ものづくり補助金平成24年度愛知県

5軸高速加工機導入による切削加工部品の高精度化、低コスト化、短納期化による価格競争力の向上

山鉄株式会社

成果1個あたり加工時間 430分→313分

この事例のポイント

  • 同業他社に生産数を増やされ、コストや納期の面で後れを取り、競争力を失いつつあった。
  • 平成24年度補正ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金の採択を受け、平成26年2月にオークマの5軸制御マシニングセンター「MU-6300V」を導入した。
  • 1個あたり加工時間 430分→313分。5軸制御MCの導入で加工効率が大幅に上がり、同じ部品の加工時間は約28%短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名山鉄株式会社
所在地愛知県 豊田市
業種はん用機械器具製造業
技術分野切削加工
資本金300万円
設立1981年

事業の背景

昭和56年創業の山鉄は、自動車の生産ラインを構成する設備の金属部品など切削加工を専門としてきた。近年は競合が増え、各種治具や金型の設計から加工、組み付けまで手を広げている。顧客の9割以上はトヨタ自動車の1次メーカーが占め、近辺にはトヨタ自動車の本社や元町工場がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力同業他社に生産数を増やされ、コストや納期の面で後れを取り、競争力を失いつつあった。
  • コスト・採算平成16年からおよそ10年間設備投資ができず、特に2008年のリーマン・ショックの影響が大きかった。
  • 新製品・新技術競合の増加により差別化が必要となり、加工内容で他社と違いを出す手段が求められていた。

やったこと

平成24年度補正ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金の採択を受け、平成26年2月にオークマの5軸制御マシニングセンター「MU-6300V」を導入した。5軸のMCはテーブルが宙づりになるため加工中の振動が大きく、3軸と異なる条件を複数テストするなどの工夫を重ねた。同機は多面加工ができるため段取り替えが減り、主軸の高速回転化により大幅な加工効率アップを果たした。金型や治具の設計製作で培ったCAD/CAMのノウハウを駆使し、より高度な加工に挑戦した。

加工機5軸制御マシニングセンター MU-6300V(オークマ)

事業の効果

  • 1個あたり加工時間 430分→313分

5軸制御MCの導入で加工効率が大幅に上がり、同じ部品の加工時間は約28%短縮された。これにより納期とコストの面で競争力が伸びた。多面加工で段取り替えが減り、複雑な形状の製品など付加価値の高い仕事が増えて事業内容の転換も実現した。競合の少ない製品の受注比率も上昇した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成16年からの約10年の設備投資停止やリーマン・ショック後の競争力低下が語られ、過去の取組との流れは読めるが、戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    トヨタのお膝元で顧客の9割以上が1次メーカー、競合が増えたことや、複雑形状の製品は競合が少ないと記されており、強みと外部環境の関係はうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    同じ部品で加工時間が従来機430分から5軸313分へ約28%短縮され、納期とコストで競争力を伸ばしたと具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、受注内訳で付加価値の高い仕事の比率が上昇したという程度しか示されていない。

  • 事業を進める体制3

    社内教育を重視しプログラミングのノウハウを多くの社員に蓄積する方針が書かれているが、人員数など体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    複雑形状で競合が少ない製品を今後さらに伸ばす方針と顧客の構成は読めるが、ターゲットとニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後は機械をより高い次元で使いこなし、受注を伸ばすという方向は示されているが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    5軸制御MCによる複雑加工を競合が少ない高付加価値品として手がけ、比率が上昇していると書かれており、同分野で高付加価値化を図る姿勢が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車の生産ラインを構成する部品を製造する地域の事業者として書かれているが、波及効果や雇用創出への言及は少ない。

  • 費用対効果3

    加工時間約28%短縮と納期・コストの改善は読めるが、補助金額に対する付加価値増加の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    高度なCAD/CAMのノウハウを活かしたとあるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は記載がない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    トヨタのお膝元で自動車部品の加工を担う地域事業者として、受注や付加価値向上を図る姿が読み取れるが、地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は複雑な形状の製品の受注を延ばし、機械をより高い次元で使いこなして仕事の品質を上げ、受注を伸ばす方針。社内教育を重視し、プログラミングなどのノウハウを多くの社員に蓄積してもらう考えだ。

事業者の声

もっと速く、効率良く動かすことができるはず。今は勉強の途中

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。