ものづくり補助金平成26年度製造業愛知県

高精度5軸研削加工機導入による航空用精密部品生産プロセス改善とバルブ受注拡大

高砂電気工業株式会社

この事例のポイント

  • 航空機分野は部品の軽量化が求められ、同社のバルブやポンプの小型・軽量化の実績を生かせる市場だったが、航空機部品への参入実績がなく新規受注が難航していた。
  • 平成26年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金を活用し、平成28年初頭に高精度・高速・微細加工が可能な5軸加工機を導入した。
  • 5軸加工機の導入により、従来はできなかった加工が可能になり、図面との誤差が少なく高品質で安定した加工ができるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名高砂電気工業株式会社
所在地愛知県 名古屋市
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工
資本金9,000万円
設立1959年

事業の背景

高砂電気工業は、血液検査装置や排ガス・水質分析装置など医療や環境分野向けのバルブやポンプを製造している。医療分野は売上高の半分以上を占める主力である。自動車分野は市場が大きいものの、コスト競争が厳しく参入しづらい状況だった。航空機分野では燃費向上のため部品の軽量化が求められており、同社は事業拡大に向けて航空機分野への参入を目指した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術航空機分野は部品の軽量化が求められ、同社のバルブやポンプの小型・軽量化の実績を生かせる市場だったが、航空機部品への参入実績がなく新規受注が難航していた。
  • 品質・精度人が加工に介在すると精度が徐々にズレてしまい、図面どおりの精度を一定に再現することが難しかった。
  • 生産能力従来の設備では図面の精度を出せず、難しい加工には対応できなかった。
  • 人手・技能加工作業には社員の負担が大きく、夜間に加工を進めることができなかった。

やったこと

平成26年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金を活用し、平成28年初頭に高精度・高速・微細加工が可能な5軸加工機を導入した。同機は従来できなかった加工を可能にし、試作や開発を中心に使われている。航空宇宙産業の品質マネジメント規格JIS Q9100を取得し、航空機専門のプロジェクトチームを立ち上げた。導入の初期セットアップには苦労したが、図面との誤差が少なく高品質で安定した加工ができるようになった。同機は無人運転もでき、昼間にワークをセットすれば夜間も自動で加工できるため、社員の負担も軽減された。

加工機高精度5軸研削加工機

事業の効果

5軸加工機の導入により、従来はできなかった加工が可能になり、図面との誤差が少なく高品質で安定した加工ができるようになった。設計部門からも新たな加工に挑戦する提案が出るようになった。航空機のハンドルや翼関連の部品を受注し、航空機分野での新規取引が始まった。夜間の無人加工により社員の負担も軽減された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    医療分野の主力に加え、宇宙・航空機分野への参入を目指すと記載あり。過去の取組との一貫性は具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    航空機は部品軽量化の要求があり、小型・軽量化の実績があると記載。強みの説明はあるが定量的根拠は少ない。

  • 課題の認識と解決3

    従来は加工できなかった部品の受注を目指し、5軸加工機で精度を安定させる方針が書かれている。高付加価値化の数値目標はない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    航空宇宙専門のプロジェクトチーム立ち上げとJIS Q 9100認証取得が記載されており、体制の一部はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ニーズとして航空機部品の軽量化・小型化要求が示されるが、顧客ターゲットや選ばれる理由は整理されていない。

  • 事業化までの道筋3

    導入後は試作・開発中心に活用し、ハンドルや翼関連部品を受注中と記載。スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    航空機部品は多品種少量で、小型・軽量化を追求する方針が示されるが、高付加価値化の水準の記載は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    航空機産業への参入という新たな需要創出はうかがえるが、経済波及や雇用創出の記載はない。

  • 費用対効果2

    補助金で導入した機械の費用対効果を示す数値は記載がなく、夜間無人加工による負担軽減が述べられる程度。

  • イノベーションへの貢献3

    5軸加工機による高精度・無人加工は技術面の革新だが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    航空機分野という成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換に資する旨の記載はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は導入した機械を使い、部品のより小型・軽量化を追求していく。将来は航空機分野を事業の一つの柱にしたいと考えており、バルブ部品の受注拡大も目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。