ものづくり補助金平成27年度学術研究、専門・技術サービス業兵庫県

日本測地系座標から世界測地系座標へ転換し、地籍調査の効率化を図る

黒田測量設計株式会社

成果測量作業の人員 3人→2人

この事例のポイント

  • 日本測地系と世界測地系の座標が混在し、座標変換や整合作業が必要で、測量の時間とコストの大きな障害になっていた。
  • 人工衛星を利用したGNSS測量機を導入し、日本測地系から世界測地系への座標転換を行った。
  • 測量作業の人員 3人→2人。GNSS測量機の導入により、既知点への計器設置が不要になり、少人数で測量できるようになる。

事業者のプロフィール

事業者名黒田測量設計株式会社
所在地兵庫県 丹波市
業種学術・開発研究機関
従業員数5人
資本金2,000万円
設立1993年

事業の背景

平成14年の測量法改正で世界測地系(日本測地系2000)が採用されたが、それ以前の基準点との座標差が大きく、両座標系が混在する作業範囲では座標変換が必要になっていた。当社は公共測量を中心とした測量設計業で、他社に先がけて測量の電子化・GISに取り組み、過去10年以上の電子データを蓄積している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力日本測地系と世界測地系の座標が混在し、座標変換や整合作業が必要で、測量の時間とコストの大きな障害になっていた。
  • 新製品・新技術従来の測量機では新点の設定に最低3名が必要で、山頂にある既知点への移動などに時間がかかっていた。

やったこと

人工衛星を利用したGNSS測量機を導入し、日本測地系から世界測地系への座標転換を行った。当社が蓄積した圃場整備の図根点や地籍調査の基準点、土地の境界等の電子データを活用し、地籍調査作業の効率化を図った。市の担当課に座標の整合性をとる提案を積極的に行い、電子データの蓄積を強みとして示した。

事業の効果

  • 測量作業の人員 3人→2人
  • 新点2点の測量を2時間の作業時間で行うことが可能になる。
  • 受注量 1倍→3倍

GNSS測量機の導入により、既知点への計器設置が不要になり、少人数で測量できるようになる。測量時間は最大で1分の1まで短縮でき、コストを抑えて地籍調査の効率を高められる。蓄積した電子データを活かし、日本測地系から世界測地系への座標転換を行う事業を提案でき、他社の参入は難しい。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    強み・弱みを踏まえた優位性従来3名必要な作業を2名で可能とし、2点新点測量2時間、受注量3倍も可能と数字で示し、10年以上の電子データが他社参入を難しくする優位性を明記。
  • 4
    これまでの取組との一貫性平成8年の大型スキャナー、平成11年の電子平板、平成10年の自社GIS管理ソフトなど過去の電子化取組が蓄積され、今回のGNSS導入と一貫している。
  • 4
    課題の認識と解決日本測地系と世界測地系の座標混在という課題を明確に認識し、座標転換で測量時間・コストの障害を解消する実効性の高い計画になっている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    成長分野への進出グローバル化に伴う世界測地系への移行という社会変化に対応しているが、日本経済の構造転換への言及は薄い。
経営戦略との整合性4.3
  • これまでの取組との一貫性4

    平成8年の大型スキャナー、平成11年の電子平板、平成10年の自社GIS管理ソフトなど過去の電子化取組が蓄積され、今回のGNSS導入と一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性5

    従来3名必要な作業を2名で可能とし、2点新点測量2時間、受注量3倍も可能と数字で示し、10年以上の電子データが他社参入を難しくする優位性を明記。

  • 課題の認識と解決4

    日本測地系と世界測地系の座標混在という課題を明確に認識し、座標転換で測量時間・コストの障害を解消する実効性の高い計画になっている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    測量時間を最大1分の1まで短縮、受注量3倍可能と具体的な目標値を示し、現有人員での実現性も示している。

  • 事業を進める体制3

    従業員5人の小規模体制だが、測量の電子化やGIS独自ソフト開発の実績があり、補助事業を遂行する技術体制は示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    市の担当課への座標整合の提案で、電子データ活用による迅速・低コストの測量を強みとして示し、ニーズと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の道路建設等で再測量と座標整合が必要という中長期の課題を示しているが、スケジュールの記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    測量の電子化やGISは地域の測量会社では先行的な取組であり、他社参入が難しい分野として高付加価値性がうかがえる。

公的補助の必要性3.7
  • 波及効果・雇用3

    電子基準点を活用したGNSS測量の利用が認められ、地籍調査の効率化により公共測量の基盤整備に寄与する点が示されている。

  • 費用対効果4

    測量時間を最大1分の1まで短縮し、既存データ活用でコスト削減を図るなど、投入に対する効率化効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    GNSS測量と電子データ・GISを組み合わせ、地籍調査の電子化で地域の測量業界の効率化に貢献する取組になっている。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    グローバル化に伴う世界測地系への移行という社会変化に対応しているが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及4

    丹波市など地域の測量ニーズに応じ、地域の既存基準点・電子データを活用して地籍調査を効率化する事業で、地域経済への貢献が読み取れる。

今後の展望

次の50年に向けて、最新技術・最新設備を積極的に活用していく。

事業者の声

よりよいものをより安く、必要なものを必要な人に供給する

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。