ものづくり補助金平成27年度学術研究、専門・技術サービス業三重県

ドローンによる写真計測と3次元レーザースキャナによる精度検証手法の構築

株式会社三重計測サービス

成果3次元レーザースキャナの計測可能距離 50m→330m

この事例のポイント

  • 現有の3次元レーザースキャナは実質50m程度しか計測できず、複雑な形状の構築物や文化財など顧客の要求を満たせない案件が多かった。
  • 3次元レーザースキャナを導入し、現有機種で約50mだった計測距離を330mに伸ばした。
  • 3次元レーザースキャナの計測可能距離 50m→330m。新たな設備により、広範囲や複雑な形状の計測、近接写真撮影、法面保護工調査、高精度な写真計測など、これまでできなかった顧…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社三重計測サービス
所在地三重県 四日市市
業種技術サービス業
従業員数1人
資本金100万円

事業の背景

当社は3次元レーザースキャナによる計測と、ドローンによる空撮・動画撮影を行う技術サービス業者である。これまでダムや構造物の現況計測、経時変化の差分解析を行い、補修のための基本データを作成してきた。顧客は大手電力会社や大手航測会社などで、3次元レーザースキャナによる計測を専業で行う会社は少なく、当社は500件以上の実務経験を持つ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現有の3次元レーザースキャナは実質50m程度しか計測できず、複雑な形状の構築物や文化財など顧客の要求を満たせない案件が多かった。
  • 品質・精度ドローンによる空撮写真で写真計測を行うと面的な精度を担保できないことが実証実験で分かった。
  • 新製品・新技術顧客から、橋梁の近接写真撮影、ダム堤体の近接撮影、サーモカメラによる点検、長時間飛行、高画素カメラによる高精度計測といった追加の要望が出ていた。
  • 生産能力写真計測用ソフトウェアは解析に非常に時間がかかり、解析結果が悪く使えないこともあった。

やったこと

3次元レーザースキャナを導入し、現有機種で約50mだった計測距離を330mに伸ばした。これにより熊本城の石垣を広範囲にわたり高い精度で計測し、天守閣のデータまで取得できるようになった。ドローン(Matrice100)を導入し、前後左右の超音波センサーとステレオカメラで堤体との接触を防ぎ、一定距離を保った撮影を可能にした。サーモカメラを導入して建物外壁やタイルの接着状況、吹き付け法面の裏面空洞化、ソーラーパネルの調査に使えるようにした。搭載カメラには2,000万画素以上のものを導入し、離れた位置からでも正対オルソ写真の十分な解像度を得られるようにした。解析用ソフトウェアを導入し、熊本城の空撮写真の解析を従来の7日間から短縮し、エラーも減らした。解析結果を3DPDFに出力できるようになり、新たなデータクリーニング手法やポリゴン生成、UVマッピングも可能になった。

新しい製品・サービス:ドローンによる空撮写真計測と3次元レーザースキャナの点群データを組み合わせたハイブリッド解析

事業の効果

  • 3次元レーザースキャナの計測可能距離 50m→330m

新たな設備により、広範囲や複雑な形状の計測、近接写真撮影、法面保護工調査、高精度な写真計測など、これまでできなかった顧客の要望に対応できるようになった。撮影のための足場設置の時間とコストが削減され、短納期化に伴う受注機会が増え、調査期間の短縮によって低コスト化も可能になった。ハイブリッド解析により抜けのない高精度なポリゴンデータを作成し顧客に提供できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    強み・弱みを踏まえた優位性3次元レーザースキャナ専業の会社はないこと、500件以上の実務経験、特許第5148012号のソフトを活かす点が具体的に書かれている。
  • 4
    これまでの取組との一貫性ダムや構造物の現況計測と差分解析を従来から行っており、ドローン併用を既存の計測事業の延長として位置付けている点が読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決現有機種は計測距離50mで石垣を計測できず、写真計測の面的精度不足も検証で判明し、解決策として併用手法を導入したと書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標解析時間を7日から数日に短縮した実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。
経営戦略との整合性4.3
  • これまでの取組との一貫性4

    ダムや構造物の現況計測と差分解析を従来から行っており、ドローン併用を既存の計測事業の延長として位置付けている点が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性5

    3次元レーザースキャナ専業の会社はないこと、500件以上の実務経験、特許第5148012号のソフトを活かす点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    現有機種は計測距離50mで石垣を計測できず、写真計測の面的精度不足も検証で判明し、解決策として併用手法を導入したと書かれている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    解析時間を7日から数日に短縮した実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業者は1名と明記されており、補助事業を遂行する体制の具体的な記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大手電力会社や大手航測会社が顧客と明記され、観光、報道、マンション開発などの新市場への進出も具体的に挙げられている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の検証手順や顧客要望への対応方針は書かれているが、スケジュールや中長期の課題検証の記載は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    3次元レーザースキャナによる計測を専業で行う会社は無いとし、ハイブリッド解析による高精度ポリゴンデータの作成を特徴として挙げている。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用3

    国土交通省の案件や熊本城の石垣計測など、インフラ点検や文化財の計測に関わる公共性は読み取れるが、経済波及効果への言及は薄い。

  • 費用対効果3

    足場設置の時間とコストが削減され、解析期間が7日から数日に短縮されたとあるが、投資額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3次元レーザースキャナとドローン写真計測を併用したハイブリッド解析や3DPDF出力など、デジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    デジタルコンテンツが成長分野であると触れ、新規取引への期待を示しているが、構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

現在の顧客との取引拡大と、関係するコンサルタント会社の新規開拓が期待される。さらに、観光案内用の空撮動画、報道機関へのデータ提供、マンション開発の眺望シミュレーションや完成予想図用の空撮など、新たな市場への進出も見込まれる。デジタルコンテンツ分野では、新たなドローン導入による画像品質の向上で新規取引が期待できる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。