ものづくり補助金平成27年度製造業大阪府

箔押し技術を2ランクアップ、5年後メーカーも視野に

有限会社 東亜工芸社

成果製造コスト(1枚当たり) 12.5円→6.25円

この事例のポイント

  • 手動箔押機による生産のため、1日に2,000枚程度しか生産できなかった。
  • 最新の自動平盤箔押機を導入し、箔押し加工技術「プリズムプリント」が量産できる体制を構築した。
  • 製造コスト(1枚当たり) 12.5円→6.25円。導入により安定生産数が大幅に増え、製造コストは半減した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 東亜工芸社
所在地大阪府 大阪市鶴見区
業種印刷・同関連業
技術分野機械制御,表面処理
従業員数15人
資本金500万円
設立1970年

事業の背景

有限会社東亜工芸社は、箔押しを主力とする企業である。当初はプラスチック製化粧品容器への箔押しが主だったが、紙製品に移行した。箔押し、浮き出し、M・Tエンボスを核に、小量から量産品まで対応している。顧客からはオンデマンド印刷による箔押しの要望があり、プリンターの見当ブレに対応するデザインや面付けのアドバイスにも着手していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手動箔押機による生産のため、1日に2,000枚程度しか生産できなかった。
  • 品質・精度箔押しの見当ブレ、欠け、抜け、しわのない加工が求められていたが、従来機では品質や精度に課題があった。
  • コスト・採算従来の箔押機では、コストや納期が合わず受注できない仕事があった。

やったこと

最新の自動平盤箔押機を導入し、箔押し加工技術「プリズムプリント」が量産できる体制を構築した。斜線などの模様を入れた箔押し板を使い、エンボス箔押しをした後にその上から印刷して、色を虹色に変える独自技術を用いる。従来の手動機は1日約2,000枚の生産に限られていたため、自動機の導入で安定生産を可能にした。平成28年12月に稼働を開始し、品質向上、量産化、低価格化、短納期を実現した。既存顧客に対して、表面がフラットな箔押しから斜線や模様を入れたエンボス箔押しを提案した。

加工機最新自動平盤箔押機

新しい製品・サービス:プリズムプリント

事業の効果

  • 製造コスト(1枚当たり) 12.5円→6.25円
  • 精度(誤差) 0.2mm→0.075mm
  • 不良率 10%→3%
  • 1日の生産枚数(エンボス箔押し) 2,000枚/日→15,000枚/日

導入により安定生産数が大幅に増え、製造コストは半減した。精度も向上し、不良率は従来の10%から3%以下に下がり、ロスが大幅に減った。品質向上、量産化、低価格化、短納期が実現し、顧客の求める価格や納期に対応できるようになった。他社にない加工として新規顧客の獲得にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    箔押し主力で紙製品に移行し、プリズムプリントを自社製カレンダーとして展開してきた経緯が読み取れる。経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    従来は1日2,000枚が限界だったが、導入後は1万5,000枚に拡大し、真似できない技術で差別化すると書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    手動機による生産量や品質の課題を認識し、エンボス箔押し提案で付加価値を高める実効性ある計画が読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    5年後に売上3億円弱を5億円にする目標と、カレンダー5,000部を5万部にする目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員15名、大学やデザイナーとの連携開始が書かれるが、補助事業を遂行する体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ポストカードや名刺などへの採用実績、洋菓子業界ターゲット、納期や価格のメリットが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    5年後メーカー化という中長期目標はあるが、遂行方法や課題解決の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    箔押しの良さが再認識される中、エンボス箔押しと印刷を組み合わせた独自技術で他社にない加工を提供している。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    地域の中小製造業の取組とは読めるが、波及効果や雇用創出の具体的な数字は示されていない。

  • 費用対効果5

    製造コストが1枚12.5円から6.25円に半減し、不良率が10%から3%以下に下がったと数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    デザイナーや大学との連携は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明確ではない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    東大阪市での創業と大阪の中小加工業であることは読めるが、地域特性を活かした雇用拡大の記載は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は、表面がフラットな従来の箔押しから、立体的に見え付加価値の高いエンボス箔押しを既存の取引先にも提案する。特に成長が見込める洋菓子業界をターゲットに、納期や価格の軽減をメリットとして受注を目指す。5年後には事業部を立ち上げて5万部を製造し、メーカーとしての道も歩みたいとしている。現在の3億円弱の売上高を、5年後には5億円にしたいと考えている。

事業者の声

「採用してもらえれば、付加価値がわかる。真似できない技術なので差別化でき、結果として顧客の囲い込みにもつながる」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。