ものづくり補助金平成27年度建設業大阪府

CO2冷媒方式の冷凍システムで、食品業界の未来を支える

フードテクノエンジニアリング 株式会社

成果生産能力 1倍→3倍

この事例のポイント

  • CO2冷媒方式のフリーザーの需要拡大が見込まれるなか、現状の生産能力では対応が難しかった。
  • ドイツ社製の圧縮機とイタリア社製の制御装置を組み合わせた冷凍機ユニット(試作品)を導入し、自社開発のフリーザーと高圧CO2をフリーザーに送り出す冷凍機ユニットを用いてテストを進め…
  • 生産能力 1倍→3倍。子会社の工場拡張が平成29年10月に完成し、生産能力はこれまでの3倍以上に高まった。

事業者のプロフィール

事業者名フードテクノエンジニアリング 株式会社
所在地大阪府 大阪市
業種設備工事業
技術分野機械制御,製造環境,接合・実装,測定計測,複合・新機能材料
従業員数105人
資本金2,000万円
設立1999年

事業の背景

フロン規制の強化を受け、自然冷媒であるCO2を使う冷凍機分野への関心が高まっている。欧州企業が先行するなかで、同社は早くからCO2冷媒の業務用フリーザーや冷蔵・冷凍庫の開発に取り組んできた。子会社の株式会社テクシードでは業務用フリーザーの設計・製作を手がけており、CO2冷媒方式のフリーザーの需要拡大を見越して工場の拡張を進めた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力CO2冷媒方式のフリーザーの需要拡大が見込まれるなか、現状の生産能力では対応が難しかった。
  • 品質・精度高圧のCO2を安全に循環させるため、配管やバルブなどを高圧に耐える仕様にする必要があった。
  • 新製品・新技術高温の食品を一気に冷凍するため、大型の冷凍機ユニットが必要だった。
  • 新製品・新技術夏場の高い外気温の下でも冷媒の循環効率が落ちない運転の仕組みを作る必要があった。

やったこと

ドイツ社製の圧縮機とイタリア社製の制御装置を組み合わせた冷凍機ユニット(試作品)を導入し、自社開発のフリーザーと高圧CO2をフリーザーに送り出す冷凍機ユニットを用いてテストを進めた。テストでは高圧CO2を安全に循環させるため、配管類を高圧に耐えうる肉厚な材料に変更し、バルブ類も設計圧力の高い製品に交換した。夏場の暑い外気温による冷凍サイクルの効率低下も改善した。テストに使ったフリーザーはインピンジメントフリーザーで、冷気を食品に高速で衝突させて冷凍する。さらに子会社の工場を拡張し、平成29年10月に完成させた。

加工機冷凍機ユニット(CO2冷媒、試作品)
加工機業務用フリーザー(インピンジメントフリーザー)
その他工場拡張設備

新しい製品・サービス:CO2冷媒方式のフリーザー(インピンジメントフリーザー)と冷凍機ユニット

事業の効果

  • 生産能力 1倍→3倍

子会社の工場拡張が平成29年10月に完成し、生産能力はこれまでの3倍以上に高まった。テストを通じて高圧CO2を安全に循環させる配管・バルブの仕様が確立され、夏場の効率低下も改善された。大型の冷凍機ユニットの大型化にめどがつき、早い時期の市場投入が見込まれている。CO2冷媒の研究拠点「FTEアカデミー」を開設し、大学や同業他社と共同研究を進める計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    特定フロン規制を受け、CO2冷媒のフリーザー開発に以前から取り組み、FTEアカデミーで研究を続けてきたと書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    欧州企業が先行する自然冷媒分野で、需要拡大を見越して自社フリーザーと冷凍機ユニットを組み合わせ、生産能力を3倍以上に引き上げたと書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    高圧CO2の堅牢性や夏場の効率低下など課題を具体的に挙げ、大型冷凍機ユニットの必要性を認識して改善を進めたと書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産能力を3倍以上に引き上げたとあるが、付加価値額や賃上げの目標値、その実現可能性は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    従業員105名、食品安全アドバイザーや1級建築士、電気計装システムプログラマーなど専門スタッフがいると具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は食品メーカー、外食・流通チェーン、物流会社と明示され、全国から高い信頼を得ていると書かれているが、選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋3

    工場拡張が平成29年10月に完成、大型冷凍機ユニットの早期市場投入とあるが、中長期の検証や詳細スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金20,000千円のみ書かれているが、補助事業の資金調達や金融機関からの融資見込みは公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    自然冷媒の冷凍機は欧州企業が先行し、CO2冷媒の業務用フリーザーは普及途上で、高圧循環の技術的な差別化が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    特定フロン全廃やCO2の温室効果など規制動向は書かれているが、経済波及や雇用創出の具体的な数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や投入額に対する付加価値増加、生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献3

    大学の研究者や同業他社と連携したオープンな共同研究を進める構想が書かれているが、サプライチェーン全体への効果は具体的ではない。

政策面70%
  • 成長分野への進出4

    規制強化に伴い自然冷媒へ移行する動きが広がるなか、CO2冷媒フリーザーで構造転換に対応すると書かれている。

  • 地域経済への波及3

    大阪市西淀川区で中小工場が閉鎖される地域状況を踏まえ、地域の子どもたちへの環境学習の場の開放が書かれているが、雇用創出の数値はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

大型の冷凍機ユニットの大型化にめどをつけ、早い時期に市場投入する方針。今後は地域の子どもたちにも開放し、環境学習の場として利用してもらう考え。

事業者の声

西淀川区では中小企業の工場が閉鎖され、どんどんマンションに変わっている。うちも頑張りますから地域の皆さんも頑張りましょうという想いも発信していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。