ものづくり補助金平成29年度製造業群馬県

高精度油圧部品のNC複合加工による3次元構造のバリレス加工法の構築

株式会社岩﨑製作所

成果加工時間 176秒→126秒

この事例のポイント

  • バリのない製品を安定・安価・確実につくることが喫緊の課題となっている。
  • 現在の加工条件と当社固有技術を基に、新たに導入するNC装置の仕様を検討し選定した。
  • 加工時間 176秒→126秒。3次元構造のバリレス加工を実現し、バリの発生は確認されなかった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社岩﨑製作所
所在地群馬県 富岡市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工,精密加工
従業員数21人
資本金1,000万円
設立1964年

事業の背景

当社は創業50年で、得意分野は機械部品の超精密切削加工である。売上構成は自動車分野80%、建設機械分野15%、その他5%で、自動車分野に大きく依存している。建設機械は異常が発生すると重大事故につながるリスクがあり、バリは「ないこと」が前提となる要求の高い分野である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度バリのない製品を安定・安価・確実につくることが喫緊の課題となっている。
  • 人手・技能検査工程では全数検査を実施しているが、バリ取り工程での見逃しがある。
  • コスト・採算バリの過剰削除による廃棄が発生している。
  • 人手・技能手作業のバリ取りは重労働のため長時間持続が困難である。

やったこと

現在の加工条件と当社固有技術を基に、新たに導入するNC装置の仕様を検討し選定した。この装置を用い、バリレス加工条件の最適化を追求した。3次元バリ取りプログラムの開発、バリ取り工具の材質・形状の選定、バリ取り工具の接触角度・回転数・移動速度の条件設定を行った。加工条件の最適化によりバリのない試作品を作成し、バリのないことを前提に加工時間の最小化を追求した。

加工機3次元(3軸制御)対応CNC自動旋盤装置
ソフトバリ取りプログラム
その他バリ取り工具

事業の効果

  • 加工時間 176秒→126秒
  • 検査工程でのバリ取り対応率 19%→0%
  • 客先不良(流出) 1件/年→0件/年
  • 製造原価率 215円→154円

3次元構造のバリレス加工を実現し、バリの発生は確認されなかった。手作業のバリ取り工程を削除でき、加工時間は28%削減された。バリ取り作業の廃止、検査工程の時間短縮、総加工時間の短縮により製造原価は28%低減した。建設機械分野での実績をもとに新市場への進出を2年以内に目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    当社は創業50年の超精密切削加工企業で、建設機械分野を強化する目標が示されている。過去の取組との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車80%・建設機械15%の売上構成と、バリのない加工を建設機械分野で求められる点から、強みと市場要求の関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    バリ取り工程での見逃しや廃棄処分の課題を示し、加工時間28%削減や製造原価215円から154円への低減など数字つきの改善が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    加工時間目標110秒、結果126秒(達成度87%)、製造原価率目標150円、結果154円など目標値と結果が数字で示されている。

  • 事業を進める体制2

    体制として検査工程の全数検査や徐々に抜き取り検査へ移行する方針はうかがえるが、人材や事務処理能力の記載は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    建設機械部品業界で要求されるバリのない加工という価値と、建設機械・油圧計部品など顧客分野が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    新市場に2年以内に2分野で進出する目標や、市場調査・追加投資の方針が示され、時期と手段が読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    バリレス加工を建設機械部品で実現し、既存製品分野で高付加価値化を図る点が示されているが、市場全体の普及度の記載は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    建設機械の重大事故リスクに触れるが、地域経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    投入に対し製造原価28%低減、加工時間28%削減、客先不良0件など費用対効果を示す数字が複数ある。投資額の記載はない。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元バリレス加工とNC装置の導入は技術革新だが、サプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    エコカー・自動運転分野への展開が示されているが、日本経済の構造転換に資するとの記述は薄い。

  • 地域経済への波及2

    富岡市の所在地と輸送用機械器具製造業が記載されるが、地域の特性を活かした成長牽引への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

建設機械分野での実績を活かし、既存製品の既存取引先への優先採用や、油圧系部品メーカーへの営業展開を進める。新市場については市場調査や追加投資を行い、2年以内に2分野での進出を果たす計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。