ものづくり補助金平成27年度製造業三重県

専用機重要構成部品の機械加工精度向上と工期短縮のための設備投資

扶桑工機株式会社

成果面粗度 3μm→0.2μm

この事例のポイント

  • 重要構成部品は機械加工の後に熟練作業員による手作業の研磨を行って品質を確保しており、手仕上げに工数がかかっていた。
  • 車載用小型モーター製造専用機の重要部品を加工するため、最新の高精度高速加工機を導入した。
  • 面粗度 3μm→0.2μm。面粗度が向上して加工精度が高まり、大型部品にも対応できるようになって作業性も向上した。

事業者のプロフィール

事業者名扶桑工機株式会社
所在地三重県 三重県菰野町
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数360人
資本金3,000万円

事業の背景

当社は専用機事業、金型事業、部品事業の3事業を持ち、自動車、電機・電子機器、産業機器の市場向けに製品を供給している。車載用小型モーターは燃費規制の厳格化により、ハイブリッド車や電気自動車などの次世代自動車への搭載が増え、世界的な自動車販売台数の伸びとともに成長が期待される製品である。当社は従来から車載用小型モーター製造用の専用機を手がけてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度重要構成部品は機械加工の後に熟練作業員による手作業の研磨を行って品質を確保しており、手仕上げに工数がかかっていた。
  • 生産能力加工時間が40時間、加工工程が18工程かかっており、生産性向上が課題であった。
  • 納期・工程素材から部品完成までに8日を要しており、納期短縮が課題であった。

やったこと

車載用小型モーター製造専用機の重要部品を加工するため、最新の高精度高速加工機を導入した。導入機器は機械加工精度を高めることで手仕上げの工数削減を図るものである。導入後、約5か月間の研修で高速・高精度加工技術・技能を習得させ、段取り治具等の改善品を製作した。さらに、設備のソフト・マクロプログラム等のシステム面と、計測技術、罫書き等の加工技術面の教育を実施した。設備据付後、教育成果と設備能力の確認のため実際の加工作業を行い、同時に機械の調整を実施した。

事業の効果

  • 面粗度 3μm→0.2μm
  • 加工サイズ 900mm→1,300mm
  • 加工時間 40時間→10時間
  • 加工工程数 12工程→5工程
  • 納期(素材から部品完成まで) 8日→3日

面粗度が向上して加工精度が高まり、大型部品にも対応できるようになって作業性も向上した。加工時間と工程数が大幅に減り、目標の6工程を上回る削減ができた。素材から部品完成までの期間も短縮され、目標の5日を上回った。人材育成では社員に機械加工ノウハウを教育し、高品質で複雑な製品を短納期・低コストで供給する能力が向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決加工時間40時間→10時間、18工程→5工程、納品8日→3日など数字で課題と改善効果が示され、実効性が高い。
  • 5
    付加価値・賃上げの目標面粗度3.0→0.2、加工時間40→10時間、納期8→3日など目標と実績が数値で示され、目標超過も記載されている。
  • 4
    これまでの取組との一貫性オールインワンの理念に基づく製品・組織作りを従来から継続しており、専用機事業の生産性向上として高精度高速加工機導入を位置づけている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用自動車産業の成長に触れているが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は書かれていない。
経営戦略との整合性4.3
  • これまでの取組との一貫性4

    オールインワンの理念に基づく製品・組織作りを従来から継続しており、専用機事業の生産性向上として高精度高速加工機導入を位置づけている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    車載用小型モーター市場の成長と燃費規制強化を踏まえ、手仕上げ工程を機械加工で置き換える自社の強みを生かす内容になっている。

  • 課題の認識と解決5

    加工時間40時間→10時間、18工程→5工程、納品8日→3日など数字で課題と改善効果が示され、実効性が高い。

事業の実現可能性3.6
  • 付加価値・賃上げの目標5

    面粗度3.0→0.2、加工時間40→10時間、納期8→3日など目標と実績が数値で示され、目標超過も記載されている。

  • 事業を進める体制4

    約6か月の加工技術研修、教育、据付・試運転を実施し、従業者360名の体制で遂行したことが書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    車載用小型モーターの需要拡大は書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    機器発注から研修、据付、加工調整までの順序は書かれているが、中長期の検証や今後の遂行スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    車載用小型モーター製造専用機の加工精度向上という分野で、手仕上げ削減により高水準の品質を目指す点がうかがえる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    自動車産業の成長に触れているが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    工数や時間の削減効果は数字で示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ベテラン技術のノウハウを事業部間で共有する仕組みを目指すとあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    次世代自動車向けの市場成長に言及しているが、日本経済の構造転換という観点は明示されていない。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

車載モーター市場は今後も成長が期待でき、本事業の成果を基に市場シェアの拡大に挑む。今後も社員の加工・製造スキル向上への投資を継続し、ベテラン社員のノウハウを無形資産として事業部間で共有・活用する仕組みの構築を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。