ものづくり補助金平成27年度製造業三重県

ワイヤ放電加工機とマシニングセンタの組み合わせによる加工の高度化

株式会社平山鉄工

成果加工精度 0.05mm→0.01mm

この事例のポイント

  • マシニングセンターでの加工熱により歪や反りが生じ、加工精度は±0.05mmにとどまっていた。
  • ワイヤー放電加工機を導入し、既設のマシニングセンターと組み合わせて使用した。
  • 加工精度 0.05mm→0.01mm。加工精度が±0.05mmから±0.01mmに向上し、熱による歪や反りが大幅に抑えられた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社平山鉄工
所在地三重県 四日市市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数5人
資本金300万円
設立1990年

事業の背景

同社は自動車のマフラーやドアなど量産品部品メーカーの生産ライン専用機の金属部品を製造している。図面に基づく精度の高い一品ものを製作しており、部品量産メーカーから常に高い精度と短納期が求められている。金属加工に関わる企業同士のネットワークを築いており、発注先から図面を受ければ最終製品まで一括で加工できる体制を持つ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度マシニングセンターでの加工熱により歪や反りが生じ、加工精度は±0.05mmにとどまっていた。
  • 生産能力マシニングセンターのみの加工では1部品あたり4.5時間を要し、部品量産メーカーからの短納期要請に応えにくかった。
  • その他加工の一部を外注に出しており、内製化できていなかった。

やったこと

ワイヤー放電加工機を導入し、既設のマシニングセンターと組み合わせて使用した。直線加工はワイヤー放電加工機、3次元加工はマシニングセンターと、加工形状によって使い分けた。これにより歪や反りの無い加工を実現し、高精度・短納期で幅広い部品を加工できるようにした。熱による歪を抑えることで加工精度を±0.05mmから±0.01mmに高めた。

加工機ワイヤー放電加工機

事業の効果

  • 加工精度 0.05mm→0.01mm
  • リードタイム(基準品の加工) 4.5時間→3時間

加工精度が±0.05mmから±0.01mmに向上し、熱による歪や反りが大幅に抑えられた。ワイヤー放電加工機との併用により、基準品の加工時間は約20%短縮された。治具の製造や複数素材の一括加工、段取り時間と時間外労働の削減により、マシニングセンターのみの加工に比べて生産原価を30%程度低減できた。外注していた加工の内製化も期待でき、取引先からの新しい加工発注も増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    同社は金属加工の強み(グループ連携、マシニングセンター保有)を背景に、ワイヤー放電加工機導入を位置付けているが、経営戦略上の明確な位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    量産部品メーカーから高精度・短納期を求められ、加工精度±0.05mmを±0.01mmへ改善する目標と、加工時間の短縮を組み合わせて競争力を示している。

  • 課題の認識と解決5

    課題は歪・反りと加工時間で、加工精度±0.05mmから±0.01mm、リードタイム4.5時間から3時間、生産原価30%低下など数値目標で解決策が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工精度、リードタイム(20%程度短縮)、コスト(30%低下)の目標値が数値で示され、導入機械による具体的な裏付けもある。

  • 事業を進める体制3

    従業員5人で金属加工グループとの協力体制や他社機械の見学を行ったと書かれているが、人材や事務処理能力の具体的な確保策は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    自動車マフラー・ドア等の量産部品メーカー向けに高精度・短納期で加工する点は読み取れるが、ターゲットの選ばれる理由の整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    将来的にEV向けバッテリーカバー部品加工への対応や体制整備が必要と示されているが、スケジュールや課題解決方法は具体的ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ワイヤー放電加工とマシニングセンターの組み合わせで、同分野で高精度化を図る点はうかがえるが、普及度や高付加価値化の水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    金属加工グループのネットワークや将来のEV部品加工への対応などの波及効果が書かれているが、国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果4

    導入による加工時間短縮(20%程度)や生産原価30%低下という数値があり、費用対効果の一端が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    先端的デジタル技術の活用は書かれていないが、金属加工グループの連携による一括受注の仕組みがうかがえる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    EV化に対応する部品加工への進出が将来的に示されているが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    地域の金属加工事業者ネットワークを活かし、一式受注一括加工を目指す点は読み取れるが、雇用や地域成長への効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

将来はガソリン車から電気自動車への移行に対応し、バッテリーカバーなどの生産ラインの金属部品加工に応えられる体制整備が必要である。単品加工から一式受注一括加工へ進み、相互に協力し合える仲間づくりとグループ構築を進めたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。