ものづくり補助金平成27年度製造業大阪府

高品質な畳を低コストで提供

タバタ 株式会社

成果穴あけ工程の時間 1倍→0.0667倍

この事例のポイント

  • 畳は20年前と比較して3分の1の需要になっており、厳しい市場環境で廃業や事業を縮小する畳業者も多い。
  • 介護用途の畳と「柔道部物語」という柔道競技用途の畳を量産できる設備を導入した。
  • 穴あけ工程の時間 1倍→0.0667倍。穴あけ工程とパターン印字工程の全自動化を達成し、介護・柔道競技用途畳の製造コストを約40%削減した。

事業者のプロフィール

事業者名タバタ 株式会社
所在地大阪府 堺市
業種その他の製造業
技術分野機械制御,製造環境
従業員数28人
資本金1億円
設立1957年

事業の背景

同社は昭和32年に創業し、平成3年に株式会社として設立された。販売先の約80%はハウスメーカーや工務店、リフォーム会社、建築材料関係の卸業者で、約150社と取引している。残り約20%はホームページや口コミによる一般の顧客で、住宅や宿泊施設、学校施設などのリフォーム需要が中心である。畳の需要は全日本畳工業組合の調査によると年間約1,200万畳で、そのうち人工畳の需要は160万畳である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑畳は20年前と比較して3分の1の需要になっており、厳しい市場環境で廃業や事業を縮小する畳業者も多い。
  • コスト・採算介護・柔道競技用途の畳を量産するには、表面のパターン印字を深くするとプレス加工に通常の畳の6倍の時間を要し、裏面の穴あけも職人が電動ドリルで1つずつ行うため膨大な時間がかかっていた。
  • 人手・技能手作業に頼る部分が多かった工程に専用の設備が必要だった。

やったこと

介護用途の畳と「柔道部物語」という柔道競技用途の畳を量産できる設備を導入した。表面は一定の摩擦係数を持たせるため、塩ビ樹脂シートへのパターン印字を通常の畳よりも深くし滑りにくくした。裏面には多数の穴を空けて衝撃を吸収する効果を持たせた。表面に深い溝を作成できる専用の金型と、裏面に穴を空ける特注の機械を導入した。

金型表面に深い溝を作成できる専用の金型
加工機裏面に穴を空ける特注の機械

新しい製品・サービス:介護用途の畳および「柔道部物語」という柔道競技用途の畳

事業の効果

  • 穴あけ工程の時間 1倍→0.0667倍
  • パターン印字の時間 1倍→0.1667倍
  • 製造コスト 100%→60%

穴あけ工程とパターン印字工程の全自動化を達成し、介護・柔道競技用途畳の製造コストを約40%削減した。短納期で高品質かつ低コストの介護・柔道競技用途畳を製造できる体制が整った。低価格で生徒がダメージを受けにくい「柔道部物語」を公立学校に提案できるようになった。天然イ草の代替として安定供給できる人工畳を提供できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の畳製造を背景に、介護・柔道競技用途の畳を新規に量産する方向性が書かれているが、経営戦略上の位置付けは詳しく述べられていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    畳の需要が20年前の3分の1と減る中、ハウスメーカー約80%取引など自社の販売網を踏まえ、介護施設や学校向けに拡販する優位性が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    畳需要が3分の1に減少している課題に対し、人工畳の量産で低コスト化し介護施設や学校へ拡販する計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    穴あけ工程が15分の1、パターン印字が6分の1に縮減、製造コスト約40%カットという数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員28名や畳製造ライン3セットは書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    介護・柔道競技用途、中学校の武道必修化、柔道場がない学校の需要など、顧客ターゲットとニーズの裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の戦略としてふすま・障子の開発やハウスメーカーへの提案強化が書かれているが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    天然イ草の代替となる人工畳や抗菌加工の介護・柔道用畳を開発し、高付加価値化を図る点が具体的に示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    日本文化を象徴する畳の維持や、天然イ草の生産者減少への安定供給という社会的意義は書かれているが、国が補助する理由の定量的根拠は薄い。

  • 費用対効果4

    約40%の製造コストカットや穴あけ工程15分の1など、設備投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    専用金型や特注穴あけ機の導入は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    八代の契約農場や堺市の拠点に触れているが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はふすまや障子の開発も進め、ハウスメーカーへの提案活動を強化しながら全国展開を図る。使用用途、使用施設、利用者に合わせた高性能な人工畳の開発を進める。

事業者の声

新しい商品を開発することで、従業員に夢を与えることができます。補助事業の成果を生かしながら、高品質な畳の開発を通して、畳そのものの位置付けも上げていきたいと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。