ものづくり補助金平成27年度製造業奈良県

自動車の直進性に有効なギア比率可変部分を持つラックの試作生産性の向上

大和精機株式会社

成果主軸回転数 1倍→3倍

この事例のポイント

  • ギア比率可変部分を持つラックの切削加工は既存設備では非常に時間がかかり、利益の確保も困難であった。
  • マシニングセンターを導入し、正確かつ迅速に切削加工できる体制を整えた。
  • 主軸回転数 1倍→3倍。マシニングセンター導入により連続運転時の主軸回転数が約3倍となり、加工時間が約1/3に減った。

事業者のプロフィール

事業者名大和精機株式会社
所在地奈良県 橿原市
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数20人
資本金1,000万円
設立1987年

事業の背景

奈良の地で貝ボタン加工機の製造から始まり、100年以上にわたり機械加工を続けてきた。現在は農機具部品、自動車部品を扱い、ステアリング部品では他社に真似できないノウハウを蓄積している。自動車は新発売までに平均5年ほどの開発期間があり、1車種で年間20台以上生産される試作車市場は、今後も伸びしろがあるとされる。ラックの中央部のギア比率を変化させる動きがあり、その新しいギア比率可変部分を持つラックの試作依頼・数量は今後大幅に伸びると予測されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ギア比率可変部分を持つラックの切削加工は既存設備では非常に時間がかかり、利益の確保も困難であった。
  • 生産能力導入した設備が大型で元の作業スペースを圧迫し、動線が取れず工場内事故にもつながるおそれがあった。
  • 人手・技能新規ニーズに対応できる環境を構築しても、そのニーズを獲得するための営業的ノウハウが不足していた。

やったこと

マシニングセンターを導入し、正確かつ迅速に切削加工できる体制を整えた。導入設備は従来設備より連続運転時の主軸回転数が約3倍となり、加工時間を約1/3に削減できた。最小制御指令桁数も従来設備の1/1000から1/10000となり、制御指令をより細かく出せるようになった。クーラント加工に改良を加えた方式を用いたことで、見た目の仕上がりも良くなり製品品質が向上した。新工場を開工して敷地面積を広げ、作業スペースと動線を確保した。

新しい製品・サービス:ギア比率可変部分を持つラック単体

事業の効果

  • 主軸回転数 1倍→3倍
  • 加工時間 1倍→0.333倍
  • 最小制御指令桁数が従来設備の1/1000から1/10000となった
  • 歩留まりが数%向上

マシニングセンター導入により連続運転時の主軸回転数が約3倍となり、加工時間が約1/3に減った。制御指令の細かさも向上し、加工方式の改良と合わせて見た目の仕上がりと製品品質が上がった。歩留まりも数%向上し、加工時間短縮によって生産コストが下がり、短納期にも対応できるようになった。今後は受注数の拡大と売上増につなげる計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性ラック中央部のギア比率可変部品の需要増を市場動向として示し、10年以上のラック加工ノウハウが優位性と説明されている。
  • 4
    課題の認識と解決課題として作業環境と営業力不足を挙げ、新工場開工や営業力強化で解決する方針が示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標1年目売上1,800万円、5年目10,800万円、利益目標5,490万円など数値目標が示されている。ただし実現根拠の詳細は薄い。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員20名や代表者名は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は少ない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    創業100年超の機械加工の歴史とステアリング部品のノウハウ蓄積が書かれ、一貫性はうかがえるが経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ラック中央部のギア比率可変部品の需要増を市場動向として示し、10年以上のラック加工ノウハウが優位性と説明されている。

  • 課題の認識と解決4

    課題として作業環境と営業力不足を挙げ、新工場開工や営業力強化で解決する方針が示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1年目売上1,800万円、5年目10,800万円、利益目標5,490万円など数値目標が示されている。ただし実現根拠の詳細は薄い。

  • 事業を進める体制2

    従業員20名や代表者名は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ラックの需要増予測と高精度切削の優位性で顧客ニーズと選ばれる理由が示されている。顧客ターゲットの明示は限定的。

  • 事業化までの道筋3

    課題と解決への道筋(新工場開工、営業力強化)は示されるが、スケジュールや遂行方法の詳細は読み取りにくい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ギア比率可変のラックは新しい部品で、同分野の中で高い加工難度と利益確保の困難さが示されている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    自動車産業の基盤部品に関わる点はうかがえるが、雇用創出や波及効果の国の補助理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    加工時間を約1/3に削減、歩留まり数%向上などの効果が示され、費用対効果の一端が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    マシニングセンタ導入による加工精度向上は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明確でない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    自動車開発市場の成長が言及されるが、日本経済の構造転換への寄与は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    奈良の地で創業した地域の企業であることはうかがえるが、地域経済を牽引する効果は具体的に書かれていない。

今後の展望

ラック単体の市場は今後も増大が見込まれ、当社にとって十分な優位性と収益性があると想定している。売上目標は1年目1,800万円、5年目10,800万円、利益目標は1年目1,080万円、5年目5,490万円とする。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。