ものづくり補助金平成30年度学術研究、専門・技術サービス業佐賀県

災害対応ニーズの高まりに対応するための土木測量・設計工程の改善計画

株式会社有明エンジニアリング

成果基準点測量の所要時間 90分→30分

この事例のポイント

  • 基準点測量・現地測量・路面測量の3工程は、広範囲で複雑な地形を人の手で行う必要があり、繰り返し観測も発生して膨大な時間と手間がかかっていた。
  • GNSS測量(人工衛星から送信される電波を利用する測位方式)による基準点測量を実現するドローンおよびトータルステーションと解析システムのセットを導入した。
  • 基準点測量の所要時間 90分→30分。ドローンとGNSS測量システム、スキャナーの併用により、距離・高さ・角度の情報を最初から3Dデータで取得できるようにな…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社有明エンジニアリング
所在地佐賀県 佐賀市
業種技術サービス業(他に分類されないもの)
従業員数40人
資本金500万円
設立1965年

事業の背景

当社は昭和40年の設立以来、測量業を皮切りに総合建設コンサルタントとして、道路・河川・橋梁・下水道・砂防施設などの建設・補償コンサルティング、地質調査業、一級建築士事務所の業務を手がけている。防災対策や災害時対応のノウハウがあり、県の災害協力会社に指定されている。近年は地震や豪雨被害の多発により復旧工事や防災対策、災害時の緊急対応の重要性が高まっている。佐賀県内で大規模工事に必要な地質調査業・補償コンサルタント業務まで同時に受注できるのは、同業他社のうち当社を含めてわずかである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力基準点測量・現地測量・路面測量の3工程は、広範囲で複雑な地形を人の手で行う必要があり、繰り返し観測も発生して膨大な時間と手間がかかっていた。
  • 生産能力良好な市場環境の中で生産性を向上させ、受注可能な体制を構築することが急務だった。

やったこと

GNSS測量(人工衛星から送信される電波を利用する測位方式)による基準点測量を実現するドローンおよびトータルステーションと解析システムのセットを導入した。トータルステーションの基準点を1カ所設置すれば衛星から緯度・経度・高さの情報を取得でき、国土交通省が国内に複数設置した電子基準点と新設備のリンクによる基準点観測が可能になった。あわせて3Dレーザースキャナーも導入し、面的な点群座標を短時間で大量に取得できるようにした。

検査測定ドローンおよびトータルステーションと解析システムのセット(GNSS測量対応)
検査測定3Dレーザースキャナー

事業の効果

  • 基準点測量の所要時間 90分→30分
  • 現地測量と路面測量の合計所要時間 300分→60分

ドローンとGNSS測量システム、スキャナーの併用により、距離・高さ・角度の情報を最初から3Dデータで取得できるようになった。基準点測量の所要時間は90分から30分に短縮され、広範囲を一度に測量できる体制により現地測量と路面測量を同時に行えるようになった。危険な現場の測量も安全かつスムーズに実施でき、作業の効率化や生産性向上、作業者の満足度向上にもつながっている。今後は測量のリードタイム短縮により受注可能な案件が増加する見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の測量の課題を解決するため導入したと書かれ、設立以来の測量・設計事業の延長線上にあると読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県の災害協力会社指定や大規模工事に対応できる同業者が少ないことが示され、強みと市場環境を踏まえた競争優位の記述がある。

  • 課題の認識と解決5

    基準点測量が90分から30分へ、現地・路面測量が300分から60分へ短縮と数字で課題と効果が示され、受注件数増の目標もある。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    測量時間の短縮実績が数字で示され、受注増を目標にしているが、付加価値額や賃上げの具体的目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    技術部門での新規雇用と体制強化の計画が書かれているが、人数や事務処理体制の具体は示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    災害対応ニーズの高まりや有明海沿岸道路などの受注対象は示されるが、顧客ターゲットの整理や選ばれる理由の詳述は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の受注計画や航空レーザー導入の構想はうかがえるが、中長期の遂行方法やスケジュールの具体性は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3Dデータ取得を一度に行う測量体制は他社と差別化できる点として書かれるが、分野の普及度や高価格化への言及は明確でない。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用3

    災害対策ニーズへの対応や県の災害協力会社としての役割が書かれ、公共性の理由はうかがえるが、経済波及効果の数値は示されない。

  • 費用対効果4

    投資に対し測量時間が大幅短縮され、所要時間が一部で75%以上減ると数字で示されており、費用対効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献4

    GNSS測量とドローン、3Dレーザースキャナーを組み合わせたDX化で、将来的に航空レーザー導入も視野に入れると書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    DX社会の実現への挑戦が触れられるが、日本経済の構造転換への言及は明確でない。

  • 地域経済への波及3

    県・市町村のインフラ整備や佐賀県内の災害対策を担う地域事業として書かれているが、地域経済成長への効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は官公庁や国土交通省佐賀国道事務所などからの入札による有明海沿岸道路の工事、佐賀県内の河川の工事といった大規模工事の調査・測量設計の受注をめざす。今後一層高まると予想される災害対策ニーズによる案件も積極的に受注する方針である。技術部門で新規雇用を行い体制を強化し、ゆくゆくはより性能の高い航空レーザーを導入するなど、DX社会の実現に向けた挑戦も視野に入れている。

事業者の声

人を大切にしなければ、会社は成り立ちません。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。