ものづくり補助金平成29年度製造業三重県

金属加工における切断・溶接工程の自動化による労働生産性向上への取組み

株式会社南条製作所

成果革新前 ±2~3ミリ、革新後 0.80~1.20ミリ

この事例のポイント

  • 切断加工工程と溶接加工工程は自動化されておらず、作業員の手作業に頼っているため、工程間の流れのボトルネックになっていた。
  • CNC形鋼切断用バンドソーを導入し、切断加工工程の自動化を図った。
  • 革新前 ±2~3ミリ、革新後 0.80~1.20ミリ。切断加工工程は加工精度が±2~3ミリから0.80~1.20ミリに向上し、作業工数は2人から1人になり1人の省人化を達成…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社南条製作所
所在地三重県 鈴鹿市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,精密加工,接合・実装,接合・実装
従業員数93人
資本金1,000万円

事業の背景

同社は大型金属鉄鋼製品を提供する金属加工メーカーで、切断加工、切削加工、曲げ加工、溶接加工などの複合加工技術を持ち、得意先のニーズに合わせた個別受注一貫生産を行っている。大規模な構造物の増加により、地盤改良杭である回転貫入鋼管杭の必要性が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力切断加工工程と溶接加工工程は自動化されておらず、作業員の手作業に頼っているため、工程間の流れのボトルネックになっていた。
  • 品質・精度手作業による加工のため作業員の技量によって加工精度がばらつき、品質にも影響していた。
  • 人手・技能切断加工工程と溶接加工工程に多くの人員が配置されており、工程全体の人員配置を見直す必要があった。

やったこと

CNC形鋼切断用バンドソーを導入し、切断加工工程の自動化を図った。このバンドソーは従来機と比較して切断速度が約2倍となる。ロボット溶接機を導入し、設備に付帯するアークセンサ機能で加工面の形状を自動判断し、曲線ワークや熱歪みにも自動で補正できるようにした。切断加工工程と溶接加工工程の自動化により、全工程の加工精度を平準的に0.5ミリまで向上させることを目指した。自動化で浮いた人員を他工程に配分し、作業員の多台持ち・多工程持ちを進めた。さらに切断加工工程と溶接加工工程の加工精度を均一化し、従来は活用できなかったパイプコースターによる切断加工を工程に組み込んだ。

加工機CNC形鋼切断用バンドソー
ロボットロボット溶接機

新しい製品・サービス:回転貫入鋼管杭

事業の効果

  • 革新前 ±2~3ミリ、革新後 0.80~1.20ミリ
  • 切断加工工程の作業工数 2人→1人
  • 溶接加工工程の作業工数 4人→1人

切断加工工程は加工精度が±2~3ミリから0.80~1.20ミリに向上し、作業工数は2人から1人になり1人の省人化を達成した。溶接加工工程は加工精度が2ミリから0.5~0.8ミリに向上し、作業工数は4人から1人になり3人の省人化を達成した。切断と溶接の加工精度が均一化されたことで、パイプコースターによる切断加工を工程に組み込み、回転貫入鋼管杭製造という特殊な加工技術を必要とする事業へ新規参入できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の金属加工の複合技術や個別受注一貫生産は書かれるが、過去の取組との連続性や経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    複合加工技術や得意先ニーズへの個別対応は書かれているが、市場動向との関係や競争優位の根拠は読み取れない。

  • 課題の認識と解決5

    切断・溶接工程のボトルネックと作業員2人から1人への省人化、加工精度±2~3ミリから0.8~1.2ミリへの改善が数値で示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    作業工数4人→1人(3人省人化)や加工精度0.5~0.8ミリなど目標値と実績の数値が示され、目標通り達成と記載されている。

  • 事業を進める体制3

    作業員の多台持ち・多工程持ちや人員再配置の方針は書かれるが、人材育成や事務処理体制の具体は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    回転貫入鋼管杭の需要や建設業界への安全性・品質の訴求が具体的に書かれ、顧客ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    取組の目標と工程の見直しの流れは書かれるが、スケジュールや中長期の課題検証の詳細は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    回転貫入鋼管杭という特殊な加工技術を要する分野への新規参入で、一般的な普及度が低い分野であることがうかがえる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    少子高齢化でも防音壁や看板基礎など安定需要があると述べられるが、波及効果や雇用創出の具体的数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    省人化や精度向上の効果は数値で示されるが、補助金投入額に対する付加価値額の増加は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    アークセンサによる自動補正など先端的な自動化は書かれるが、サプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    新規参入で需要が増加する建設分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    三重県鈴鹿市の事業者であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新規参入を目指す回転貫入鋼管杭の需要は今後も増加傾向にある。回転貫入鋼管杭は建造物以外でも防音壁・防火壁や看板基礎に使われるため、少子高齢化が進む将来においても安定した需要が見込まれる。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。