ものづくり補助金平成27年度製造業奈良県

高品質生酒『Fresh-Sake』による海外展開を実現するための製造プロセスの高度化

千代酒造株式会社

成果瓶詰め速度 300本/時→750本/時

この事例のポイント

  • 瓶詰めの速度が想定を下回った。生酒は熟成酒と液体の性質が違い、想定した速度を達成できなかった。
  • 瓶詰め工程を見直し、人を介していた瓶詰めと打栓を機器導入によりライン化した。
  • 瓶詰め速度 300本/時→750本/時。ライン化により瓶詰めの速度が300本/時から750本/時へと大きく向上した。

事業者のプロフィール

事業者名千代酒造株式会社
所在地奈良県 御所市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数9人
資本金1,000万円
設立1955年

事業の背景

日本国内では飲み物の多様化や50〜70代男性の飲酒人口減少などから、既存の日本酒需要が減り続けている。一方で20代、30代を中心に冷やして飲む新しいスタイルの日本酒が台頭し、火入れをしない無濾過生酒が当社の売上に占める割合も年々高まっている。近年は海外輸出でも無濾過生酒の割合が極めて多くなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力瓶詰めの速度が想定を下回った。生酒は熟成酒と液体の性質が違い、想定した速度を達成できなかった。
  • 生産能力冬季しか生産できず、温度が上がると品質が安定しないため増産できなかった。

やったこと

瓶詰め工程を見直し、人を介していた瓶詰めと打栓を機器導入によりライン化した。急速冷蔵が可能な冷却設備を導入し、品質とストック場所の拡充を図った。新規商品を基準に機器を設計し、他の工程の効率化でフォローするとともに、今後新規商品をラインに組み込む際は既存商品との差を細かく確認することにした。もろみと上槽の温度管理を高度化し、瓶詰め以降の工程は今の設備を更新せずに活用できるようにした。

加工機瓶詰め機
加工機打栓機
加工機急速冷蔵庫
加工機氷温貯蔵庫

新しい製品・サービス:新スタイルの日本酒『Fresh‑Sake』(無濾過生酒)

事業の効果

  • 瓶詰め速度 300本/時→750本/時
  • 急速冷蔵庫の導入により貯蔵能力が35%増加
  • 冷却時間を20%短縮

ライン化により瓶詰めの速度が300本/時から750本/時へと大きく向上した。急速冷蔵庫の導入で貯蔵能力が35%増え、冷却時間は20%短縮された。瓶詰設備の更新と氷温貯蔵庫の組み合わせで、従来の1/2の時間で目的の品温まで冷やせるようになり、氷点下への素早い冷却で品質が安定し向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    「時間と手間をかけて、風土を醸した酒造り」を続ける方針と、純米酒・無濾過生酒への注力が書かれ、既存事業との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    無濾過生酒の売上比率が年々増えていることや、海外輸出で生酒の割合が高い点から、市場動向と強みの関係が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    瓶詰速度300本/時の課題や冬季のみの生産による量の限界を示し、施策として温度管理の高度化を挙げている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    売上目標を5年目で初年度実績の200%とし、瓶詰速度300本/時から750本/時への改善も数値で示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員9名と記載があるのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制については触れられていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    生酒の品質向上、新しい飲み手である20〜30代の需要、フィリピンなど海外市場の想定が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    海外市場の市場調査着手と提携業者選定完了は書かれるが、遂行スケジュールや課題解決方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    無濾過生酒は火入れをしない希少な製品で、従来品にはなかった搾りたての味わいを売りにしている点が具体的に記載されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    海外輸出や国内の若年層の需要拡大への言及はあるが、地域経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は薄い。

  • 費用対効果3

    瓶詰速度2.5倍や冷却時間の短縮など効果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    急速冷蔵庫や氷温貯蔵庫の導入はあるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外市場への展開はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及3

    奈良の風土を醸した清酒造りや御所市の酒蔵という地域特性は書かれるが、地域経済の牽引までは読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内では若年層に『Fresh‑Sake』などを周知して新たな顧客開拓を行う。海外ではフィリピン、マレーシア、香港、アメリカを新規市場と想定し、市場調査に着手し提携する現地業者の選定も完了している。売上目標は5年目に初年度実績の200%としている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。