ものづくり補助金平成27年度製造業京都府

自転車用チタンフレームのハンドメイドビルダーからメーカーへの飛躍

成果受注から納品までの期間(チタンフレーム) 6カ月→2カ月

この事例のポイント

  • NC加工設備を持たないため、自転車のパーツ製造や新製品の開発ができない。
  • 3軸による複雑形状の加工が可能な立形マシニングセンタを導入し、チタンの切削加工を内製化した。
  • 受注から納品までの期間(チタンフレーム) 6カ月→2カ月。切削工程の内製化により、受注から納品までの期間が大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

所在地京都府 与謝野町
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数3人
設立2011年

事業の背景

当社はチタン合金製自転車「OGRE」を自ら製造し、国内外の展示会出展やプロレーサーへの提供で高い評価を得ている。チタンは強く軽く錆びにくいが加工が難しく、チタン自転車の完成体を製造しているのは国内で3社ほどである。国内の自転車保有台数は上昇傾向で、健康志向からスポーツタイプの国内販売台数も近年大きく伸びており、市場は拡大基調にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力NC加工設備を持たないため、自転車のパーツ製造や新製品の開発ができない。
  • 納期・工程切削工程を外注しており、一品物が多いため外注先の設備に余剰がないと加工が進まず、フレーム部分でも外注依頼から納品まで2カ月以上かかっていた。
  • 納期・工程外注を2社以上に分割して依頼すると、組立ての際に微妙な段差が出るなどの問題が生じていた。
  • 新製品・新技術切削工程を必要とするペダル等の試作品や量産物の依頼を受けられず、受注の機会を失っていた。

やったこと

3軸による複雑形状の加工が可能な立形マシニングセンタを導入し、チタンの切削加工を内製化した。導入時、チタン切削の経験者はおらず、CAMデータの作成知識も乏しかったため、失敗を重ねながら加工技術を習得した。京都府織物・機械金属振興センターや近畿職業能力開発大学校京都校を活用して支援を得て、共同研究の機会も得た。稼働時間中に他の作業も行え、夜間稼動も可能なため、従業員1人当たりの生産性が大きく向上した。またコーヒー焙煎機の開発にも取り組み、遠赤外線で豆の香りと旨みを引き出すセラミック遠赤外線コーヒー焙煎機(特許出願中)を完成させた。

加工機立形マシニングセンタ

新しい製品・サービス:セラミック遠赤外線コーヒー焙煎機(特許出願中)。「京都 YOSANO ROASTER」ブランドで展開。

事業の効果

  • 受注から納品までの期間(チタンフレーム) 6カ月→2カ月

切削工程の内製化により、受注から納品までの期間が大幅に短縮された。チタンフレームは最低6カ月を要していたが約2カ月で加工できるようになった。自社でデザインから最終製品まで管理できるため、品質・コスト・納期の管理が容易になり信頼性も向上した。外注先との打ち合わせ時間を削減し、納期のばらつきを気にする必要もなくなった。従業員1人当たりの生産性も向上し、新たな雇用創出と地域貢献につなげていく考えである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成23年創業の自転車製造から、コーヒー焙煎機など自社ブランド拡大へ展開した経緯が書かれ、一貫性はうかがえるが経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内最高水準の溶接技術や京都府現代の名工の代表、チタン加工の希少性(完成体を製造できる会社は3社ほど)など自社の強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    NC加工設備がないため外注で納期が2カ月以上かかり機会損失が生じていたという課題を示し、立形マシニングセンタ導入で内製化する解決策が書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    納期短縮(最低6カ月が約2カ月)は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員3人で、切削経験のない従業員が公的機関の支援を得て習得したと書かれるが、体制や事務処理能力の具体的記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    チタン自転車の市場拡大やプロ選手からの試作依頼など需要の背景は書かれるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    試作・習得の過程は書かれるが、中長期の検証や遂行スケジュールについての記載はわずかにうかがえる程度である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    チタン自転車は完全オーダーできるのは当社のみと書かれ、同分野で高水準の高付加価値化を図る取組として読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域への貢献や新たな雇用創出の意図が示されるが、経済波及効果など国が補助する積極的理由の数値的裏付けはない。

  • 費用対効果3

    納期短縮や生産性向上が示されるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    遠赤外線やチタンを活用した新製品開発は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    京都府与謝野町の地域名を冠したブランド展開や地域への雇用創出・貢献が書かれるが、地域成長への定量的な牽引効果は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も最高レベルのチタン溶接・加工技術を活用し、唯一無二のものづくりに取り組む。コーヒー焙煎機を「京都 YOSANO ROASTER」ブランドで展開し、従業員の技術承継と成長を支援して新たな雇用を創出し、地域貢献を図る。

  • 目標:外注に依頼してから納期まで2カ月以上の期間が必要だった

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。