ものづくり補助金平成27年度製造業奈良県

遺伝子組換え人工免疫細胞の開発と治療用免疫細胞の品質管理法の開発

株式会社グランソール免疫研究所

この事例のポイント

  • 現在の免疫細胞を使った治療は治療効果に限界があるため、遺伝子組換えを応用したより抗がん効果の高い免疫細胞の開発が急務となっていた。
  • 免疫細胞に遺伝子を導入して人工免疫細胞を作製し、がん細胞に対する細胞傷害能力を解析した。
  • 遺伝子組換えにより、がん細胞を見分けて除去する強い抗がん効果を持つ人工免疫細胞を開発することができた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社グランソール免疫研究所
所在地奈良県 宇陀市
業種その他の製造業
技術分野バイオ
従業員数7人
資本金1,000万円
設立2005年

事業の背景

当社は2005年に医療クリニック発の再生医療ベンチャーとして設立され、がん免疫治療に使う治療用免疫細胞の製造と関連技術の開発を行っている。国内再生医療市場は2012年に約90億円であったが、2020年には約950億円に拡大すると予想されている。そのうちがん免疫領域は約1/4を占めており、市場の成長が見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術現在の免疫細胞を使った治療は治療効果に限界があるため、遺伝子組換えを応用したより抗がん効果の高い免疫細胞の開発が急務となっていた。
  • 生産能力細胞の数量と種類の管理を顕微鏡で手作業により行っており、時間と手間がかかっていた。

やったこと

免疫細胞に遺伝子を導入して人工免疫細胞を作製し、がん細胞に対する細胞傷害能力を解析した。これにより、強い抗がん効果を持つ治療用の免疫細胞を開発することができた。治療用免疫細胞の品質管理には、高性能顕微鏡に搭載されたセルカウントソフトウェアを用いて細胞数と細胞生存率を算定する方法を検討した。細胞の種類の確認についても、面積の大きさで細胞を識別する方法を用い、反応時間を短縮することができた。

新しい製品・サービス:遺伝子組換え人工免疫細胞(がん治療用の治療用免疫細胞)

事業の効果

遺伝子組換えにより、がん細胞を見分けて除去する強い抗がん効果を持つ人工免疫細胞を開発することができた。治療用免疫細胞の品質管理では、セルカウントソフトウェアにより細胞数や細胞生存率の自動計測の可能性を示せた。細胞の種類の確認についても反応時間を短縮でき、品質管理の効率化につながった。事業後には売上の増加を見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性国内再生医療市場が2012年90億円から2020年950億円に拡大見込みで、がん免疫領域が約1/4を占めると示され、市場環境と自社事業の関係が明確。
  • 4
    新しさ・高付加価値遺伝子組換えによる人工免疫細胞は従来の免疫細胞治療より抗がん効果を高める新しい技術で、高付加価値な治療用細胞として位置付けられている。
  • 4
    イノベーションへの貢献高性能顕微鏡の画像認識ソフトによる細胞数・種類の自動判別と、大学等との共同研究を組み合わせ、再生医療分野の技術革新に貢献する点が読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標反応時間を約339%程度短縮できたとあるが、目標値や付加価値額・賃上げの目標は示されず、実現可能性の根拠が薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    2005年設立の再生医療ベンチャーで、がん免疫領域を中心に研究・開発・人材育成を続けてきた経緯があり、事業の一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内再生医療市場が2012年90億円から2020年950億円に拡大見込みで、がん免疫領域が約1/4を占めると示され、市場環境と自社事業の関係が明確。

  • 課題の認識と解決3

    顕微鏡での手作業による細胞数や種類の判別という課題を認識し、画像認識ソフトの高度化で解析時間を短縮する計画があり、課題解決の方向性は示されている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    反応時間を約339%程度短縮できたとあるが、目標値や付加価値額・賃上げの目標は示されず、実現可能性の根拠が薄い。

  • 事業を進める体制3

    大学等の研究機関との共同環境を活用する体制が示されており、研究開発を進める人材や連携先が一定程度確保されていると読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    がん免疫細胞治療の効果限界という課題に対し、遺伝子組換えで抗がん効果を高める人工免疫細胞という製品の価値と必要性が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    がん細胞死滅の異なるメカニズムという課題に対し、研究機関と共同で原因究明を行う施策と、ソフトウェア能力向上による時間短縮の施策が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    遺伝子組換えによる人工免疫細胞は従来の免疫細胞治療より抗がん効果を高める新しい技術で、高付加価値な治療用細胞として位置付けられている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    がん治療の発展と医療技術の進展への貢献が示されているが、経済波及や雇用創出への言及は限定的。

  • 費用対効果2

    細胞数カウントの効率化による時間短縮は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の記述は見当たらない。

  • イノベーションへの貢献4

    高性能顕微鏡の画像認識ソフトによる細胞数・種類の自動判別と、大学等との共同研究を組み合わせ、再生医療分野の技術革新に貢献する点が読み取れる。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    再生医療市場が2012年90億円から2020年950億円へ成長すると見込まれ、成長分野への進出として日本の構造転換に資する面がある。

  • 地域経済への波及2

    奈良県宇陀市の医療の歴史に触れているが、地域の雇用創出や地域経済の成長への具体的な記述は薄い。

今後の展望

事業後には、拡大する再生医療市场のがん免疫領域で売上増加を見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。