ものづくり補助金平成27年度製造業京都府

小ロット伝票にパーソナライズ印刷を応用するためのカラーオンデマンド印刷機の導入

三景印刷株式会社

成果伝票の製作日数 4日→1日

この事例のポイント

  • 発注企業の減少や紙メディアの減少により発注量と発注単価が低下していた。
  • パーソナライズ印刷を応用するためのカラーオンデマンド印刷機を導入した。
  • 伝票の製作日数 4日→1日。冊子に加えて伝票も小ロット・短納期・低価格・高品質で対応できるようになり、全国からネット経由の受注が増えた。

事業者のプロフィール

事業者名三景印刷株式会社
所在地京都府 与謝郡与謝野町
業種印刷・同関連業
従業員数8人
資本金1億円
設立1961年

事業の背景

当社は与謝野町で唯一の印刷機を持つ総合印刷事業者で、過去は地元丹後地方の企業や団体向けの印刷物が中心だった。紙メディアの減少や景気低迷により発注量・発注単価ともに低下した。2014年に印刷通販へ参入し、翌年にはものづくり補助金で小冊子のオンデマンド化に取り組んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑発注企業の減少や紙メディアの減少により発注量と発注単価が低下していた。
  • 販路・情報発信地元中心の受注だったため、全国からの受注を得る販路が必要だった。
  • 生産能力従来の活版印刷機やオフセット印刷機では小ロット伝票の対応力に限界があった。
  • 納期・工程伝票は印刷と丁合製本の工程を分けて回すため、印刷から仕上げまで4日を要していた。
  • コスト・採算伝票の製作を外注に出すと納品まで約1週間かかり、コスト面でも不利だった。

やったこと

パーソナライズ印刷を応用するためのカラーオンデマンド印刷機を導入した。デジタルデータを直接用紙に印刷できるため、伝票を1冊単位から小ロットで製作できるようになった。版や色替えの工程が不要になり、新印刷機により印刷から丁合製本までを1日で終えられるようになった。導入したすべての印刷機は同一メーカーで揃え、工程の連結やメンテナンスの品質向上につなげた。ミシン目入れや減感加工は熟練職人が既存の機械と組み合わせて対応している。

加工機カラーオンデマンド印刷機

新しい製品・サービス:パーソナライズ印刷を応用した小ロット伝票

事業の効果

  • 伝票の製作日数 4日→1日
  • 納品までの日数 7日→3日

冊子に加えて伝票も小ロット・短納期・低価格・高品質で対応できるようになり、全国からネット経由の受注が増えた。版や色替えが不要になって紙の無駄が減り、コストが大きく下がった。短時間・低コストで製作できるようになり、顧客企業のマーケティング力向上にも貢献して喜ばれている。今後はクーポンや家族のアルバム、自分史などの小ロット新用途を開拓し、需要の拡大を図る。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性100%
  • これまでの取組との一貫性5

    昭和36年創業で、平成26年に印刷通販へ参入し、翌年のものづくり補助金で小冊子オンデマンド化へ舵を切った一貫した流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性5

    田舎立地による工場維持費の安さや大量購入した用紙の在庫が、都会の同業他社に対するコスト優位性になっていると具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    伝票製作の日数を4日から1日に短縮する課題と解決策が、工程ごとの日数とともに具体的に示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工程日数の短縮は示されるが、付加価値額や賃上げについての目標値は記載がなく、実現可能性は判断できない。

  • 事業を進める体制4

    社内で全工程を一貫製作する体制や、熟練職人の合わせ技を活かす体制が示されているが、人員計画や事務体制の詳細は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    中小の飲食業・小売業に伝票の根強い需要があり、小ロット・短納期・低価格・高品質が選ばれる理由として整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    ネット広告やSEO、家族のアルバム等の新用途開発が今後の課題として挙げられているが、スケジュールや遂行方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    パーソナライズ印刷は取り組みが進む分野と説明されるが、高価格化や高水準の付加価値化を示す数字や記述は少ない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    与謝野町で唯一の印刷事業者という地域的な位置づけはうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の記載はない。

  • 費用対効果3

    印刷工程の削減やコストが大きく下がったとの記述はあるが、投資額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    デジタルデータを直接印刷するオンデマンド方式と、ネット印刷通販の拡大が示されるが、地域やサプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    紙メディア減少からネット通販とオンデマンド印刷への転換が示され、構造転換に通じる動きがうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    田舎の立地がコスト面の利点になったと述べられ、地域特性の活用はうかがえるが、雇用創出や地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後DX化の時代の到来とともに、ネットによる印刷通販はさらにウエイトを増していくと見込む。全国のより多くの顧客に知ってもらうため、広告やSEO対策を進める。

事業者の声

全国のより多くの皆様に当社を知っていただきご利用いただくことが今後の課題です。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。