ものづくり補助金平成27年度製造業大阪府

木の魅力を生かすデザインを武器に、内装工事業に本格進出

成果切断加工の誤差 1mm→0.05mm

この事例のポイント

  • 大きい板材や角材の切断を手作業に頼っており、加工に時間がかかっていた。
  • 平成28年10月に、大きいサイズの板材や角材を切断できるパネルソーを導入した。
  • 切断加工の誤差 1mm→0.05mm。パネルソーの導入により、大きな板材や角材を高精度に切断できるようになり、切断加工の誤差が大きく縮小した。

事業者のプロフィール

所在地大阪府 大阪府八尾市
業種家具・装備品製造業
技術分野機械制御,製造環境
従業員数3人
資本金1,000万円
設立2014年

事業の背景

家具製造が売上高の80〜90%を占めている。代表の奥島正也氏は親類の家具メーカーで10年間勤務した後、平成26年に独立して会社を設立した。取引先は工務店や住宅販売会社、内装工事会社などで、住宅や医院、店舗向けにテーブルや椅子、棚などを製作している。店舗内装工事も手がけており、今後はその割合を増やしていく方針である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大きい板材や角材の切断を手作業に頼っており、加工に時間がかかっていた。
  • 品質・精度手作業による切断では誤差が約1mm生じ、床や壁に使う木材の精度を確保しにくかった。
  • 人手・技能担当者が変わると手作業では品質や精度を一定に保つのが難しかった。
  • コスト・採算手作業では仕損じによる材料のロスが多く、歩留まりが悪かった。

やったこと

平成28年10月に、大きいサイズの板材や角材を切断できるパネルソーを導入した。切る部分の位置決めは数値を入力して設定でき、材料をセットして操作ボタンを押せば刃物が自動的に下りて切断する。カットできる部材の長さと幅はともに3,050mmまで、厚さは最大60mmの材料まで対応できる。導入後は同じ部材を繰り返し同じ精度で加工できるようになった。

加工機パネルソー

新しい製品・サービス:木製の食器やトレイ(試作中)

事業の効果

  • 切断加工の誤差 1mm→0.05mm
  • 内装工事の施工期間 1倍(従来比)→0.5倍(従来比)

パネルソーの導入により、大きな板材や角材を高精度に切断できるようになり、切断加工の誤差が大きく縮小した。内装工事の施工期間も従来の半分に短縮された。仕損じによる材料のロスが減り、手作業で多かったけがも減少した。経験の浅いスタッフでも一定の品質で加工できるようになり、若い人材の経験不足を補えるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成26年設立で家具製造に10年携わった経歴があり、家具製造が売上の80〜90%を占める現状から、内装工事への進出が既存事業の延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    強みとして顧客に好評なデザインと、機械化後に誤差が1mmから0.05mmへ向上した加工精度が挙げられており、競争優位の根拠が示されている。

  • 課題の認識と解決5

    施工期間が想定10日に対し実際20日となった課題を数字で示し、NC加工機導入で施工期間を2分の1に短縮したと具体的な解決策と成果が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    施工期間の半減や材料ロスの減少は書かれているが、付加価値額や賃上げについての数値目標は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員3名で、平成29年中に1名を採用し育成する計画が示されているが、事務処理能力や補助事業の遂行体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    歯科医院や住宅販売会社、工務店などの取引先と、カジュアルで清潔感のあるデザインという顧客への価値が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    木製食器の試作と一般消費者向け販売、海外展開を目指す方針は示されているが、スケジュールや課題の解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達2

    資本金10,000千円の記載はあるが、借入や金融機関からの資金調達の見通しは書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    木製食器の一般消費者向け販売や、和食・日本酒への関心を背景にした海外販売を目指す方針が書かれているが、市場の希少性を示す記述は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    若い人材を1名採用する目標と、デザイナーやスタッフ育成による雇用創出の方針が示されているが、経済波及効果は書かれていない。

  • 費用対効果3

    施工期間の半減や誤差の縮小、材料ロスの削減は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    NC加工機のコンピュータ制御による加工は書かれているが、地域やサプライチェーン全体へのイノベーション貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    家具製造から店舗内装工事へ事業を広げる方向性はあるが、日本経済の構造転換に資する分野への進出としての記述はうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及2

    所在地は大阪府八尾市と記載されているが、地域の特性を活かした付加価値や地域経済への波及効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

平成29年中に、まず1名を採用して若い人材を育成する計画である。パネルソーやNC加工機を使った部材加工もできるように指導していく方針である。また、食器などの商品をパートナー企業と組んで製造・販売する事業形態を模索しており、海外への販売も視野に入れている。

事業者の声

「男女は問わないが、できれば長期間勤めることができ、しっかりスキルを身に付ける気構えのある人がいい」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。