春に35万円程度までのコストダウンを検討している。

  • その他災害時非常用太陽光発電装置

新しい製品・サービス:災害時非常用太陽光発電装置。太陽光パネル2枚を1モジュールとし最大5モジュールまで増設可能。最大出力1,000W。また、折りたたみ式ソーラーパネルにバッテリー、ACアダプター、LEDライトなどを収納した小型モバイルソーラー発電キット「Sol@ e-ner Mobile(そらえぇなぁモバイル)」を考案した。

事業の効果

  • 製品の初期コスト 48万円→35万円
  • 2019年までに年間3,000万円程度を目標

災害時にも太陽光で発電でき、燃料発電機と併用することで被災地の電力事情の大幅な改善が期待される。試作機の性能目標はほぼ達成され、コストダウンを進めて製品化につなげる。地方自治体向けには奈良県上牧町での試験運用を予定し、一般向けにはモバイル型モデルを展開する。2019年までに年間3,000万円程度の売上を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性高速信号系基板の高度な技術蓄積と、人工衛星プロジェクトで培った太陽光発電ノウハウを活かした自社製品開発という強みの活用が具体的。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け地方自治体と一般向けの2市場を想定し、防災意識の高い上牧町での検証や、既に受注につながっているモバイル版の特長を示している。
  • 4
    新しさ・高付加価値太陽光を使う災害時非常用電源は一般的ではなく、燃料発電機との併用で電力事情を改善する新しい製品として位置付けている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員15人の小規模体制で、開発部門の新設や設計部門の強化には触れるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    1998年創業以来のプリント基板事業を軸に、開発型への転換を進めている点が過去の取組との一貫性を示している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    高速信号系基板の高度な技術蓄積と、人工衛星プロジェクトで培った太陽光発電ノウハウを活かした自社製品開発という強みの活用が具体的。

  • 課題の認識と解決3

    試作機のコストが当初目標25万円に対し48万円と判明し、35万円への削減検討など課題を認識し対応策を示している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    2019年までに年間3,000万円の売上目標を掲げ、上牧町での試験運用から段階的に拡大する道筋を示している。

  • 事業を進める体制2

    従業員15人の小規模体制で、開発部門の新設や設計部門の強化には触れるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地方自治体と一般向けの2市場を想定し、防災意識の高い上牧町での検証や、既に受注につながっているモバイル版の特長を示している。

  • 事業化までの道筋3

    上牧町での試験運用を経て他自治体へ広げ、一般向けには更なるコスト削減と小型モデル開発を進めるという段階的計画がある。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    太陽光を使う災害時非常用電源は一般的ではなく、燃料発電機との併用で電力事情を改善する新しい製品として位置付けている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用4

    大地震や風水害で外部救援が難しい地域の自立電源確保という公共性があり、被災地の電力事情改善に資する点が明確。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果は読み取りにくい。

  • イノベーションへの貢献3

    太陽光パネルの増設可能な構成や防災活動での有効性検証により、地域の防災インフラに貢献する可能性がある。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    地方自治体の防災訓練や地域の防災活動と連携した試験運用を進め、地域の防災力向上に資する事業として位置付けている。

今後の展望

まず上牧町での試験運用で実績を積み、他の自治体への認知度を高める。一般向けには展示会などで活用事例を交えて周知を図り、さらなるコスト削減を進める。

事業者の声

この装置を一刻も早く製品化し、災害時の電力事情の改善に少しでも貢献していきたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。