ものづくり補助金平成29年度学術研究、専門・技術サービス業青森県

3DレーザースキャナーとUAV(ドローン)による写真測量業務等の生産性向上および販路拡大

株式会社 舘建設コンサルタント

この事例のポイント

  • 受注割合が地元の地方公共団体に大きく偏っており、公共事業費の増減が直接売上に反映される状況だった。
  • マンパワーに依存しない生産性の高い手段として、地上型の3Dレーザースキャナー(トプコン製GLS-2000)を導入した。
  • 複数地点のデータをつなぎ合わせることで3D点群データが容易に作成でき、建設会社(i-Construction対応)、教育委員会(歴史的建造物や文化遺産等の3Dデータ保存)、その他…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 舘建設コンサルタント
所在地青森県 八戸市
業種技術サービス業
従業員数20人
資本金2,000万円
設立1980年

事業の背景

当社は1980年創業の測量・設計・補償・地質調査を主たる事業とする建設コンサルタント業で、業容拡大に取り組んできた。受注割合は地元の地方公共団体に大きく偏っており、公共事業費の増減が直接売上に反映される面がある。自社で空中写真測量に取り組んできたが、地形測量はマンパワーに依存した作業が多く、機材のままでは生産性向上が難しかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信受注割合が地元の地方公共団体に大きく偏っており、公共事業費の増減が直接売上に反映される状況だった。
  • 生産能力地形測量などは一般的な光波測距儀を使ったマンパワー依存の作業が多く、このままの機材では生産性向上が厳しい状況だった。
  • 品質・精度ドローンによる上空からの写真撮影では樹木があると地面が撮れず、樹木のない現場でしか活用できなかった。

やったこと

マンパワーに依存しない生産性の高い手段として、地上型の3Dレーザースキャナー(トプコン製GLS-2000)を導入した。高密度3D点群データ計測により、数ミリ単位で3次元計測できる。複数の地点から観測したデータをつなぎ合わせて3D点群データを作成し、ドローンによる写真測量データと合わせて1つのデータとした。点群データはCADデータに変換して断面図や横断図を画面上にすぐ表示でき、橋梁点検・補修では図面が残っていない古い橋の形状を3Dで把握できるようにした。すべての点がXYZの座標値を持つため、2点間の距離などを自由に計測でき、トンネルも縦に切った立体的な形で確認できた。

検査測定3Dレーザースキャナー(トプコン製GLS-2000)

事業の効果

複数地点のデータをつなぎ合わせることで3D点群データが容易に作成でき、建設会社(i-Construction対応)、教育委員会(歴史的建造物や文化遺産等の3Dデータ保存)、その他民間企業などでの活用が十分可能と分かった。従来は人力で一点ずつ測っていた計測が自動で出力されるようになり、断面図や横断図もすぐ表示できるため、省力化と生産性向上につながった。今後はリーフレットを持参した既存顧客への営業強化、ホームページやSNSでの発信により受注機会の増加を図る。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に自社でドローンを先行購入し写真測量に取り組んできた経緯が書かれ、今回の3Dレーザースキャナー導入はその延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    受注が地元自治体に偏り公共事業費に左右されると述べ、マンパワー依存の作業を課題とするが、市場動向の具体的数値は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    マンパワー依存と樹木によるUAV測量の限界を課題と明示し、3Dレーザースキャナーの導入で数ミリ単位の計測と横断図の自動作成を実現するとしている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    省力化・生産性向上とは述べられているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    専務が自社で先行投資を行い測量に取り組んできたこと、技術部門の一人一人が営業意識を持つとの記述がある。人員数や事務体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    建設会社のi-Construction対応、教育委員会の文化財データ保存などターゲットと用途が具体的に挙げられている。

  • 事業化までの道筋3

    リーフレット持参の営業、ホームページやSNSでの発信、既存顧客の深耕と新規開拓という方策が示されているが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    地上型3Dレーザースキャナーとドローン写真測量の組み合わせという説明はあるが、普及度や高付加価値化の水準は明示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    橋梁やトンネルの点検・補修、文化遺産の3Dデータ保存など社会的な用途が挙げられているが、雇用や波及効果の数字はない。

  • 費用対効果2

    人力で一点一点測っていた作業が自動で出るようになったと述べるが、投資額や付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dレーザースキャナーとドローン写真データを統合し、CAD変換で立体データ化する先端的な活用が書かれている。地域やサプライチェーンへの貢献は限定的である。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    八戸市の地元自治体が主な受注先であり、地域の測量需要に根ざした事業であることがうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

寺院、歴史的建造物、埋蔵文化財などを3次元の立体データで測定して保存しておけば、将来にわたり高精度で形状を保存できるため、利用範囲は今後さらに広がると見込んでいる。技術部門の一人一人が営業の意識を持ち、既存顧客への理解浸透と新規顧客の掘り起こしにより、顧客拡大を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。