ものづくり補助金平成27年度製造業三重県

医療用(歯科用)リューター主軸の高硬度・極小内径の精密旋削加工技術の開発

高洋電機株式会社

成果内径寸法バラツキ 0.0045mm→0.003mm

この事例のポイント

  • 既存技術では内径寸法精度、同軸度、表面粗さの高精度化が達成できなかった。
  • 超高速スピンドルと機内ホーニングユニットを搭載した精密NC旋盤(ツガミ CO004 系)を導入した。
  • 内径寸法バラツキ 0.0045mm→0.003mm。高周速化と機内ホーニングにより、内径寸法精度、同軸度、表面粗さが図面規格内に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名高洋電機株式会社
所在地三重県 玉城町
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数121人
資本金5,000万円

事業の背景

医療用(歯科用)リューターに使用される主軸は、高硬度・高精度に加えて極小内径のため、従来技術では安定した切削加工が困難であった。台湾の医療機器アセンブリーメーカーからの製作依頼について、他社が精度・量産性を理由に辞退する中、当社はハードターニングをコア技術の一つとして試作トライを行い、製作可能と判断した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存技術では内径寸法精度、同軸度、表面粗さの高精度化が達成できなかった。
  • コスト・採算製造原価の約1/5を占める製作工具の命数が短く、工具費が負担となっていた。
  • 生産能力従来機ではスピンドル最高回転数5,000回転のため周速49.8m/minしか得られず、内径寸法精度のバラツキと内径表面粗さで規格外が発生していた。

やったこと

超高速スピンドルと機内ホーニングユニットを搭載した精密NC旋盤(ツガミ CO004 系)を導入した。高周速を可能とする高速スピンドルにより、内径ハードターニングの周速を80m/min以上とし、カタログ推奨を満たした。機内ホーニングユニットにより内径表面粗さRa0.2以下を確保した。仕上げ切削により内径のワンチャック加工を可能にし、内径ハードターニングと内径ホーニングの同軸加工を実現した。最適チップ材種を選定し、内径仕上げチップの命数を延ばした。

  • 加工機超高速スピンドルと機内ホーニングユニットを搭載した精密NC旋盤ツガミ CO004 系

新しい製品・サービス:医療用(歯科用)リューター主軸の高硬度・極小内径の精密旋削加工技術

事業の効果

  • 内径寸法バラツキ 0.0045mm→0.003mm
  • 同軸度 0.0041mm→0.002mm
  • 表面粗さRa 0.304μm→0.164μm
  • 既存設備で加工した試作品と比較して、ど倍の命数向上を実現

高周速化と機内ホーニングにより、内径寸法精度、同軸度、表面粗さが図面規格内に向上した。表面粗さの改善により内径ホーニングによる粗さ対策が不要となり、加工時間が短縮されて生産性が向上した。NC旋盤内での加工完結により加工精度向上と低コスト化が実現し、他社との比較優位性を構築できた。内径仕上げチップの命数も延長された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性他社が精度・量産性を理由に辞退する中で試作し製作可能と判断し、NC旋盤内で完結する加工で他社との比較優位性を構築したとしている。
  • 4
    課題の認識と解決内径寸法バラツキ0.0045から0.003、表面粗さRa0.304から0.164など課題を数値で特定し、高周速化で解決する計画になっている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け医療用リューター主軸の需要を背景に、低価格での供給が顧客要求であったことを踏まえ、受注実現を目指すと明記している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業者数121名や加工から組立までの対応は書かれているが、本事業を遂行する担当体制や人材については記述が薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の精密加工技術を基に、台湾メーカーからの製作依頼を契機に高精度化を進めた経緯が書かれ、事業との一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    他社が精度・量産性を理由に辞退する中で試作し製作可能と判断し、NC旋盤内で完結する加工で他社との比較優位性を構築したとしている。

  • 課題の認識と解決4

    内径寸法バラツキ0.0045から0.003、表面粗さRa0.304から0.164など課題を数値で特定し、高周速化で解決する計画になっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    表面粗さ目標0.150以下に対し実績0.164、命数目標1000個に対し実績1500個と、目標値の達成が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業者数121名や加工から組立までの対応は書かれているが、本事業を遂行する担当体制や人材については記述が薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療用リューター主軸の需要を背景に、低価格での供給が顧客要求であったことを踏まえ、受注実現を目指すと明記している。

  • 事業化までの道筋3

    課題ごとに解決方法を示し、今後は工業用リューター主軸部品への応用と販路拡大を予定していると書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    極小内径・高硬度の精密旋削を従来技術で安定できない領域で実現し、他社が辞退する中で高付加価値な加工を可能にしている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    顧客要求の低価格供給や受注実現が述べられているが、国が補助する経済波及や雇用創出の観点の記述は弱い。

  • 費用対効果3

    命数が1000個目標に対し1500個と延び、研磨工程が不要になり加工時間が短縮された点が費用対効果を示している。

  • イノベーションへの貢献2

    高周速スピンドルと機内ホーニングの搭載は技術革新だが、地域やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    三重県玉城町に所在する企業であることは書かれているが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用面の記述は薄い。

今後の展望

本事業の成果により低価格での供給を可能とし、受注の実現を目指す。工業用リューター主軸部品等の加工にも応用し、販路拡大により更なる収益性向上を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。