ものづくり補助金平成27年度製造業滋賀県

CAD/CAMと同時5軸複合加工機をリンクさせ、高度な加工と共に生産性を向上

株式会社TKS

成果加工の作業工程 2往復→1往復

この事例のポイント

  • 取引先からの3次元加工の依頼に高度な精密加工が含まれており、同時5軸加工技術を導入する必要に迫られていた。
  • 同時5軸加工機を導入し、技術の立ち上げを行った。
  • 加工の作業工程 2往復→1往復。工作機械のモニター上でツールパスの確認・修正やドライランができ、作業効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社TKS
所在地滋賀県 東近江市
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数13人
資本金1,000万円
設立1999年

事業の背景

株式会社TKSはセラミックスの高度な加工分野で、5軸加工機とCAD/CAMを所有し、切削による3次元加工でセラミックス製品を生産している。取引先からの依頼には高度な精密加工が含まれていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能取引先からの3次元加工の依頼に高度な精密加工が含まれており、同時5軸加工技術を導入する必要に迫られていた。
  • コスト・採算同時5軸加工で短縮できる案件が多くあり、加工時間の効率化が課題であった。
  • 品質・精度複雑な形状の加工は部分ごとにプログラムを作り、不具合があるとCAD/CAMへ戻って修正を繰り返していた。

やったこと

同時5軸加工機を導入し、技術の立ち上げを行った。装置はヤマザキマザック製を選定し、既設の自動工作機械と同一メーカーとして作業員教育を早めた。工場内の事務所とミーティングルームの壁を取り払って設置場所を確保し、電源工事を施工した。CAD/CAMで設定したツールパスを加工機の言語に翻訳するポストプロセッサをJBMに委託して製作し、CAD/CAMと加工機をリンクさせた。2016年6月3日から11月30日の期間に加工テストを試作1〜3まで実施し、複雑形状の加工と短時間加工を確認した。

加工機同時5軸加工機(ヤマザキマザック製)
ソフトCAD/CAMとの連携用ポストプロセッサ

新しい製品・サービス:セラミックスジュエリーブランドAKEFIの新作に、同時5軸加工を活用した新デザインの商品。

事業の効果

  • 加工の作業工程 2往復→1往復

工作機械のモニター上でツールパスの確認・修正やドライランができ、作業効率が向上した。複雑形状も同時5軸で一度に全加工できるようになり、修正も容易になった。CAD/CAMと加工機の往復が不要となった。今後は大手を含む顧客の依頼に対し加工精度向上と時間短縮が可能となり、顧客満足度の向上に貢献すると見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のセラミック3次元加工に同時5軸加工を加え生産能力を強化した経緯は読めるが、経営戦略上の位置づけは「重要な事業の一つ」程度で具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他社に先駆けて導入し同時5軸加工のニーズが高まっていると述べるが、市場規模や自社の強みの数値的裏付けはない。

  • 課題の認識と解決4

    加工時間の効率化と精密化という課題を挙げ、CAD/CAM連携で修正の往復が1往復になったと具体的に成果を示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    加工時間の「飛躍的な短縮」とあるが、短縮率や付加価値額、賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    総責任者・CAD/CAM責任者・工作機械責任者・経理責任者の4名体制と、メーカーの技術支援を明記している。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客の依頼に対し高精度な加工を提供できる点や装飾品への応用が書かれるが、ターゲットやニーズの定量的裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋4

    期間を2016年6月から11月と示し、体制、導入、ポストプロセッサ委託、加工テストの順序と今後の技術課題を整理している。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    セラミックスの同時5軸加工を他社に先駆けて導入したと述べるが、普及度や高付加価値化の数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    今後多くの金属部品がセラミック部品へ移行する傾向があると述べるが、国が補助する理由としての波及効果や雇用創出は書かれていない。

  • 費用対効果2

    加工時間の短縮と修正作業の効率化は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD/CAMと工作機械のリンクによるデジタル活用は具体的だが、地域やサプライチェーンへの貢献は述べられていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    セラミック加工という分野への進出は読めるが、日本経済の構造転換に資する根拠は示されていない。

  • 地域経済への波及3

    滋賀県東近江市の事業者であることは分かるが、地域特性を活かした雇用創出や成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は展示会出展等により需要の掘り起こしを行い、セラミックスの同時5軸加工を重要な事業の一つにしていく。金属部品からセラミックス部品への移行の傾向を背景に、シェア獲得を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。