ものづくり補助金平成27年度製造業愛知県

最新のコンピュータ制御コイリングマシン導入による、従来より線径の太い製品の製造、高品質、低価格を実現する生産体制の構築

国光スプリング工業株式会社

成果段取り時間 3.5時間→2.75時間

この事例のポイント

  • ばね業界のグローバル化が進み、標準的な製品や大量生産品は海外で生産することを余儀なくされている。
  • 実際に導入したのは板屋製作所製の「コンピュータ制御コイリングマシン」で、NC制御技術における実績や取引先への対応の早さから採用を決めた。
  • 段取り時間 3.5時間→2.75時間。段取り時間の短縮と刃の寿命延長により生産性が向上し、切断面のバリも減ったことで品質が高まった。

事業者のプロフィール

事業者名国光スプリング工業株式会社
所在地愛知県 小牧市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数84人
資本金9,833万円
設立1941年

事業の背景

当社は精密小物線ばねや板ばねの設計・製造を得意とし、三菱電機グループやCKD株式会社を筆頭に取引基盤を形成している。取引先は半導体製造装置等の設備機器、機械、車両など用途が多岐にわたる。金型設計・製作から治具製作、電気・NC制御、設備機械の開発・改造、ライン化・自動化まで工程をすべて自社一貫体制で対応している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算ばね業界のグローバル化が進み、標準的な製品や大量生産品は海外で生産することを余儀なくされている。
  • 品質・精度国内で生産される製品には高度な技術と確かな品質保証体制が求められ、更なる品質向上を目的とした生産体制の構築が必要とされていた。

やったこと

実際に導入したのは板屋製作所製の「コンピュータ制御コイリングマシン」で、NC制御技術における実績や取引先への対応の早さから採用を決めた。最新設備により従来よりも線径の太いばねの製造が可能になり、押しばねや円錐ばねの製造技術が向上した。従来はばねの形状を調整するためカムを削って対応していたが、コンピュータ制御による微調整が可能になり、過去の加工データを活用して段取り時間を従来の3.5時間から2.75時間へ21%短縮した。カット刃の寿命は3000個から5000個以上と1.6倍以上に向上し、切断面のバリも少なくなった。生産量も毎分45個から57個へと1.26倍に向上し、より精密な製品にも対応できるようになった。

加工機コンピュータ制御コイリングマシン(板屋製作所製)

新しい製品・サービス:線径の太い押しばね・円錐ばね

事業の効果

  • 段取り時間 3.5時間→2.75時間
  • カット刃の寿命 3,000個→5,000個
  • 生産量 45個/分→57個/分

段取り時間の短縮と刃の寿命延長により生産性が向上し、切断面のバリも減ったことで品質が高まった。精密な製品にも対応できるようになり、線径の太い製品の生産性と加工技術が充実した。品質・コスト・納期において優位性が高まり、高い生産性と品質保証体制を確立することができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    一貫製造体制を強みとし、既存設備の自社カスタマイズで効率化してきた流れが読み取れるが、戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    グローバル化で標準品が海外生産される中、国内で高品質・短納期を実現する強みを活かす方針が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決5

    取り出しに3.5時間かかった工程を2.75時間へ21%短縮、カット刃寿命3000個→5000個以上、毎分45個→57個と数字で課題解決が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産量1.26倍や時間短縮率など達成済みの数値は示されるが、今後の付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員84人、一貫体制、社内での設備改造・プログラミング能力が書かれているが、補助事業の遂行体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    精密小物ばね・板ばねの製品と、線径の太い製品への対応、品質・コスト・納期での優位性など選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の効果は書かれているが、中長期の課題検証や導入スケジュールについての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    精密・極小ばねの分野で、線径の太い製品や押しばね・円錐ばねへの対応という高付加価値化は読み取れるが、市場の普及度は不明。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    ばね業界の国内生産維持の課題に触れるが、波及効果や雇用創出についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    短納期化によるコスト削減や生産性向上は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    過去の加工データを活用した段取り短縮やコンピュータ制御は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    愛知県小牧市の企業であることは読めるが、地域の特性を活かした成長牽引の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

海外を含め競合が激化するなか、今後も適宜設備投資を実施するとともに一貫体制を活かした高い生産性で、更なる優位性の維持向上に努め、新規ユーザーの獲得を目指して業績の拡大を図る考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。