ものづくり補助金平成27年度製造業静岡県

高効率洗浄装置の活用による製品品質の向上と新たな感性価値の提供

鈴木晒整理株式会社

成果良品率 96.7%→98%

この事例のポイント

  • 現行設備は洗浄効率が悪く、高品質な染色加工に必要な完璧な洗浄ができていなかった。
  • 染色加工工程のボトルネックである下晒し工程、特に精練工程を改善するため、最新モデルの高効率洗浄装置を導入した。
  • 良品率 96.7%→98%。高効率洗浄により布への浸水性が改善し、シワの発生が抑えられ、生地の均一性も向上して精練加工の精度が飛躍的に高まった。

事業者のプロフィール

事業者名鈴木晒整理株式会社
所在地静岡県 浜松市
業種繊維工業
技術分野デザイン,材料製造プロセス
資本金1,000万円
設立1958年

事業の背景

同社は下晒しから染色、整理加工までを手掛ける染色整理業で、天然繊維の綿織物の染色加工技術に強みがあり、海外トップブランド向けの生地も多く扱っている。一方で高級アパレルは品質要求が非常に高く、加工直しや不上がり処分が発生していた。ストレッチ素材などの広巾生地の需要も高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度現行設備は洗浄効率が悪く、高品質な染色加工に必要な完璧な洗浄ができていなかった。
  • 生産能力普通巾生地にしか対応できない現行設備では、精練加工できる生地巾が制限され、広巾生地の安定した加工品質が出せなかった。
  • 品質・精度加工直しや不上がり(C反)処分が発生し、良品(A反)率を高める必要があった。
  • 品質・精度海外市場の品質安全基準であるPH値7程度の維持には洗浄精度の向上が必要だが、現行設備では対応が困難だった。

やったこと

染色加工工程のボトルネックである下晒し工程、特に精練工程を改善するため、最新モデルの高効率洗浄装置を導入した。これにより洗浄精度向上と稼働領域拡大を図り、良品率の向上につなげた。また基礎工程を整備して染色加工のさらなる品質向上を目指し、グローバル基準に合致するようPH値の低減にも取り組んだ。

加工機高効率洗浄装置

事業の効果

  • 良品率 96.7%→98%
  • PH値(厚地) 10→8.5
  • PH値(薄地) 9→7.5

高効率洗浄により布への浸水性が改善し、シワの発生が抑えられ、生地の均一性も向上して精練加工の精度が飛躍的に高まった。良品率は96.7%から98.0%に向上し、精練直しやシワ直し、外注修正が大幅に減って買取処分を含む対応コストの削減が図られた。PH値も厚地と薄地で低減でき、世界的な安全基準をクリアできた。高い製品品質を安定的かつ低コストで提供できる環境が整い、海外高級アパレルのニーズにも応えられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    染色整理業として下晒しから染色・整理まで手掛け、自社開発の防止シワ加工など過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    独自の染色加工技術による他社にない高級感や風合いが強みとして示され、海外トップブランド向け取扱いも書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    精練工程の洗浄効率が課題と明示され、良品率96.7%から98.0%への向上や、PH値10→8.5、9→7.5の低減が数値で示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    良品率が96.7%から98.0%に向上する目標と結果が数値で示され、PH値の低減目標も具体的に書かれている。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    海外高級アパレルのニーズや多品種小ロット、天然繊維の上質なナチュラル感など顧客と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の課題としてさらなる品質向上や市場拡大を目指すとあるが、スケジュールや遂行方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高級アパレル向けの高付加価値な染色加工で、他社にない風合いを強みとするが、分野の普及度に関する記述は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    遠州産地の分業体制への経済波及効果や産地全体の業績拡大への貢献が述べられているが、定量的な記載は少ない。

  • 費用対効果4

    加工不良による精練直しや外注修正が大幅に低減し、買取処分を含む対応コストの削減が図られたと書かれている。

  • イノベーションへの貢献2

    高効率洗浄による精度向上は述べられるが、先端デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及は見られない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    浜松の遠州産地の繊維産業で、地域の分業構造を活かし関連事業者への波及効果をもたらすと具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

長年培ってきた職人技術と加工技術の開発力をさらに強化し、市場拡大を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。