ものづくり補助金平成27年度製造業愛知県

表皮革加工部品の生産体制構築による大衆車への普及と航空機産業への挑戦

株式会社池戸製作所

この事例のポイント

  • 皮革パーツの設計を豊田合成に頼っており、自社で設計できないため試作段階で製造がうまくいかないことがあった。
  • 数値制御(NC)裁断機を導入し、設計データを入力すると皮革パーツを自動で切り出し、形状の微調整も比率の数値を入力するだけで簡単に行えるようにした。
  • 自社で皮革パーツを設計できる体制を構築したことで、試作から量産への立ち上がりが格段にスムーズになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社池戸製作所
所在地愛知県 稲沢市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野デザイン,精密加工
従業員数365人
資本金1,000万円
設立1972年

事業の背景

池戸製作所は自動車の内外装部品や燃料関連部品の製造・加工が主力事業で、豊田合成のパートナー企業として40年以上の実績がある。同事業の中核は高級車のインパネ周辺に組み込まれる内装皮革部品である。また、同社は航空機の隔壁加工やリベット打ちなども手がけてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能皮革パーツの設計を豊田合成に頼っており、自社で設計できないため試作段階で製造がうまくいかないことがあった。
  • 生産能力皮革パーツの寸法調整を豊田合成との間で何度も調整・試行する必要があり、時間をロスすることが多かった。
  • 品質・精度設計が十分に改善されないまま量産に移り、皮革パーツを無理に引っ張りながら製造するため作業者の手が痛くなることがあった。

やったこと

数値制御(NC)裁断機を導入し、設計データを入力すると皮革パーツを自動で切り出し、形状の微調整も比率の数値を入力するだけで簡単に行えるようにした。優秀な社員を豊田合成へ出向させて皮革パーツの設計技術を習得させ、自社へフィードバックした。これにより自社で皮革パーツの形状を設計でき、試作から量産への立ち上がりが格段にスムーズになった。

加工機NC裁断機

事業の効果

自社で皮革パーツを設計できる体制を構築したことで、試作から量産への立ち上がりが格段にスムーズになった。量産後の作業性も向上して作業時間が短縮し、コスト削減につながった。豊田合成からの信頼が増しただけでなく、新たな顧客への道が開け、自動車分野の新規顧客獲得にも結びついた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    40年以上のパートナー実績と航空機部品の加工歴があり、NC裁断機導入と自社設計体制の構築を重点事業として位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自社設計で低コスト・短納期の提案ができる点を強みとし、その強みを生かして自動車分野の新規顧客を獲得したと書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    皮革パーツの設計が十分に改善されず調整に時間をロスしていた課題を認識し、自社設計体制で試作から量産立ち上げを円滑にしたと述べている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業時間の短縮やコスト削減は触れられているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員365人の規模と、社員を豊田合成へ出向させて設計技術を習得させた経緯が書かれているが、事業遂行の体制は概略にとどまる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    試作の提案力が競合に比べ強いことや新規顧客の獲得は書かれているが、ターゲットとニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    NC裁断機導入と設計ノウハウの習得により量産立ち上げが円滑になった経緯は書かれているが、今後のスケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    航空機内装の皮革部品への展開が語られるが、市場の認知度や高価格化の水準に関する記述はうかがえる程度にとどまる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    航空機産業への貢献や国産小型旅客機の開発への言及はあるが、雇用創出や波及効果の数字は書かれていない。

  • 費用対効果2

    作業時間の短縮とコスト削減が述べられているが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    NC裁断機によるデジタル設計データの活用はうかがえるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    自動車から航空機産業への展開を目指す構想が語られており、成長分野への進出という方向性は読み取れるが、具体性は薄い。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

航空機産業への展開を目指しており、航空機内装の皮革部品にも展開していきたいとしている。自動車分野以外の新規顧客を継続開拓していく方針である。

事業者の声

航空機内装の皮革部品にも展開していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。