ものづくり補助金平成27年度製造業静岡県

冷却用銅管の内側表面積増大をねらい、プレスによるジャバラ加工の実施

有限会社山口製作所

成果従来は銅パイプ内面に25㎜ピッチでジャバラ加工をしていたが、連続全面ジャバラ加工とした。

この事例のポイント

  • 冷却用銅管の内面加工をサンドブラストの手作業で行っており、作業効率が上がらない。
  • 当社の特許技術であるジャバラ塑性加工を用い、保有する110tプレス機で新規加工条件の試作を行った。
  • 従来は銅パイプ内面に25㎜ピッチでジャバラ加工をしていたが、連続全面ジャバラ加工とした。ジャバラ塑性加工により、大径の内面溝付き管が使えるようになって熱交換効率が高まり、パイプ長を短縮できて省スペース化と設…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社山口製作所
所在地静岡県 富士宮市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
資本金1,000万円
設立1979年

事業の背景

当社は金属プレス金型の設計製作とプレス加工を一貫して行い、鉄道車両の電源用インバーター等に使われる沸騰式放熱器の銅パイプ部品を手がけている。沸騰式放熱器では冷媒の蒸発を促すため銅パイプ内面に凹凸加工が必要で、当社は内面加工技術の特許を取得していた。以前のジャバラ加工の導入で品質・コスト・納期に貢献したが、顧客の要望に応えるための新たな課題が生じていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力冷却用銅管の内面加工をサンドブラストの手作業で行っており、作業効率が上がらない。
  • 品質・精度サンドブラストで残ったブラストメディアがガス化し、製品性能を損ねる恐れがある。
  • 新製品・新技術顧客の要望により、連続全面のジャバラ加工と全長1000㎜の銅パイプへの対応という新たな課題が生じた。

やったこと

当社の特許技術であるジャバラ塑性加工を用い、保有する110tプレス機で新規加工条件の試作を行った。その結果、ジャバラの深さが規格値に未達となり、加圧力を計算すると185t以上が必要と分かったため、新たに200tプレス加工機を導入した。新設備で新規加工条件の試作を行い、ジャバラの表面積が増大して全長1000㎜の銅パイプの加工が可能となった。

加工機200tプレス加工機

新しい製品・サービス:内面360°溝付き銅管

事業の効果

  • 従来は銅パイプ内面に25㎜ピッチでジャバラ加工をしていたが、連続全面ジャバラ加工とした。
  • 対応可能な銅パイプの長さ 400mm→1,000mm

ジャバラ塑性加工により、大径の内面溝付き管が使えるようになって熱交換効率が高まり、パイプ長を短縮できて省スペース化と設計の自由度向上につながる。保管スペースの確保や小ロット購入によるコスト削減、製品の競争力向上も期待される。製品使用者にとっても温度調整機能が高まり省エネに役立つ。今後はパイプメーカーが生産していないΦ22㎜を超える太径銅パイプの市場に参入する計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    鉄道車両部品の製造や金型・プレス加工の一貫体制が書かれ、過去からの事業の延長が読める。ただし経営戦略としての明確な位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    特許技術とコストメリットによる市場開拓が見出しにあり、サンドブラストに代わる特許加工の強みが述べられている。市場動向の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    サンドブラストの手作業による低効率とブラストメディア残存の問題を課題として挙げ、ジャバラ塑性加工で解決する計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    熱交換効率の向上やコスト削減は述べられているが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    試作から金型設計製作、生産までの一貫体制と技術継承への取り組みが書かれている。補助事業の遂行体制の人数などは書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    特許技術により熱交換率向上、小ロット購入、省スペース化などの選ばれる理由が示され、ターゲットは銅パイプ内面溝付き管市場と明記されている。

  • 事業化までの道筋3

    ジャバラ深さ未達を試作で検証し、加圧力185t以上を計算して200tプレス機を導入するなど課題解決の方法が書かれている。スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    Φ22㎜を超える太径銅パイプの内面溝付き管は国内メーカーで生産されていないと書かれ、高付加価値の新分野として示されている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    鉄道車両の電源冷却部品に関わることや省エネ効果がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の具体的な数字は書かれていない。

  • 費用対効果2

    熱交換効率向上や省エネ効果は述べられているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    冷却用の銅管内面溝付き管という新市場への参入が書かれているが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は銅パイプ内面溝付き管市場へ参入し、Φ22㎜を超える太径銅パイプの市場調査を行い、市場要望のサンプルを製作して提案することで国内外の販売につなげていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。