ものづくり補助金平成27年度製造業静岡県

塩分無添加のパン製造技術による無塩パンシリーズの製造販売

有限会社阿古屋製パン

成果生産量 100本/日→3,000本/日

この事例のポイント

  • 無塩バターロールパンは生地の仕込みに多くの時間を要し、品質保持のため一定時間内に製造する必要があるため、既存の生産設備では大量生産ができず、現在の生産能力は1日100本程度である。
  • 分割・発酵・成形の工程を機械化するため、分割機、スパイラルミキサー、一本切りスライサー、ドゥフリーザーを導入した。
  • 生産量 100本/日→3,000本/日。分割・発酵・成形工程の機械化により、早朝からの作業負担が大幅に軽減された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社阿古屋製パン
所在地静岡県 浜松市
業種食料品製造業
資本金4,000万円
設立1947年

事業の背景

昭和22年に結核患者のための療養施設へパンを納品したことが創業のきっかけで、1964年に有限会社として法人化した。病院、大学、大手製造企業、学校などへパンを配達販売し、自社小売店舗とインターネットでも販売している。大手メーカーは低コストで長期保存可能なパンを製造しており、差別化のため高付加価値化が不可欠となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力無塩バターロールパンは生地の仕込みに多くの時間を要し、品質保持のため一定時間内に製造する必要があるため、既存の生産設備では大量生産ができず、現在の生産能力は1日100本程度である。
  • 品質・精度生産効率や生産量が低く、無塩バターロールパンの顧客満足度を向上させるため、製造工程の抜本的な改善が急務となっていた。
  • 人手・技能生地の分割・発酵・成形の工程がすべて手作業で、早朝3時から作業を始め、終了まで5時間から7時間を要していた。

やったこと

分割・発酵・成形の工程を機械化するため、分割機、スパイラルミキサー、一本切りスライサー、ドゥフリーザーを導入した。分割機は生地の成形と分割を同時に行い、スパイラルミキサーは吸水率の高い多加水パンの量産を可能にする。ドゥフリーザーは冷凍能力が高く庫内温度が上昇しないため的確な発酵調整ができる。これにより生地の仕込み作業の時間を大幅に短縮した。

加工機分割機
加工機スパイラルミキサー
加工機一本切りスライサー
加工機ドゥフリーザー

新しい製品・サービス:無塩パンシリーズ(無塩バターロールパン、生姜パン、にんにくパンなど)

事業の効果

  • 生産量 100本/日→3,000本/日
  • 作業時間 6時間→1時間

分割・発酵・成形工程の機械化により、早朝からの作業負担が大幅に軽減された。無塩バターロールパンの生産能力は1日100本から3,000本へ飛躍的に向上し、人的・時間的な余裕が生まれた。その結果、生姜パンやにんにくパンなど消費者のニーズに応じた各種無塩パンの提供が可能になった。今後は食パン、ハードロール、菓子パンなどへ無塩パンシリーズを広げる計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の医療・介護施設向けパン納品が背景にあり、無塩バターロールパンを高付加価値化の主力と位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大手メーカーの低コスト・長期保存との差別化を明記し、医療施設や介護施設の需要に応える強みが読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    現在の生産能力1日100本、仕込みに5〜7時間を要する課題を挙げ、機械化で1日3,000本へ増やす具体的な対策が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産量を1日100本から3,000本へ増やす目標と、焼き窯の能力上限という根拠が示され、実現性が読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    製造作業の担当や人員体制の記述は見当たらず、わずかに早朝作業の負担軽減がうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    塩分摂取制限者からの需要が多い点と医療・介護施設からのニーズを挙げ、顧客ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    無塩パンシリーズを食パンや菓子パンへ展開する計画が示されるが、スケジュールや遂行方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    塩分を添加しない製法で、同分野で高水準の高付加価値化を図る商品として位置付けられている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    医療施設や介護施設への食の提供に触れるが、地域経済や雇用創出への波及効果は明示されていない。

  • 費用対効果3

    生産量が30倍になり、作業時間が6時間から1時間程度へ短縮された数字が示され、効果の大きさがうかがえる。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    浜松市内の病院や施設に納品する地域密着の事業であり、地域の特性を活かした展開が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

無塩パンの種類を増やし、食パン、ハードロール、菓子パン等にも無塩パンシリーズを展開していく予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。