ものづくり補助金平成27年度製造業愛知県

デジタルデータを利用し付加価値の高い製品を短期間に開発・商品化しかつ安定的に少ロット生産を実現するための技術強化

株式会社箱秀紙器製作所

この事例のポイント

  • 大手と価格競争をしても勝てず、防水などの機能性や小ロット即納で差別化する必要があった。
  • 平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金を活用し、設計ソフトウエアと図面通りに紙を切るカッティングマシンを導入した。
  • 複雑な形状の紙箱も最短で翌々日に出荷できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社箱秀紙器製作所
所在地愛知県 豊橋市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野デザイン,立体造形
従業員数18人
資本金1,000万円
設立1977年

事業の背景

昭和11年創業の老舗箱メーカーで、和菓子や木工製品向けの包装資材を手がけ、生産設備を増強してきた。地元の箱メーカーは以前の約50社から10分の1程度に減少した。簡易包装化やネット通販の拡大で包装資材の需要が減り、大手との価格競争では勝てないため、小ロット即納など地域密着型の包装資材に注力する方針を固めた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算大手と価格競争をしても勝てず、防水などの機能性や小ロット即納で差別化する必要があった。
  • 集客・繁閑簡易包装化やネット通販の拡大で包装資材の需要が減り、取り巻く環境が大きく変化していた。
  • 納期・工程木型の製作に1週間から10日かかっていた。
  • 納期・工程木型を外部に発注するため、サンプルが届くまでに3日かかっていた。
  • 人手・技能箱の設計は手書きで行われていた。

やったこと

平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金を活用し、設計ソフトウエアと図面通りに紙を切るカッティングマシンを導入した。設計ソフトはCADで、設計からサンプル製作までデジタルデータでやりとりできる。カッティングマシンはCADで作成したデータ通りに厚紙をカットする。これにより複雑な3次元形状の箱もスピーディーに開発できるようになった。

ソフト設計ソフトウエア(CAD)
加工機カッティングマシン

新しい製品・サービス:カピバラのパッケージ(第3弾)。初めて設計ソフトとカッティングマシンを導入して開発した。

事業の効果

複雑な形状の紙箱も最短で翌々日に出荷できるようになった。月5〜6万円かかっていた外注費を削減でき、リードタイムも大幅に短縮した。大手との競争力も高まり、箱やポップの設計だけの仕事も舞い込むようになった。パッケージの開発期間は大幅に短縮され、アイデア商品のヒットにつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    ものづくり補助金を活用し、ウツボやカピバラなど複数の箱製作を手がけた経緯が書かれているが、経営戦略上の位置づけまでは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    防水など機能性での差別化と小ロット即納という地域強みを生かす戦略を明示し、大手との価格競争を避ける方針が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    木型発注で3日、外注費月5〜6万円という課題を挙げ、カッティングマシン導入でリードタイムを大幅短縮すると示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、わずかに売上増の傾向がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制3

    社長自らCADに向き合う体制や従業員18人の規模が書かれているが、補助事業の遂行体制としては具体性が薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    癒やし系カピバラ人気や1日100個以上売れる大ヒットなど、顧客ニーズの裏付けと選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    第1弾から第3弾へ段階的に製品を拡大した経緯は読み取れるが、今後の中長期スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    箱メーカーが10分の1に減る中、アイデア商品で高単価化し、複雑形状の紙箱を翌々日出荷する差別化が示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    地元の糸や海産物の箱製作、東三河の地域密着型包装など地域性はうかがえるが、国が補助する必要性は書かれていない。

  • 費用対効果3

    外注費を月5〜6万円削減し、リードタイムを大幅に短縮したとの効果は書かれているが、投入額に対する費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献4

    設計ソフトとカッティングマシンで、設計からサンプル製作までデジタル化し、技術をお金に換えるビジネスモデル構築を目指すと述べている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    包装資材から癒やし系商品へ舵を切った点はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    東三河の地域産品を扱い、竹島水族館など地元企業とのコラボで地域の事業者と連携している点が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

何よりお客さんの困り事に対処できるようになったのがうれしかった

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。