ものづくり補助金平成27年度製造業三重県

最新モデル機器の導入と画期的な主軸用ステータフレーム加工の高度生産性の構築を図る。

旭電気株式会社

成果リードタイム 25日→15日

この事例のポイント

  • ステータ巻線とフレームの工程のうち、フレーム加工を社外に出しており、両者の納期が揃わず、組立順序や最終製品の納期変更が生じて全社の効率を下げている。
  • A社の要求を満たすため、社外加工となっていた工程を内製化して一貫生産納入を実現することにした。
  • リードタイム 25日→15日。既存設備では加工できなかったφ520mm以上のステータフレーム加工が可能となり、巻線からフレームまでの一貫生産体制を構…

事業者のプロフィール

事業者名旭電気株式会社
所在地三重県 四日市市
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数196人
資本金2,000万円

事業の背景

当社はコイル巻線を創業事業とし、現在は制御盤、コイル、加工の3部門を営んでいる。重要顧客A社は「世界最大の工作機械メーカーを目指す」との方針のもと、機種の統廃合や生産拠点の変更を伴うグローバルな生産体制の構築を進めており、当社に対して大幅な物量増を要請した。当社はA社の施策に応えることが経営安定と発展につながると考え、2018年にA社からのフレーム加工付ステータ納入比率を100%とする要望への対応を目標とした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程ステータ巻線とフレームの工程のうち、フレーム加工を社外に出しており、両者の納期が揃わず、組立順序や最終製品の納期変更が生じて全社の効率を下げている。
  • 生産能力φ520mm以上の大型ステータフレームは既存設備では加工できず、受注を断念していた。
  • 集客・繁閑重要顧客A社の大幅な物量増と納期・コストの要求に応えられなければ、A社からの注文が激減し、中核事業の存続が危ぶまれる。

やったこと

A社の要求を満たすため、社外加工となっていた工程を内製化して一貫生産納入を実現することにした。φ650mm~φ900mmの大型部品を切削できるCNC立形旋盤が必要であったため、立形旋盤製造メーカー5社の機種を綿密に比較検討した。その結果、能力・金額・納期のすべてで優位となったφ520mm以上のステータフレームの加工が可能な大型立形旋盤を導入した。本機はミーリング機能付きのため、マシニング工程への載せ替えが不要となった。

加工機CNC立形旋盤(大型立形旋盤)

事業の効果

  • リードタイム 25日→15日

既存設備では加工できなかったφ520mm以上のステータフレーム加工が可能となり、巻線からフレームまでの一貫生産体制を構築できた。ミーリング機能により段取り時間が削減され、高精度化も実現した。社外加工品の工程を社内に取り込んだことで、生産・製造に関する情報をA社とリアルタイムに共有でき、A社の社内加工部門と同等の機能を果たせるようになった。これにより、従来は受注を断念していた大型部品の受注や、コスト・納期を満たせないという問題の解消が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    重要顧客A社の要求に応じ、社外加工工程の内製化で一貫生産を構築する方針が本文から読み取れる。過去の取組との連続性は明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    A社からの大幅な物量増とφ520mm以上の加工能力不足が示され、能力・金額・納期で優位な立形旋盤を比較選定した経緯がある。

  • 課題の認識と解決4

    納期不一致や社外加工によるリードタイム長を課題とし、内製化でリードタイムを25日から15日に短縮する見込みが示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    リードタイム25日から15日への短縮という数値目標が示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がない。

  • 事業を進める体制2

    従業者数196名は記載があるが、補助事業の遂行体制や人材配置についての具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    A社の要求や製品群に対応する価値は書かれるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けを数値で示す記述は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    工程内製化と機械選定の手順は書かれるが、スケジュールや中長期の課題検証の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    大径部品の高精度・小ロット加工への展開が述べられるが、分野の普及度や高付加価値化の水準を示す数値はない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    ロケット用モータや航空機など複数分野への波及が述べられるが、雇用創出や経済波及効果の定量的記述はない。

  • 費用対効果3

    リードタイム短縮や段取り時間削減の効果は示されるが、投資額に対する付加価値増加の数値は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    生産情報のリアルタイム共有やIoTの一部構成という記述があり、サプライチェーン連携の方向性はうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    工作機械分野や航空機・医療など成長分野への展開がわずかにうかがえるが、構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    三重県の企業であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済への効果の記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

φ900mmまでの部品加工が可能となり、モータ容量22kWまでの巻線からフレームまでのセット納入ができるようになる。A社にとっては1オーダーで必要部品が揃い、業務効率が向上して双方がQCDの利点を得られる。φ900mmまでのステータ加工能力により、ロケット発射台用モータの大径部品、大型建機部品、航空機、医療、自動車分野の工作機械部品にも小ロット・高精度・低コストで対応でき、今後の発展につながると期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。