ものづくり補助金平成27年度サービス業(他に分類されないもの)兵庫県

ウエット・ブラスト装置を利用した欧州基準の高品質クラシックカー試作車の製作

株式会社ヴィラージュ

この事例のポイント

  • 試作車を保有していないため、最新技術を搭載したクラシックカーへの顧客ニーズを逃していた。
  • 欧州基準の高品質なクラシックカー再生車を試作し、当社の技術力をアピールすることにした。
  • 試作車完成後は専門誌に取り上げられるなどし、当社の技術力のアピールにつながった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヴィラージュ
所在地兵庫県 兵庫県多可郡多可町
業種自動車整備業
従業員数5人
資本金600万円

事業の背景

当社は欧州クラシックカーのレストモッドを専門とする自動車整備会社で、国内に競合は少ない。クラシックカーは日本でも根強い人気があるが、整備の難しさから一部マニアのものであった。近年は若い世代を中心に、カッコよく美しく長く乗りたいと考えるユーザーが増え、最新技術が搭載されたクラシックカーを見たいという要望が多く寄せられていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑試作車を保有していないため、最新技術を搭載したクラシックカーへの顧客ニーズを逃していた。
  • 人手・技能国内では整備マニュアルの入手が困難で、ベテラン整備士の勘や経験に頼って修理しており、複数のショップを回っても故障が改善されないことがあった。
  • コスト・採算小型・精密部品の磨き工程を外注しており、外注費がかかるうえ、外注先の都合で顧客の納期希望に対応できなかった。

やったこと

欧州基準の高品質なクラシックカー再生車を試作し、当社の技術力をアピールすることにした。試作車には、イギリスの自動車メーカー、ジャガー製ダイムラー・ダブルシックスを選んだ。古いクラシックカーを1台まるごと分解し、内部、外装・内装のすべてを新車のように組み直す「フル・レストア」を行い、最新の技術を投入して現代風に乗りやすくアレンジした。また、自社にウエット・ブラスト装置を導入し、砂に水を混ぜて高圧で吹き付ける方式で、従来ドライ方式のブラスト・ブースでは効率が悪く部品を傷める恐れがあった小型・精密部品の磨き工程を内製化した。

新しい製品・サービス:最新技術を導入したクラシックカー再生車(試作車ダブルシックス)

事業の効果

試作車完成後は専門誌に取り上げられるなどし、当社の技術力のアピールにつながった。その結果、一台まるごとレストアしてほしいという依頼が増え、現在も数台のバックオーダーを抱えている。磨き工程の内製化により顧客の希望納期に応じられるようになり、徹底的なブラストが可能になったことで顧客からの評価にもつながっている。さらに、年間100万円以上の外注費を削減できた。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 5
    新しさ・高付加価値国内では整備できる和整備士が少ない欧州クラシックカーのレストモッドで、高価格帯の高付加価値化を図っている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性国内で競合は少なく、整備マニュアル入手困難な中で高品質な再生技術を強みとする独自の事業モデルを示している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け最新技術を載せたクラシックカーを見たいという顧客要望が多く寄せられていた点から、ニーズの裏付けと選ばれる理由が整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標年間100万円以上の外注費削減は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    平成が創業以来の欧州クラシックカーのレストモッド専門で、磨き工程の内製化も専門性の延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内で競合は少なく、整備マニュアル入手困難な中で高品質な再生技術を強みとする独自の事業モデルを示している。

  • 課題の認識と解決3

    外注依存による納期遅延や外注費の課題を認識し、ウエット・ブラスト装置で内製化する解決策を示している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    年間100万円以上の外注費削減は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく薄い。

  • 事業を進める体制3

    代表者と従業員5人の体制で、若手技術者の育成や関係機関の協力体制にも触れている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    最新技術を載せたクラシックカーを見たいという顧客要望が多く寄せられていた点から、ニーズの裏付けと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作車製作から磨き工程の内製化、バックオーダーへの対応まで段階的に進めた経緯が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性5.0
  • 新しさ・高付加価値5

    国内では整備できる和整備士が少ない欧州クラシックカーのレストモッドで、高価格帯の高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    若手技術者の技術力向上や、地域の関係機関との協働による技術継承という波及効果が示されている。

  • 費用対効果2

    外注費削減額は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は記載がない。

  • イノベーションへの貢献2

    最新技術の導入はあるが、デジタル技術や新ビジネスモデルによる地域・サプライチェーンへの波及は弱い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    兵庫県多可町の地域事業者として、日本の技術力を海外にもアピールする方向性が示されている。

今後の展望

今後は日本の技術力やメンタリティーを最大限盛り込み、海外にもアピールしていく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。