ものづくり補助金平成28年度製造業群馬県

次世代自動車向け共有化部品における革新的生産技術の確立

有限会社梶山鐡工

成果溶接時間 4秒→2.5秒

この事例のポイント

  • 手作業で行っていた抵抗溶接は溶接工の裁量で溶接時間が決まり、品質保証も人に頼っている部分があり十分とは言えない。
  • 自動溶接が可能なスポット自動供給ラインを導入し、ブラケット部品の試作開発を実施した。
  • 溶接時間 4秒→2.5秒。手作業の溶接を自動化し、一定の生産数で安定した品質の溶接を可能とする革新的生産技術を確立した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社梶山鐡工
所在地群馬県 伊勢崎市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,接合・実装
従業員数13人
資本金500万円
設立1973年

事業の背景

次世代自動車向けの共有化部品が進み、センターピラーブラケット部品とトーボードブラケット部品ともに取引先から増産が求められていた。コストの観点から部品の共有プラットフォーム化が進んでいる。自動車分野では国際競争力強化のためのコストダウンが重要な課題となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度手作業で行っていた抵抗溶接は溶接工の裁量で溶接時間が決まり、品質保証も人に頼っている部分があり十分とは言えない。
  • 生産能力取引先から増産が要求されているが、手作業では対応が難しい。
  • 人手・技能溶接の品質が溶接工の技能に依存していた。

やったこと

自動溶接が可能なスポット自動供給ラインを導入し、ブラケット部品の試作開発を実施した。導入した自動溶接機とチャック治具を用いて試作品を複数個作成し、そのうち各3つを抜粋して溶接強度測定機と非接触の三次元測定機で強度と形状を測定した。類似部品に汎用性のある治具を作成し、段取り替え工程をなくした。形状が異なる場合も治具を簡易な構造としたため10分ほどで切り替えが可能となった。自動溶接ラインの各所にチャック姿勢確認や溶接確認ステージを施し、不良品の良品への流出を防いだ。

加工機スポット自動供給ライン AW-SFL8ST
加工機自動溶接機
金型チャック治具
検査測定溶接強度測定機
検査測定非接触の三次元測定機

新しい製品・サービス:次世代自動車向けセンターピラーブラケット部品およびトーボードブラケット部品の量産対応の生産技術。

事業の効果

  • 溶接時間 4秒→2.5秒
  • 治具を簡易な構造としたので10分ほどで切り替えが可能となった。
  • 自動化によるリードタイム削減の結果、20%以上のコスト削減が見込める。

手作業の溶接を自動化し、一定の生産数で安定した品質の溶接を可能とする革新的生産技術を確立した。溶接時間は約4秒から約2.5秒に短縮され、段取り替えは10分ほどで済むようになった。試作品は部品の歪みやナットの位置ズレがなく、溶接強度も自社規格以上であることが確認された。今後、試作結果を量産にフィードバックでき、当社製品の付加価値が増し、受注拡大が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    手作業の溶接工程を自動化した点は読み取れるが、過去の取組や経営戦略上の位置付けは記載がない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    取引先からの増産要求や共有化の進展はうかがえるが、競争優位性や自社の強み・弱みの記述はほぼない。

  • 課題の認識と解決4

    手作業溶接の品質問題を課題とし、自動化で溶接約4秒が約2.5秒(37.5%削減)となり、受注増へつなげる計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    溶接時間37.5%削減、20%以上のコスト削減見込み、センターピラーの年間受注480万個・売上6,624万円など数値つきで目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員13人の企業であることは書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ユーザーの量産要求、共有プラットフォーム化の進展、取引先からの増産要求など、ニーズの裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    試作から量産へのフィードバックや今後のリードタイム削減が述べられているが、スケジュールや課題解決方法の詳細はない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    自動車部品の溶接自動化で高付加価値化を図る点は読めるが、分野の普及度や高水準化を示す具体的記述は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    次世代自動車の国際競争力強化やコストダウンが課題として述べられ、波及効果への言及は限定的。

  • 費用対効果4

    自動化による時間削減率や20%以上のコスト削減見込みなど、投資に対する効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    自動溶接ラインの品質確認機能は書かれているが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    次世代自動車分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

事業化5年後にセンターピラーブラケット部品の年間受注480万個、売上6,624万円、トーボードブラケット部品の受注150万個、売上1,500万円を予測している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。