ものづくり補助金平成27年度製造業大阪府

最新加工機を導入し、新たに金型製造事業に乗り出す

有限会社丸甚製作所

成果納期 14日→6日

この事例のポイント

  • 以前は近くの金型業者に金型の製作を依頼していたが、後継者難などを理由に廃業され、周辺には業者が1社しか残っていなかった。
  • 自社での金型製造に必要なワイヤ放電加工機を導入した。
  • 納期 14日→6日。ワイヤ放電加工機の導入により、自社で金型を製作できるようになり、納期が大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社丸甚製作所
所在地大阪府 大阪府阪南市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数15人
資本金500万円

事業の背景

主に住宅や建材、機械向けに金属部品を供給し、溶接、鋼板の打ち抜き、プレス、カシメ、穴あけなどの加工技術を持つ。これまでは顧客から金型を支給してもらい部品製造を請け負ってきた。金型は顧客の資産となるため、メンテナンスには顧客の了解が必要だった。金型の製作には月間約150セットを使用していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程以前は近くの金型業者に金型の製作を依頼していたが、後継者難などを理由に廃業され、周辺には業者が1社しか残っていなかった。
  • 納期・工程遠方の業者に外注すると納期が延びて受注にも影響するため、金型を自社で製作する必要があった。
  • 納期・工程金型の製作から修正作業までに1ヵ月以上を要していた。

やったこと

自社での金型製造に必要なワイヤ放電加工機を導入した。斜めの切断を含む4軸加工が可能で、精度は±1μm〜2.5μmである。金型や金型部品の形状はNCフライス盤で切削し、工具では加工が難しい細かな形状や狭い部分をワイヤ放電加工機で加工する。金型表面の仕上げにはNC研磨機を用いる。金型の準備や保守は自社で責任を持って行い、その費用を加工費に含めて請求することにした。

加工機ワイヤ放電加工機

新しい製品・サービス:金型・金型部品の製造、および金型の製作やメンテナンスの請負

事業の効果

  • 納期 14日→6日
  • 金型の製作から修正までの期間 1ヶ月→1ヶ月

ワイヤ放電加工機の導入により、自社で金型を製作できるようになり、納期が大幅に短縮された。製作から修正までの期間も1ヵ月以内に縮まった。これまで受注を断っていた難易度の高い試作品も引き受けられるようになった。包装用機械や河川施設向け機械など、これまで取引のなかった分野からの部品加工依頼も入り始めた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の金型外注と後継者難による廃業を背景に、金型内製へ乗り出す経緯が書かれているが、中長期の経営戦略上の位置付けまでは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    周辺に業者が1社しかなく遠方外注だと納期が延びると記載され、地域の外部環境と内製の必要性は読めるが、競争優位の定量的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    金型製作の外注納期が2週間から5〜6日に短縮され、修正作業も1か月以上から1か月以内になったと具体的に示され、課題と解決が対応している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    金型の製作期間短縮(2週間→5〜6日)や修正期間短縮(1か月以上→1か月以内)が数字で示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員15名、NCフライス盤やワイヤ放電加工機の保有、社長の現場重視や人材育成方針は読めるが、補助事業の遂行体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    複雑形状の金型を自社製作でき、難易度の高い試作品も引き受けられるようになったと、受注できる価値と顧客像が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    5年後の平成34年に売上の約20%を新規事業で確保する目標があるが、遂行スケジュールや課題解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    金型の内製化に加え、包装用機械や河川施設向け機械など取引実績のなかった分野への展開が書かれ、高難度試作品の受注につながっている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域に業者が1社しかなく、廃業で金型供給が途絶える懸念が書かれ、地域の受注基盤維持の意義がわずかにうかがえる。

  • 費用対効果3

    納期短縮や修正期間の短縮が数字で示され効果は読めるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自社で設計・開発した自動化装置やNC機械の活用はうかがえるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明確に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    金型事業や新規分野への進出が書かれ、構造転換に近い動きはうかがえるが、成長分野としての位置付けの記述は薄い。

  • 地域経済への波及2

    地域の金型業者が廃業した中で内製に乗り出した点は地域の受注維持に関係するが、地域特性を活かした雇用創出の記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後、新規参入の金型事業と、新規分野の部品加工や試作品製作の受注拡大を目指す。5年後の平成34年には、売上高のうち2割程度を新規事業で確保したいと南社長は意気込んでいる。

事業者の声

「思っていたモノが形になっていると言われるのが一番うれしい」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。