ものづくり補助金平成27年度製造業兵庫県

検査工程における精度向上と時間短縮による生産性の向上、および受注の拡大

株式会社ミナミテック

成果測定精度 5/10,000mm→1/10,000mm

この事例のポイント

  • 現行の検査体制(測定精度5/10,000mm)では顧客の要望水準を満たせず、高精度を求められる重要部品の受注を失注している。
  • 測定精度1/10,000mmの9次元測定器を導入した。
  • 測定精度 5/10,000mm→1/10,000mm。検査精度が向上し、顧客の高精度要求に応えられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ミナミテック
所在地兵庫県 尼崎市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数25人
資本金1,000万円
設立1970年

事業の背景

当社は自動車、航空機、通信機器製造業の顧客を主な対象に、金型設計製造、精密部品加工、試験治具の製造を行っている。加工精度向上と顧客との関係構築により受注は年々拡大しており、航空機等の高精度加工を求められる分野でも重要部品の引き合いが増えている。測定器は約20年前に導入したものである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度現行の検査体制(測定精度5/10,000mm)では顧客の要望水準を満たせず、高精度を求められる重要部品の受注を失注している。
  • 人手・技能測定器の操作を熟知した社員は1名しかおらず、操作性も優れないため、検査が工程のボトルネックになっている。
  • 生産能力従来の測定器は専用端末からキーボードで数値入力する方式で、データの蓄積がなく段取り替えのたびに設定し直す必要があり、作業者が待機して工程が停滞することがあった。

やったこと

測定精度1/10,000mmの9次元測定器を導入した。この測定器は検査精度が最も高いとされるもので、誤差は10,000分の1mm(0.1μm)である。操作系はパソコンベースとなり、設定値の入力や操作の習熟が容易になった。同一物品であれば以前の検査内容を記憶して流用できるため、利便性も向上した。今後は各作業者が隙間時間を使って操作を学習し、10名程度の加工作業者が自ら測定できるようにする。検査結果は製品に検査書として添付して出荷し、自社加工品に加えて外注加工品の検査も行う。測定データは社内に蓄積し、検査時間の短縮とトレーサビリティの実現につなげる。

事業の効果

  • 測定精度 5/10,000mm→1/10,000mm
  • 作業者による測定可能人数 1名→10名

検査精度が向上し、顧客の高精度要求に応えられるようになった。外注加工品も精度の高い検査ができるため受け入れ後の不良が減った。他社からの加工依頼や、競合時に質の面で選ばれる受注増加の効果があり、歩留まり改善や非価格競争力の強化にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性航空機等の高精度分野で引き合いが増え、競合の多くが誤差1/10,000mmの測定器を持たない点を自社の強みとして具体的に示している。
  • 4
    課題の認識と解決精度5/10,000mmの現行検査では顧客水準を満たせず失注、操作者1名でボトルネックになるという課題を明確に示し、解決策を結びつけている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け自動車・航空機・通信機器の顧客を対象とし、高精度な検査で不良削減や同単価での受注優位性という選ばれる理由が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用製品が社会インフラで使われメイド・イン・ジャパンを支えるとの記述はあるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は明確でない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    約20年前導入の測定器と年々拡大する受注という過去の取組の流れは読めるが、経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    航空機等の高精度分野で引き合いが増え、競合の多くが誤差1/10,000mmの測定器を持たない点を自社の強みとして具体的に示している。

  • 課題の認識と解決4

    精度5/10,000mmの現行検査では顧客水準を満たせず失注、操作者1名でボトルネックになるという課題を明確に示し、解決策を結びつけている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    測定精度1/10,000mmや加工者10名程度という目標はあるが、売上や付加価値の増加目標の数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員25人、10名程度の加工者が測定を行う体制や隙間時間での学習方法は書かれているが、事務処理体制の詳細は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車・航空機・通信機器の顧客を対象とし、高精度な検査で不良削減や同単価での受注優位性という選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    加工者が隙間時間で操作を習得し検査を内製化する方法は示されるが、具体的な期間や段階的スケジュールは読み取れない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    検査精度が最も高いとされる9次元測定器を導入し、同程度単価で質の面で優位となる点から高水準の高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    製品が社会インフラで使われメイド・イン・ジャパンを支えるとの記述はあるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は明確でない。

  • 費用対効果2

    外注品の受け入れ後不良の削減や受注増が挙げられているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    パソコンベースの操作系や測定データの蓄積によるトレーサビリティ実現が示され、デジタル活用の方向性は読み取れる。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    航空機など高精度分野への進出を目指す記述はあるが、日本経済の構造転換に資する点は具体的に示されていない。

  • 地域経済への波及3

    尼崎の立地で有力企業が多く地理的優位性を発揮しやすいと述べられており、地域特性を活かす姿勢は読み取れる。

今後の展望

尼崎の立地を活かし、現在の人員と体制を基に若手社員の多能工化を進め、一人あたりの生産性と収益基盤を強化していく。規模拡大は望まないが、製品サイズによっては拠点拡大も検討する。若手人材の採用と技術習得の推奨を続け、魅力ある企業づくりに努める。

事業者の声

我々の仕事は金属を加工して指定の形状にすると言ってしまえばそれだけですが、働いている皆さんには今している自分の仕事がどのような最終製品になるか、またそれは社会にどのように役立つのかというのを考えてほしいと思っています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。