吟醸酒の高品質化、安定生産を可能にする工程設計と試作開発
市販吟醸酒の醸造から瓶詰・貯蔵までの工程に、全国新酒鑑評会出品の大吟醸酒の技術的要件を応用する形で設備を導入した。
下津醤油株式会社
成果充填・圧搾作業時間 230分→199分
| 事業者名 | 下津醤油株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 三重県 三重県津市 |
| 業種 | 食料品製造業 |
| 技術分野 | 製造環境 |
| 従業員数 | 20人 |
| 資本金 | 1,000万円 |
当社は地元原料を用いた麹づくりから行う高付加価値醤油や醸造技術による調味液を製造している。取引先の要望に応じたオリジナル調味液やたれの開発でも評価を得ている。自社製品の製造工程で最も重要で熟練が求められるのは圧搾工程(諸味を搾る工程)であり、作業する者によって収率が異なる。
抱えていた課題
やったこと
諸味の自動充填装置を導入し、従来の一点への充填とへらを使った手作業の均し作業を置き換えた。諸味自動充填により充填ノズルからの飛び散りを抑え、作業空間を清潔に保てるようにした。諸味加温装置を導入し、圧搾前に屋外タンクで諸味を加温する作業を不要にして、諸味熟成を最終まで低温で行えるようにした。加温に用いる温水の蒸気使用量を削減するとともに、加温期間のうちB期間をなくしてA期間のみとし、年間を通じて安定した加温を行えるようにした。
| 加工機 | 諸味自動充填装置 |
|---|---|
| その他 | 諸味加温装置 |
諸味の自動充填により作業時間が短縮され、一般作業員でも平均3時間19分で充填・圧搾作業を完了できるようになった。ろ布の破れが減少し、丸大豆醤油では圧搾率が1.4%、伊勢醤油では0.8%向上した。圧搾スキルの取得期間も半日程度の研修で済むようになり、熟練工程が標準化されて熟練工の高齢化への対応策ができた。
いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています
圧搾工程が自社製品の最重要・熟練工程と位置づけられ、標準化を図る取組みとして一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置づけの記載は薄い。
高付加価値醤油や対応力での評価、全国品評会での上位賞受賞がうかがえるが、市場動向や競争優位との関係の記述は乏しい。
熟練工の高齢化や収率の不安定さという課題を示し、作業時間3時間50分から3時間19分、圧搾率1.4%向上などの数値で成果を示している。
作業時間の目標3時間10分に対し実績3時間19分、圧搾率向上の目標に対する実績が数値で示されており、目標の達成度が具体的に読み取れる。
製造部の作業員が半日の研修でスキル取得できたと記載があるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は読み取れない。
顧客ターゲットや選ばれる理由は、大手需要家との取引開始や販路拡大の見込みとして書かれているが、ニーズの裏付けは薄い。
3年内に新たな圧搾スキル取得者を育てる計画やB期間の解消など、今後の展開は書かれているがスケジュールの詳細は薄い。
公開されている事例からは読み取れません。
丸大豆醤油などの高付加価値醤油を扱う点は読み取れるが、市場での普及度や高価格化の具体的数値は示されていない。
地元原料を用いた製造という特色が示される程度で、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は記載がない。
作業時間の短縮や圧搾率向上、ろ布破れ削減など複数の数値的効果が示され、費用対効果を推測できる記載がある。
自動充填装置など設備導入による工程改善は読み取れるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献の記述はほぼない。
公開されている事例からは読み取れません。
地元原料を用いた醸造という地域特性はうかがえるが、地域の雇用や経済成長への牽引効果は書かれていない。
5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。
工程改善による品質向上や作業時間短縮により、従来取引が叶わなかった大手需要家との取引開始や販路拡大を見込んでいる。3年以内に新たな圧搾スキル取得者を育て、現作業者は圧搾工程以外のスキルも身につけられるよう人材育成を図っていく。
市販吟醸酒の醸造から瓶詰・貯蔵までの工程に、全国新酒鑑評会出品の大吟醸酒の技術的要件を応用する形で設備を導入した。
株式会社キーエンスの画像寸法測定器IM-6700を導入し、技術担当者から操作方法の訓練を受けた。
効果:測定時間 5分→0.004分
温水加熱ニーダー等3機種を導入し、製品の湯煎殺菌とどぶ漬け殺菌の方法を新たな独自の殺菌方法に変更した。
効果:ボイラー燃料費(年間) 256万円→84.9万円