ものづくり補助金平成25年度製造業鳥取県

多機能加工治具の開発による工程短縮とコスト改善の推進

有限会社鍬田精密工業

成果生産リードタイム 105秒→79秒

この事例のポイント

  • 電装部品の切削加工で、機械性能による技術的な差異がなくなり、新興国のコスト面の優位性が脅威となっている。
  • 360度回転式NCチルトインデックスを用いた加工治具を開発し、ワンアクションでの多面加工を可能にした。
  • 生産リードタイム 105秒→79秒。リードタイムの大幅な短縮により約25%の生産性向上が見込まれる。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社鍬田精密工業
所在地鳥取県 倉吉市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数40人
資本金1億円
設立1979年

事業の背景

当社は昭和54年に個人で創業し、昭和59年に法人化して自動車部品(電装品、試作品)の切削加工を主体に経営してきた。現在は非鉄金属の変形物・薄物の切削加工を得意とし、アルミダイカスト等の複雑形状部品では同業他社・大手部品メーカーからの加工依頼も多い。機械性能による技術的差異のない状況下では、新興国のコスト面の優位性が脅威となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力電装部品の切削加工で、機械性能による技術的な差異がなくなり、新興国のコスト面の優位性が脅威となっている。
  • コスト・採算経営資源のリストラや技術革新を進める必要がある。

やったこと

360度回転式NCチルトインデックスを用いた加工治具を開発し、ワンアクションでの多面加工を可能にした。ボーリングホルダの材質をアルミ製へ変更して軽量化を図り、小型設備の使用を可能にした。インデックステーブル使用の加工治具は基本的に当社オリジナルである。導入したコンパクトマシニングセンタと加工刃具・洗浄機を活用し、60度の温度管理のもとで洗浄するオリジナルの自動洗浄機で完成品を常温で自動洗浄する。

加工機コンパクトマシニングセンタ
その他加工刃具
その他洗浄機

新しい製品・サービス:360度回転式NCチルトインデックスを用いた多機能加工治具

事業の効果

  • 生産リードタイム 105秒→79秒
  • 時間当たり生産個数 32個/時→45個/時

リードタイムの大幅な短縮により約25%の生産性向上が見込まれる。段取り作業から生じる加工誤差やバラつきを軽減できる。設備台数の減少により初期投資を抑えられた。ボーリングホルダの材質変更で小型設備が使えるようになった。取付け回数を2回から1回にしたことで、取付けごとに生じていた製品位置のバラツキがなくなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    切削加工を主体とした経営と、電装部品加工での差別化を目指す流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けを明示する記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    新興国のコスト優位性を脅威と認識し、複雑形状のアルミダイカスト加工で差別化できる強みを挙げており、外部環境と強みの対応が読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    新興国との価格競争という課題に対し、リードタイム105秒→79秒、時間当たり生産個数32→45個という数字つきの解決策が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産リードタイム105秒→79秒、時間当たり生産個数32個→45個、約25%の生産性向上という具体的な目標値が示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員40名、三次元測定機の導入や新工場増設の実績から体制は推測できるが、補助事業の遂行体制を直接述べた記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    複雑形状部品の加工で差別化できることや同業他社・大手からの依頼が多い点は書かれているが、顧客ターゲットの明確な整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    取付け回数の削減や設備台数の減少は書かれているが、スケジュールや中長期の検証方法についての記述はうかがえる程度に留まる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    インデックステーブル使用の加工治具はオリジナルで、高付加価値技術として他社と一線を画すとの記述があり、高水準の差別化がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    航空機・防衛産業への進出や非鉄金属への応用が将来展望として触れられているが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    初期投資を抑えたことや生産性25%向上は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    新しい加工治具や自動洗浄機の活用は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は明示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    鳥取県倉吉市の企業であることは示されるが、地域特性を活かした雇用や地域経済成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

多機能加工治具による精度向上とコスト改善にさらに努め、将来的には航空機産業、防衛産業への進出も視野に入れて、安定した受注の確保と用途開発を進めたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。