ものづくり補助金平成27年度製造業三重県

最新式フリッカー補償装置導入による生産増大と品質向上及びコスト削減計画

三重重工業株式会社

成果細目タイプの生産性 1倍→2倍

この事例のポイント

  • 細目タイプのグレーチングは格子の目が細かく圧着箇所が多いため、フリッカ抑制のために負荷電流を制限する必要があり、1度の工程で圧着できるサイズは並目タイプの半分しか加工できなかった。
  • フリッカ補償装置を、インバーター方式のアクティブフィルタを用いた新しい電圧降下対策装置に更新した。
  • 細目タイプの生産性 1倍→2倍。細目タイプのグレーチングを1度の工程で幅1,000mmまで圧着できるようになり、同タイプの生産性が約2倍になった。

事業者のプロフィール

事業者名三重重工業株式会社
所在地三重県 三重県員弁郡東員町
業種金属製品製造業
技術分野接合・実装
従業員数175人
資本金9,500万円

事業の背景

当社の主力製品はグレーチングで、鋼材を格子状に圧着加工した排水性に優れた製品であり、主に道路の側溝等に使用されている。近年は歩行者エリア等で細目タイプの採用が増えている一方、グレーチング製品の標準化やアジアを中心とする海外製品の参入により業界全体が厳しいコスト競争に晒されている。当社は同一敷地内にある溶融亜鉛めっき工場を使った一貫生産により品質と生産性の高さを強みとしてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力細目タイプのグレーチングは格子の目が細かく圧着箇所が多いため、フリッカ抑制のために負荷電流を制限する必要があり、1度の工程で圧着できるサイズは並目タイプの半分しか加工できなかった。
  • コスト・採算従来の電圧降下対策設備は大型のリアクトルとユニバールを併用していたため発熱による電力ロスが大きく、圧着加工時間も約8.0秒と長かった。
  • 品質・精度圧着工程で生じる電圧変動により圧着不良が約1.96%発生しており、他部署の設備機器の加工条件や加工精度にも影響していた。

やったこと

フリッカ補償装置を、インバーター方式のアクティブフィルタを用いた新しい電圧降下対策装置に更新した。新装置はトランス等を小型化して発熱による電力ロスを小さくし、応答速度が速いため電圧変動を早く安定させる仕様である。目標として細目タイプで6,000mm×1,000mmのサイズを1度の工程で製作できること、圧着時間を8.0秒から2.0秒に短縮すること、圧着不良率を約1.96%から0.29%に引き下げることを設定した。平成28年9月に新装置の搬入と据付を完了し、配線部品を設置して作動確認と微調整を行った。試運転ではフリッカを測定し、出力グラフの計測値のぶれ幅が小さくなっていることから電圧が安定していることを確認した。

  • その他アクティブフィルタインバーター方式の電圧降下対策装置

事業の効果

  • 細目タイプの生産性 1倍→2倍
  • 圧着時間 8秒→7.1秒
  • 圧着不良率 1.96%→0.29%

細目タイプのグレーチングを1度の工程で幅1,000mmまで圧着できるようになり、同タイプの生産性が約2倍になった。電圧が安定したことで圧着時間が短縮され、消費電力の低減にもつながった。圧着不良率も約1.96%から0.29%まで低減し、短納期で高品質な製品を供給できるようになり、付加価値の高い製品の供給が可能になった。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性同一敷地内のめっき工場による一貫生産という自社の強みを活かし、海外製品との価格競争に対抗する優位性が明確に示されている。
  • 4
    課題の認識と解決細目タイプは並目の半分のサイズしか加工できないという課題を特定し、一工程6m×1,000mmの生産を目標に設定している。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標圧着時間8.0秒から7.0秒、不良率1~2%から0.29%など数値目標を設定し、実績も約11%の時間短縮として確認されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用フリッカ発生に関する電力会社からの指導や地域環境への影響に触れているが、経済波及や雇用創出への言及は弱い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の並目グレーチング中心から細目への需要変化を踏まえ、既存の溶融亜鉛めっき一貫生産を活かす方向で、事業の継続性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    同一敷地内のめっき工場による一貫生産という自社の強みを活かし、海外製品との価格競争に対抗する優位性が明確に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    細目タイプは並目の半分のサイズしか加工できないという課題を特定し、一工程6m×1,000mmの生産を目標に設定している。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    圧着時間8.0秒から7.0秒、不良率1~2%から0.29%など数値目標を設定し、実績も約11%の時間短縮として確認されている。

  • 事業を進める体制3

    新装置の発注、据付、配線、作動確認、試運転までの工程を実施しており、事業を遂行する体制と手順が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    細目タイプの需要増加を歩行者エリアでの利用実態から説明し、ニーズの裏付けと顧客ターゲットが整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    フリッカ原因を圧着のパルセーション制御と特定し、対策として装置導入と微調整を行う流れが明確である。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    細目タイプは並目と比べて高付加価値の製品として位置づけられ、短納期で高品質な付加価値の高い製品供給を目指している。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    フリッカ発生に関する電力会社からの指導や地域環境への影響に触れているが、経済波及や雇用創出への言及は弱い。

  • 費用対効果3

    圧着時間の短縮や不良率の低減、生産性の約2倍化など数値的な効果が示され、費用対効果の見込みがある。

  • イノベーションへの貢献2

    インバーター方式のアクティブフィルタ導入に触れているが、地域やサプライチェーン全体への貢献は示されていない。

政策面判断できません
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

総合的な成果について精緻な定量評価・検証を行っており、分析完了後に他工場や圧着加工を用いる他の製品群への横展開を行う予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。