ものづくり補助金平成27年度製造業大阪府

商品ラベルやシールを短納期で、美しく仕上げる

国栄シールシステム 株式会社

成果製版作業時間(単色) 58分→23分

この事例のポイント

  • ネガフィルムの生産中止により、製版作業を外注するか新たな設備投資をするかの決断を迫られていた。
  • ものづくり補助金を活用し、ネガフィルムを使わずに印刷用樹脂板へレーザーで直接印刷データを描写する製版機を導入した。
  • 製版作業時間(単色) 58分→23分。レーザー式直接描画装置の導入により、製版作業時間が従来の半分以下になり、生産性は2倍以上に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名国栄シールシステム 株式会社
所在地大阪府 大阪市
業種印刷・同関連業
技術分野デザイン
従業員数15人
資本金1億円
設立1977年

事業の背景

昭和52年に大阪府東大阪市で創業し、印刷用の版(刷版)を製作するネガフィルムづくりから版製作までを社内で行い、最短当日仕上げに対応して業容を拡大してきた。国内で唯一ネガフィルムを作っていたメーカーが平成27年に生産を中止したため、製版工程をどう維持するかが課題となった。主な顧客は工業製品メーカーや包装用品会社、大手飲料メーカーなどで、得意先は約300社である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ネガフィルムの生産中止により、製版作業を外注するか新たな設備投資をするかの決断を迫られていた。
  • コスト・採算従来のネガフィルム製版は単色で58分、4色で73分を要し、生産性が低かった。
  • 品質・精度印刷パターンのシャープさや高精細な印刷に課題があり、失敗による材料廃棄も多かった。

やったこと

ものづくり補助金を活用し、ネガフィルムを使わずに印刷用樹脂板へレーザーで直接印刷データを描写する製版機を導入した。感光性樹脂板にレーザー描画装置で露光・水洗い・乾燥・後露光を行い、印刷パターンを作成する。この装置による作業時間は、データ入力から後露光までで23分となった。従来のネガフィルム方式では単色58分、4色73分を要していた。

加工機レーザー式直接描画装置(製版機)

新しい製品・サービス:インクメーカーと共同で開発中の擬似エンボス印刷。粘性の高い透明インクを厚く盛り上げ、エンボス加工に似た効果を出す。

事業の効果

  • 製版作業時間(単色) 58分→23分
  • 製版作業時間(4色) 73分→23分

レーザー式直接描画装置の導入により、製版作業時間が従来の半分以下になり、生産性は2倍以上に向上した。印刷パターンのエッジがシャープになり、高精細な印刷が可能になった。失敗による材料廃棄も大きく減り、コストダウンにつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和52年の創業から刷版製作を社内で持ち続けた経緯が書かれ、製版工程を維持する判断が一貫しているが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大手企業への営業強化で売上を伸ばし、同業他社との差別化につながったとあるが、市場動向との関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    ネガフィルム生産中止で製版工程の判断を迫られた課題認識はあるが、高付加価値化につながる計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    作業時間が単色58分・4色73分から23分へ、生産性2倍以上向上と数字で示されており、目標値の実現性は読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    従業員15名や社長の経験に触れるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    短納期や高精細な印刷、顧客との直接取引などの強みは書かれるが、ターゲットとニーズの裏付けは限定的。

  • 事業化までの道筋3

    擬似エンボス印刷の開発を進め、実験や検証を繰り返す方針は示されるが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ネガフィルム方式から直接描画への転換や擬似エンボス印刷の開発が書かれ、一定の新規性はうかがえる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    ネガフィルム製造撤退という業界の課題に対応したとあり、国が補助する波及効果の説明は限定的。

  • 費用対効果4

    作業時間が58分から23分へ、材料廃棄も大きく減ったとあり、投資に対する生産性効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    レーザー式直接描画というデジタル技術の活用は書かれるが、サプライチェーン全体への貢献は具体的でない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    東大阪市での創業や大阪市での事業とあるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在、インクメーカーと共同で擬似エンボス印刷の開発に取り組んでおり、近いうちに顧客企業への提案活動を始める方針である。

事業者の声

顧客との信頼関係や、他社との優位性を崩すわけにはいかない

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。