ものづくり補助金平成27年度製造業京都府

手帳製造ラインにおけるボトルネック解消及び新商品開発事業

河北印刷株式会社

成果折り工程の台数 1台→2台

この事例のポイント

  • 折り工程が機械1台しかなく、折りスピードも遅く熟練者が段取りに時間を要するため生産量を増やせず、失注や外注加工が発生している。
  • ホリゾン製菊全判クロス折機を導入し、折り工程を2台体制とした。
  • 折り工程の台数 1台→2台。折り工程を2台体制にしたことで、失注していた受注を取り込み、外注の内製化により直近の売上増加とコスト削減を見込む。

事業者のプロフィール

事業者名河北印刷株式会社
所在地京都府 京都市
業種印刷・同関連業
技術分野デザイン,精密加工
従業員数72人
資本金5,000万円
設立1949年

事業の背景

河北印刷は企画から出荷まで自社で一貫対応し、年史などの上製本で自治体や大手企業から高い評価を得ている。主力製品の一つは法人・自治体・団体・大学向けの手帳で、9月から12月が繁忙期、1月から8月が閑散期となる。国内の手帳市場は1億冊と推定され、アナログ回帰の傾向もあり受注を増やす余地があるとされる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力折り工程が機械1台しかなく、折りスピードも遅く熟練者が段取りに時間を要するため生産量を増やせず、失注や外注加工が発生している。
  • 生産能力製本折り工程がボトルネックとなり生産能力に余裕がない。
  • 新製品・新技術手帳の繁閑差(閑散期の売上不足)を解消するため、閑散期に売上を伸ばす新商品の開発が必要である。

やったこと

ホリゾン製菊全判クロス折機を導入し、折り工程を2台体制とした。新規の折機はセットアップ時間が短く小ロット対応に強く、大ロットの場合は同一案件を2台で稼働できる。ホリゾン製全自動4クランプ無線綴機とホリゾン製オンデマンドトリマー三方断裁機を導入し、印刷から三方断裁までの一貫工程を作った。無線綴機はPUR製本に対応し、ページの開きや耐久性・耐熱性の改善を狙う。「京はんなり帖」を進化させた「京はんなり帖プラス」と「京風御朱印帳」の開発を進め、西陣織などの素材を用いた試作品を作成した。PURの生産技術は量産移行時のトラブルを防ぐため蓄積を進めている。

加工機ホリゾン製菊全判クロス折機
加工機ホリゾン製全自動4クランプ無線綴機
加工機ホリゾン製オンデマンドトリマー三方断裁機

新しい製品・サービス:「京はんなり帖プラス」と「京風御朱印帳」。西陣織などの伝統素材と製本技術を組み合わせ、顧客ニーズに合わせてカスタマイズ可能な商品。

事業の効果

  • 折り工程の台数 1台→2台

折り工程を2台体制にしたことで、失注していた受注を取り込み、外注の内製化により直近の売上増加とコスト削減を見込む。小ロット対応が可能になり、中堅企業や社団法人への販路も広がる。無線綴機と三方断裁機により印刷から断裁までの一貫工程が生まれ、コスト低減・小ロット対応・短納期化を実現する。新商品の商品化により閑散期の売上拡大と繁閑差の解消を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    100年以上の印刷・製本技術と手帳の主力化を挙げ、製本強化と新商品開発を経営課題として位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内手帳市場1億冊、アナログ回帰、上製本の品質評価など外部環境と自社の強みを挙げ、競争優位を説明している。

  • 課題の認識と解決4

    折り工程のボトルネックと繁閑差(9〜12月繁忙、1〜8月閑散)を課題として認識し、折機・無線綴機の導入と新商品で解決を図る。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産性向上や売上拡大を目指すと記すが、具体的な目標値や増加率は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    全工程を自社で一貫対応できる体制や新商品開発委員会(8名)は書かれているが、事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    京はんなり帖の西陣織や職人の表紙貼りなど、顧客ニーズとカスタマイズ可能な価値が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    PUR製本の生産技術確立を当面の課題とし、量産移行時の対応を述べるが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    西陣織を使った京はんなり帖など、一般的でない高付加価値の手帳・御朱印帳を高水準の価値で開発している。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    伝統技能の継承や地域素材の活用がわずかにうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述は明確でない。

  • 費用対効果2

    外注の内製化による売上増とコスト削減に触れるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル印刷とオンデマンド技術の融合に触れるが、サプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    京都の伝統素材・西陣織を活かした商品と京都の拠点が示されるが、地域経済成長への寄与は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

オンリーワン企業を目指し、お客さま個々のニーズに合った商品を短納期・低コスト・高品質で提供する。既存商品の拡販や新規顧客獲得も進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。