ものづくり補助金平成27年度製造業愛知県

防爆型搬送ロボット・クリーンルームの導入による塗装の品質安定化・生産性向上・低コスト化・環境対応の実現

有限会社矢田化学工業

成果9台の監視カメラを設置

この事例のポイント

  • 金属・樹脂の受注が増え、塗装ラインの能力が限界に近づいて残業も多くなっていた。
  • 平成27年に本社工場の近くで工場を取得し、本社工場の設備の一部を移設するとともに新規設備を導入して、平成29年に膝折工場として稼働させた。
  • 9台の監視カメラを設置。ハンドリング用ロボットにより搬送の効率が大幅に向上し、作業効率が上がった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社矢田化学工業
所在地愛知県 大府市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
資本金400万円
設立1989年

事業の背景

同社は金属・樹脂への塗装を手がけ、特に500㎜×500㎜までのワークの塗装に強みを持つ。自動車産業を中心とした顧客から厚い信頼を得ている。金属を主に扱ってきたが、約15年前から樹脂への塗装も本格的に始めた。本社工場には塗装ラインが3本ある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力金属・樹脂の受注が増え、塗装ラインの能力が限界に近づいて残業も多くなっていた。
  • 納期・工程既存設備は老朽化が進み、更新の必要に迫られていた。
  • 人手・技能搬送を人手(2人分)に頼っており、人手によるものだったため限界があった。
  • 品質・精度塗装現場の清浄度が一定に保たれず、不良品の発生防止や品質向上が課題だった。

やったこと

平成27年に本社工場の近くで工場を取得し、本社工場の設備の一部を移設するとともに新規設備を導入して、平成29年に膝折工場として稼働させた。導入したハンドリング用ロボットは安川電機製で、ラインに流れてきた金属や樹脂のワークをつかみ、次工程の塗装用ロボットに高速かつ正確に渡す搬送を担う。膝折工場ではIoT化を進め、9台の監視カメラを設置してリアルタイムで工場の状況を確認できるようにし、3カ月分の録画データと加工条件のデータを蓄積した。さらにクリーンルームを導入し、塗装現場の清浄度を一定に保つ。

ロボットハンドリング用ロボット(安川電機製)
検査測定監視カメラ(9台)
その他クリーンルーム

事業の効果

  • 9台の監視カメラを設置

ハンドリング用ロボットにより搬送の効率が大幅に向上し、作業効率が上がった。クリーンルームにより不良品の発生が防止され、品質の向上が図られた。塗装用ロボットは一定のスピード・吐出量で塗料の吹き付けができ、品質が安定した。人手に比べて時間や塗料が半減するほどの成果が得られ、受注増とより難度の高い加工への挑戦につなげようとしている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車部品の塗装を手がけ、膝折工場の整備など設備投資を重ねてきた経緯が書かれているが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    500㎜×500㎜までのワーク塗装で「コスト、品質、納期とすべてにおいて絶対の自信」を持ち、自動車産業の顧客から厚い信頼を得ていると書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    ラインの能力限界や老朽化、残業増加という課題を認識し、ハンドリング用ロボットで搬送効率を大幅に向上させたと具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    受注増を目指すとあるが、付加価値額や賃上げに関する数値目標は書かれておらず、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    設備導入や工場整備を進めた実績はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    難度の高い塗装案件を受注したい方針や、品質不良の原因を数値と映像で探せる点など、選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後よりレベルの高い塗装を受注する方針は示されているが、遂行方法やスケジュールの詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    資金に余裕のない中小企業には難しく補助金がなければできなかったとあるが、金融機関からの調達見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    金属・樹脂の塗装で焼き付けやカチオン電着など多様な技術を蓄積しているが、高付加価値化や高価格化の具体的数値は書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    中小企業のものづくりで設備導入が難しいことに触れる程度で、経済波及効果や雇用創出などの国の補助理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    人手に比べて時間や塗料が半減するほどの成果が得られたとあるが、補助金投入額との比較となる数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    ロボットやIoTの導入で監視カメラ9台によるリアルタイム確認や、3カ月分の録画データを蓄積して品質不良の原因を探せる体制が書かれている。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    大府市の地場企業として自動車部品塗装を手がけるとの記述はあるが、地域の雇用創出や成長への牽引は明記されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

より難度の高い塗装の仕事を受注し、ステップアップを図る方針。

  • 目標:従来は人手(2人分)による搬送作業だった

事業者の声

今後はよりレベルの高い塗装の仕事を受注したい。難度の高い加工に果敢にチャレンジし続けることでステップアップを図る。厳しい競争の中で生き残っていくためにはそれしかない

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。